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サッカー フットサル コラム 2025年12月5日

悲願達成か!意地の逆王手か!タイトルを巡るWEST頂上決戦inいぶきの森!ヴィッセル神戸U-18×サガン鳥栖U-18マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第21節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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WEST制覇に王手を懸けた首位・ヴィッセル神戸U-18

3年連続で2位に泣いてきたヴィッセル神戸U-18が、悲願のプレミアリーグWEST制覇に王手を懸けている。今季初の連敗を喫し、第7節から守り続けてきた首位から陥落して、2位で迎えた前節の名古屋グランパスU-18戦。必勝を期したホームゲームは、圧巻のゴールショーとなる。

6分に濱崎健斗が先制点を挙げたものの、1分後に同点弾を献上。少し嫌な空気も流れる中、センターフォワードに入った森分圭吾が24分に勝ち越しゴールを決めると、井内亮太朗、瀬口大翔が得点を重ね、さらに濱崎が2点を追加してハットトリックを達成。終わってみれば6-1で大勝を収め、首位を奪い返すことに成功した。

前半戦から2位をキープしてきたが、第15節終了時では神戸U-18に勝点差6を付けられ、3年ぶりのWEST制覇が遠のいたように見えたサガン鳥栖U-18だったが、そこから第18節まで怒涛の3連勝を飾ると、今季初めて首位に立つ。

だが、前節の神村学園高等部との一戦は、先に2点を先行される苦しい展開に。古賀稜麻と池田季礼のゴールでいったんは追い付くも、試合終了間際の90+3分に決勝点を奪われ、2-3で無念の敗戦。その翌日に神戸U-18が勝利したため、再び2位に転落して決戦へ挑むことになった。

勝点43の神戸U-18が勝利すれば優勝、勝ち点41の鳥栖U-18が白星を手繰り寄せれば“逆王手”となる、まさにWESTの頂上決戦。今回はゲームを楽しむための3つのポイントをご紹介しながら、大一番をプレビューしていきたい。

(1)中盤の絶対軸!チームの心臓!

神戸U-18の中盤アンカーに君臨する、藤本陸玖の存在感は語り落とせない。1年時から出場機会を得てきたプレミアリーグでは、前節まで実に53試合に出場。キャプテンの瀬口大翔の欠場時には腕章を巻くことも多く、文字通り“チームの心臓”として大車輪の活躍を続けてきた。

「自分がポジショニングをしっかり取らないとバランスが崩れてしまうので、そこで自分の守るべき場所、立つべき場所を見極めて、常に良いポジション取りをすることは意識してやっています」とバランスにも言及したように、逆三角形の形を採用している中盤の中で、インサイドハーフの2人をどう操るかもこの人の腕の見せ所。背番号6のクレバーな立ち回りには是非注目してほしい。

鳥栖U-18の心臓部を担うのは、キャプテンとして常にチームを鼓舞し続けてきた東口藍太郎だ。今季のプレミアでは全20試合中19試合にスタメン出場を果たし、ハイパフォーマンスを継続。100パーセントを出し尽くすメンタリティも、仲間に大きな勇気を与えてきた。

トップチームでの活動を経て「声で味方を動かして、奪いどころに自分が誘導して、そこで奪うことだったり、リアクションの守備というよりは、自分のアクションの守備の部分を一番学んだのかなと思います」とさらにプレーの幅も広げた様子。大津高校戦では後半から未経験の右ウイングバックを任されたが、シュートブロック時には雄叫びを上げるなど、気合十分の働きぶりで役割完遂。魂のこもった背番号8の一挙手一投足から、この試合も目が離せない。

(2)フォワードの意地!オレがゴールを決める!

神戸U-18は2人のストライカーが、センターフォワードのスタメンを争っている。森分圭吾はここまでチーム2位の9ゴールを記録。ここ2試合も連続得点を叩き出しており、「上手さというよりはちょっと泥臭いプレーやゴリゴリ行くところが特徴だと思っています」という自身の武器を生かしつつ、きっちり結果も残してきた。

一方で来季からのトップ昇格が内定している渡辺隼斗は、ほぼ前半戦を棒に振った負傷離脱から帰還したものの、ここまで9試合に出場して、まだ1ゴールにとどまっている。前節は久々にスタメン落ちも味わっただけに、この9番がビッグマッチに燃えていることは想像に難くない。森分と渡辺。同じレフティの点取り屋を安部雄大監督がどう使い分けるも、勝敗のカギを握る1つのポイントだ。

最近は[3-4-2-1]の布陣を敷いている鳥栖U-18も、センターフォワードの覚醒が待たれている。チームの9番を背負う山村チーディ賢斗は、ここまでリーグ戦5ゴールをマークしているが、後半戦はまだわずかに1点のみ。前節も2点ビハインドの後半途中で交代を命じられており、発散すべきエネルギーは十分に溜まっているはずだ。

このポジションには能力の高い2年生アタッカーたちも控えている。さまざまなプレーを高次元でこなせる真殿京佑と、U-17ワールドカップは負傷で辞退することになったが、前々節で後半終盤から登場した谷大地は、ともに山村と同じ5ゴール。さらに1トップもシャドーもこなせる古賀稜麻も、神村学園戦では今季初得点を引き寄せている。この試合では誰がフィニッシャーを担うかも注視していきたい。

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(3)10得点のトップスコアラー!点の獲れるレフティ!

一度火が付いたら、もう止まらない。既にJ1のピッチも経験している神戸U-18の不動のナンバー10、濱崎健斗のことだ。今季初出場となった第4節の鳥栖U-18戦でいきなり2得点。翌節の東福岡高校戦では驚異の4ゴールで、その圧倒的な能力をまざまざと見せつける。

夏前からは肩の負傷もあって、長期離脱を強いられながら、9月末に戦線復帰してからはよりパワーアップした印象も。前節の名古屋U-18戦ではリーグ2度目のハットトリックを記録しており、出場10試合で10ゴールと二桁得点に乗せてきた。プレミア屈指の“点の獲れるレフティ”の躍動は、チームがWESTの頂点に立つためには必要不可欠だ。

鳥栖U-18が誇る左利きの異才・池田季礼は、飛躍の時を過ごしている。昨季は無得点に終わったにもかかわらず、今季に入って前節までにプレミアの舞台で重ねたゴールは10。第16節の帝京長岡高校戦ではハットトリックを成し遂げるなど、眠っていた得点感覚が完全に開花した感がある。

実はシーズン前に「最後の年なので、自分がチームを引っ張るという意識を持って、結果にこだわっていきたいですね。得点は二桁行けたらなと思います」とは話していたが、あるいは本人も驚くようなブレイクぶりで、もはやチームの主要な得点源に成長。前節のゴール時には、今までに見たことのないぐらい喜びを爆発させる姿も印象的だった。背番号5の“点の獲れるレフティ”には、試合を決定づけるような仕事を期待したい。

J SPORTS 放送情報

前回対戦は4月26日に行われた第4節。アウェイの神戸U-18が濱崎のゴールで先制すると、鳥栖U-18も山村が同点ゴール。ただ、そこから瀬口、濱崎が得点を重ねた神戸U-18が、山村がもう1点を返した鳥栖U-18の追撃を何とかかわし、3-2で逃げ切っている。

神戸U-18が8年ぶりとなるWEST制覇を引き寄せるのか。それとも、鳥栖U-18が再び首位に立ち、3年ぶりの戴冠へ逆王手を懸けるのか。リーグタイトルを巡るWEST頂上決戦には、超激闘の予感しか漂っていない。

2位のサガン鳥栖U-18は負けられない決戦に挑む

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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