人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

サッカー フットサル コラム 2025年12月12日

緑の勇者、2025年のフィナーレはEAST王者と激突するAGFフィールド! 東京ヴェルディユース×鹿島アントラーズユースマッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第22節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
  • Line
山崎琉聖

東京ヴェルディユース・山崎琉聖

11シーズンぶりにプレミアリーグへと帰還した今年の東京ヴェルディユースも、自分たちのスタイルに強いこだわりを持った好チームだ。90分間敵陣でプレーし続ける“半面ゲーム”を真剣に目指し、戦況を見ながら柔軟に戦い方を変化させていく。選手も実に流動的に動くため、対戦相手が対応しきれない場面も幾度となく目撃してきた。

ただ、前節の前橋育英高校戦は難しいゲームを強いられる。前半のシュート数は0対12と一方的に攻め込まれる展開に。守護神の山崎琉聖がファインセーブを連発し、何とか最初の45分間を0-1で耐えると、63分にはセットプレーから山田将弘が同点弾をゲット。それでも終盤に決勝点を奪われ、アウェイで悔しい敗戦を突き付けられる結果となった。

既に第19節終了時でEAST制覇を決めている鹿島アントラーズユースは、シーズンを通じて勝負強さを発揮してきた。第8節の川崎フロンターレU-18戦に6-1で大勝を収めると、そこから怒涛の6連勝を含む12戦無敗を記録。1点差勝利も8試合を数えるなど、シビアなゲームを勝ち切れる力はリーグの中でも圧倒的だ。

前節の青森山田高校戦も前半からフルスロットルで押し込むと、27分に吉田湊海のゴールで幸先良く先制。後半に入って一時は追い付かれたものの、吉田湊海の自身2点目で勝ち越し、さらに大貫琉偉も追加点を叩き出し、3-1できっちり勝利。試合後にはチャンピオンボードの前に立ち、笑顔で記念写真に収まった。

9か月に及んだ長いシーズンの大トリを飾る最終節。ホームチームの東京Vユースからは、GKの山崎琉聖をご紹介したい。開幕戦こそスタメンを譲ったが、2節以降はここまでフル出場を継続し、仲山獅恩の不在時には、キャプテンマークを巻くことも。守備陣を最後尾から逞しく束ねてきた。

丁寧に後ろからパスを繋いでいくスタイルを標榜するチームの中で、「自分はビルドアップに関して嫌な感じはなくて、どんどん自分を使うことでプラスワンが作れて、もっとボールも回しやすくなるので、積極的にやっていきたいです」と語る山崎が攻撃で作る“プラスワン”の効果は絶大。背番号1が披露するビルドアップ時の足元の上手さと、至近距離からのシュートストップには、この試合も要注目だ。

昨シーズンは「9番のストライカー」を任されていたが、今季は「18番のセンターバック」を務めている山田将弘は、東京Vユースきってのムードメーカーだ。開幕からスタメンを確保し、一時期は負傷で離脱したものの、後半戦は再びスタメン起用される試合も増え、セットプレーからもゴールをマークするなど、存在感を示している。

予想外のコンバートにも「意外と相手を潰すところや1対1の守備も楽しいですし、攻撃側の気持ちはわかるので、そこを生かしながらやっています」とポジティブに取り組んだことで、確実に成長を続けてきた。「最後はゴールを自分が獲って、劇的に勝ちたいですね」と笑った“センターバック”が、宣言通りドラマチックに主役をさらっていくのかも、楽しみに見届けたい。

高円宮杯プレミアリーグ特集サイト

アウェイゲームに臨む鹿島ユースでは、今季のディフェンスラインを支えてきた元砂晏翔仁ウデンバの進化が止まらない。キャプテンの大川佑梧と並ぶセンターバックコンビは、プレミアでも有数のユニット。際どい局面で最後まで足が伸びる粘り強さと、強烈な高さを誇る空中戦の迫力は、年代別代表の常連にふさわしいレベルにある。

11月にはU-17ワールドカップに参戦し、4試合でスタメンに指名されるなど、主力の1人としてチームの躍進に貢献してみせたが、準々決勝のオーストリア戦は体調不良で欠場することになり、日本もその試合で敗退。再び世界へと挑戦するモチベーションが高まっていることは想像に難くない。より高みを目指す背番号3の護り人が、ゴールにカギを掛け続ける。

2年生ながら鹿島ユースの10番を託されている平島大悟も、U-17ワールドカップを経験してきた1人。得意のアグレッシブなドリブル突破に加え、献身的な前線からのプレスも効果的で、初戦のモロッコ戦ではゴールも奪うなど、この人の活躍も日本のベスト8進出の一翼を担っていたことは間違いない。

ただ、前述のオーストリア戦では決定機をモノにできず、チームも0-1で敗戦。「最後にああいう負け方をして、本当に悔しかったですし、もう1回オーストリア戦のシュートのような場面が来たら、今度は絶対に決められるような選手になりたいと思いました」とやはりさらなる成長への糧を持ち帰ってきた様子。今節とファイナルでは、勝利に直結する確かな結果に期待したい。

前回対戦は5月3日に開催された第5節。アウェイの東京Vユースが仲山の2ゴールもあって、3-0で快勝を収めているが、この一戦は鹿島ユースの選手たちにとって1つのターニングポイントになったようだ。

「いつもゲームの前に、『熱くなりすぎても良いプレーはできないし、熱くなるところと今やるべきことをしっかり見られるような冷静さを持ってほしい』と伝えてはいるので、そういった意味ではプレミアのヴェルディ戦で気持ちが切れてしまった反省は、生きているのかなとは思います。その後もヴェルディ戦の話はよくするんですけど、今は自分たちで崩れないようにするところはできていると思います」(鹿島ユース・中野洋司監督)

J SPORTS 放送情報

東京Vユースがホーム最終戦を笑顔で締めくくるか。鹿島ユースが前半戦のリベンジをアウェイで果たすか。激戦必至。AGFフィールドで繰り広げられる2025年シーズンのラストゲームを、見逃すな。

平島大悟

鹿島アントラーズユース・平島大悟

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ