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サッカー&フットサル コラム 2025年11月28日

この街の頂にはオレたちが立つ!熱戦必至!伝統の柏ダービー 2025冬 流通経済大柏高校×柏レイソルU-18マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第20節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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流通経済大柏高校・丸山ジェフリー

前半戦終了時には首位の鹿島アントラーズユースと勝点1差の2位につけ、優勝争いの中心を担っていた流通経済大柏高校だが、後半戦はやや苦境が続いている。第14節から第16節までは、まさかの3連敗。後半戦の8試合はここまで2勝2分け4敗と黒星が先行しており、改めて巻き返しを図りたいところだ。

一方で、高校選手権予選も苦しい戦いの連続ながら、千葉の代表権を掴んでいる。準々決勝の八千代高校戦は、2度のリードを吐き出しながら、3-2で何とか競り勝つと、プレミア対決となった市立船橋高校との準決勝も、延長までもつれ込む激闘を4-3でモノにする。さらに専修大松戸高校と対峙した決勝も、最後は延長前半に山元琉士が勝ち越し弾を叩き込み、2-1で辛勝。昨年度は決勝で涙を飲んだ冬の全国へ返り咲いた。

柏レイソルU-18は第19節終了時点で、7勝3分け9敗の9位。降格圏の11位・浦和レッズユースとの勝点差は6となっており、まだ残留が決まっていない状況。ここからのリーグ戦3試合に向けて、一段階も二段階もギアを上げていかなくてはいけないことは、彼らが一番よくわかっている。

前節のホーム・横浜FCユース戦も10分にCKから丸山寿貴斗が先制点を記録したものの、2分後にミス絡みで追い付かれると、さらに前半のうちに2失点を献上。66分には加茂結斗が1点差に迫るゴールをマークするも、今度は3分後に失点を喫し、ファイナルスコアは2-4。得点後のアラートさに課題を抱えるような90分間となった。

流通経済大柏でフィーチャーしたいのは、ダイヤモンド型の中盤のトップ下を務める昇純希だ。今季はここまで14試合に出場している中で、その内訳はスタメン7試合、途中出場7試合。ただ、本人は「スタートから行くのか、途中から入るのかというのは、自分の中で関係なくて、途中から入っても結果を出せばいいと思っています」と頼もしい言葉を残している。

昨シーズンからプレミアでもコンスタントに出番を得ていた昇が参考にしている選手は、「意味わかんないドリブルをしていたのを間近で見ていたので(笑)、いろいろ聞いたりしていました」という亀田歩夢(カターレ富山)とのこと。そんな“先輩”同様に、この人の高いテクニックやアグレッシブな仕掛けが、流通経済大柏の攻撃に楽しい彩りを加えることは間違いない。

もう1人の注目選手を流通経済大柏から選ぶのなら、丸山ジェフリーの名を挙げたい。今シーズンは同じ3年生GK藤田泰土の壁を打ち破れず、ここまでのプレミアでは3試合の出場のみ。前節の市立船橋戦では実に10節ぶりのスタメンに指名され、ファインセーブも披露したが、90分の同点弾で追い付かれ、試合も1-1のドロー。悔しい想いを突き付けられたことは想像に難くない。

なかなか出場機会が巡ってこない中でも、“先輩”が見せてくれた背中が支えになっているという。「2個上の土佐昂清くん(流通経済大)は、試合に出られていない時にGKコーチから『虎視眈々という言葉が似合う選手だ』と言われていて、そこに憧れているので、もちろんスタメンを獲りには行くんですけど、チャンスが転がってくることをひたすら待って、信じて、頑張っています」。このシーズン最終盤で自身の真価を証明したいはずの丸山の奮闘には、大いに期待したい。

アウェイゲームに臨む柏U-18の中では、新たなポジションで躍動を続ける上野暉晏の存在が面白い。前半戦は4バックの右サイドバックで出場することが多く、定位置を確保するまでには至らなかったが、後半戦は3バックの左センターバック起用が増えると、持ち前のアグレッシブな突破力はそのまま、守備面でも安定感を深めたことで、スタメンを勝ち獲った感がある。

高円宮杯プレミアリーグ特集サイト

本人も「去年はプレミアの登録もされなかったので、悔しい1年だったんですけど、今年はこうやって試合に絡めて、去年よりは自信が付いて、堂々とプレーできるようになったかなとは思います」と語っており、今や試合に出る選手としての自覚も十分。早生まれということもあり、来年のFIFA U-17ワールドカップも狙えるだけに、残されたリーグ戦も2026年のさらなるステップアップへと、きっちり繋げていきたい。

柏U-18の背番号10を託された加茂結斗も、ここからの奮起が望まれるアタッカーだ。プレミアデビューは2年前の中学3年時。既にトップチームにも2種登録されている逸材だが、自身で今季の目標に掲げていた「U-17ワールドカップ出場」はメンバーから落選したことで叶わず。「トップチームデビュー」というもう1つの目標も、現時点では達成されていない。

ただ、携えているマインドは非常に逞しい。「今の自分は、思い通りには行っていないですね。でも、そこの反骨心は味わえているというか、『こういう状況だからこそやってやろう』みたいな気持ちは強いので、逆に思い通りに行かないぐらいの方が、自分は成長できるのかなとも思っています。ここからの残りの3試合にどういう形で自分のマインドを持っていって、結果に繋げていくかが自分に問われているところなので、そこで自分に打ち克っていきたいと思います」。求められるのは勝利に直結する結果一択。今季最後のダービーに勝ち切るには、加茂の活躍が必要不可欠だ。

実はプレミアEASTで戦う12チームを見渡しても、同じ市町村に本拠を置くのは流通経済大柏と柏U-18の2チームだけ。この街の頂に立つのはオレたちだ。初冬に繰り広げられる柏ダービー。お互いの意地が炸裂する90分間は、熱くならないはずがない。

柏レイソルU-18・上野暉晏

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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