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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2009年10月22日

J2第46節 湘南×鳥栖@平塚

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4位湘南、87ポイント。5位鳥栖、80ポイント。共に現在こそ昇格圏外ながら、共にここまで昇格の可能性を残してきた両雄の3巡目。「非常に緊迫した大事な試合」(鳥栖・岸野靖之監督)は平塚です。序盤からまずリズムを掴んだのは湘南。田原豊が広範囲に動いてボールを引き出し、ターゲットとして抜群に機能。それによって周囲も彼を追い越す動きが目立ち、連動したいい形を創ります。そのパフォーマンスには反町康治監督も「前半から久々に我々としてはいいリズムで終始圧倒することができた」と称賛するほど。14分には村松大輔の糸を引くようなサイドチェンジを臼井幸平がダイレクトで中へ。走り込んだ坂本紘司のワントラップボレーは枠を外れますが、25分にも寺川能人のCKから大外にいたジャーンの惜しいヘディングが飛び出すなど、主導権を奪います。一方の鳥栖は、「外からのボールとセットプレーで全体の60%を占める。このストロングだけは絶対抑える」(反町監督)という湘南にハーフナーマイクが完全に潰される格好に。前で基点ができず、相手にポゼッションを取られる中で両SHの武岡優斗と島田裕介も守備に忙殺され、なかなかサイドからのクロスも上がりません。32分、ショートコーナーから島田のクロス、CBのルーキー渡邉将基が頭で合わせたボールはクロスバーの上をなめて枠外へ。頼みのセットプレーもゴールならず。難しい時間が続きます。それでも前半追加タイムには鳥栖に決定機。エリア内でジャーンとGK野澤洋輔がお見合い。池田圭が足を伸ばすと、ボールは野澤の足に当たり、こぼれを武岡がミドル。何とか野澤がキャッチしたものの、湘南からすればヒヤリとするシーンを最後に前半は終了しました。ハーフタイムの決断は岸野監督。池田に替えてトジン。ジョーカーを後半頭から投入し、「FWに入れたボールの次を狙っていくこと」と意識を徹底します。一見、179センチという上背、10ゴールという結果、そして後半からの出場という諸条件から印象が薄いかもしれませんが、トジンのキープ力は大きな武器。実際、「トジンにキチンと収まって、そこから押し上げる形ができたのはあった」(岸野監督)「トジンにボールが収まって、獲りに行くと外される」(反町監督)と両指揮官が言及したように、このブラジル人の存在が鳥栖に勢いをもたらします。さらに、ある程度攻撃の時間が増えたことで、島田の「あまり開かずに中で受ける」という狙いも実行しやすくなり、「島田さんにボールが入ったら上がるのは約束事になっている」SBの日高拓磨と島田で組む左サイドが全体のバランスの中でも顕著に活性化。これで少しずつハーフナーも空き出し、66分には武岡のクロスからヘディングを枠内へ。74分にはトジンのシュートに繋がるポストプレー。さらに1分後にはトジンのスルーパスを受けて、あわやのシーンを創出。緊張感がヒシヒシと伝わってくる展開に、両サポーターのボルテージも上がり続けます。76分に動いたのは反町監督。「上がってくる日高にぶつけるのはリスキー」とわかっていながら、切ったカードは帰ってきたアジエル。9月6日以来、8試合ぶりの登場に「チームの中の空気が変わった感じがした」という反町監督の言葉を待たずして、スタジアムの雰囲気も10番への期待で高揚していきます。すると、やはり“神の子”降臨。90分を30秒ほど回ったタイミングで寺川からボールをもらったアジエル。2対2の状況、左を走る田原へのパスは「めったにない右足」(田原)で。意外な選択は、ただし絶妙。そして「裏に行く手もあったけど一瞬で変えて」開いて受けた田原が振り抜いたのは、利き足と逆の左。わずかにDFが触れたボールは、わずかにGKのタイミングをずらしてゴールネットに到達。アジエルの“右”と田原の“左”が生み出したのは歓喜、いや、狂喜。「“田原は走らないし動けない”というのを覆すような、いいプルアウェイの動きだった」と 、監督が“らしい”表現で讃えたCFの決勝弾で、湘南が敗れた甲府をかわして、再び昇格圏内の3位に浮上しました。最後の最後で力尽きた鳥栖ですが、戦い方にブレなし。運動量は90分間落ちませんでした。「今日は負けたので大きなこと言えないけど、鳥栖はホントに強い。改めてそう思った」と岸野監督。数字上は昇格が厳しくなりましたが、次節も「とにかく甲府にベストなゲームをしてしっかり勝つ」(岸野監督)姿勢を見せてくれることでしょう。勝った湘南を見て、私は昨年のことを思い出していました。10月26日、第41節のNDスタ。まだ昇格の可能性を残していた山形とのゲームで、後半終了間際に失点を喫して敗戦。事実上、望みを断たれた一戦でした。あれから1年。この時期の、この勝ち方に何となく縁起のよさを感じてしまいます。「自分たちのサッカーをあと5試合できるかどうか続けるしかない」と反町監督。11年ぶりのJ1を目指す航海の行き着く先は如何に。   AD土屋




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