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サッカー フットサル コラム 2025年8月4日

歴史に残る超激闘!神村学園が大津との死闘をPK戦で制して悲願の日本一に!【インターハイ決勝 大津高校×神村学園高等部マッチレビュー】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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悲願の日本一を達成した神村学園高等部

インターハイの歴史に刻まれる、超激闘だった。令和7年度全国高校総体・男子サッカ―競技決勝。九州勢同士であり、プレミアリーグWEST同士の、大津高校(熊本)と神村学園高等部(鹿児島)が激突した一戦は、お互いに2点ずつを奪い合い、PK戦の末に神村学園が悲願の日本一を手繰り寄せた。

お互いに手の内をよく知る両者が、全国の頂点を巡って対峙するファイナル。どちらが勝っても初優勝ということもあって、試合前から好ゲームになることは約束されていたと言っていいだろう。

大津高校は初戦から6試合続けて同じスタメンが並ぶ。

 

後列左から村上慶、松野秀亮、今井獅温、福島悠士、福島京次、村上葵。前列左から岩崎天利、山下虎太郎、有村颯太、山本翼、渡部友翔。おなじみの11人がピッチへ送り出される。

神村学園は準決勝からスタメン1人が入れ替わる。

 

後列左から寺田健太郎、堀ノ口瑛太、竹野楓太、今村太樹、倉中悠駕、中野陽斗。前列左から日高元、荒木仁翔、福島和毅、伏原俐空、佐々木悠太。2年生の伏原が今大会初先発に抜擢された。

序盤はややお互い慎重に立ち上がったものの、すぐにどちらもアクセルを踏み込む。前半25分は大津。渡部のラストパスから、抜け出した山下の決定的なシュートは、神村学園のGK寺田がファインセーブ。31分は神村学園。伏原のラストパスから、福島が放ったシュートは右ポスト直撃。どちらもビッグチャンスを掴みながら、前半は0-0のままで35分間が終了する。

試合が動いたのは49分。大津は左サイドから村上慶がシュート気味のクロス。GKが弾いたこぼれ球に、いち早く反応した山本がボールをゴールへ流し込む。1-0。大津が一歩前に出る。

 

 

 

以降は追い付きたい神村学園も必死に攻めるが、身体を張って対抗する大津が1点をリードしたまま、後半も最終盤へ。だが、大津の選手の負傷もあって、12分が掲示されたアディショナルタイムに、ドラマは待っていた。

70+6分。右サイドでうまくターンした竹野が鋭いクロスを入れると、ペナルティエリア内で収めた日高は右足でフィニッシュ。ボールはゴールネットへ力強く到達する。1-1。土壇場で神村学園がスコアを振り出しに引き戻す。

 

 

 

両雄譲らず。死力を尽くした熱戦は、前後半10分ずつの延長戦へともつれ込む。

80分。神村学園が逆転に成功する。左サイドから途中出場の細山田怜真がロングスローを投げ込むと、ルーズボールを拾った細山田は躊躇なく右足一閃。軌道は左スミのゴールネットへ突き刺さる。2-1。神村学園が優勝への階段を、一歩駆け登る。

 

 

 

82分。大津は諦めない。左サイドでパスを受けた、こちらも途中出場の松岡凛が、右足で丁寧なクロスを上げ切り、宙を舞った岩崎が高い打点で合わせたヘディングは、GKの頭上を破ってゴールへと吸い込まれる。2-2。大津が初の全国制覇への執念を煌めかせる。

 

 

 

90+5分。主審が吹き鳴らしたのはタイムアップのホイッスル。延長が終わっても決着つかず。戴冠の行方はPK戦に委ねられることとなった。

緊張感も高まる1人目。先攻の大津はゴールに沈めたが、後攻の神村学園は枠を外してしまう。2人目と3人目はどちらも成功。すると、大津4人目のキックを神村学園の寺田がビッグセーブ。守護神の渾身のガッツポーズが飛び出す。

 

 

 

神村学園4人目はきっちり成功。さらにお互いが5人目から7人目までは確実にゴールネットを揺らし、迎えた8人目。大津のキックは枠の上へ。そして、東若泰雅のキックが成功した瞬間、神村学園の歓喜が爆発する。

 

 

 

2024年8月3日。インターハイ決勝。神村学園は1点をリードしていた残り5分で、昌平高に大逆転を許し、悔しい準優勝を突き付けられた。それからちょうど1年。再び帰ってきたあの日と同じステージで、今度は自分たちが勝利の美酒に酔いしれる。

「日本一は決して簡単なことではないので、そこを目指して登ってきたんですけど、なんか不思議な感じがします。子供たちが本当によく頑張ってくれて、こういう想いをさせてくれたので、本当に感謝しています」(有村圭一郎監督)。笑顔にあふれた大願成就。神村学園がとうとう全国の頂点へたどり着いた。

 

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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