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サッカー フットサル コラム 2025年5月9日

日本代表は熱戦の末に強豪ポルトガルに惜敗 ベスト4進出ならず|FIFA ビーチサッカー ワールドカップ セーシェル2025

サッカーニュース by J SPORTS 編集部
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ベスト4をかけた熱戦を繰り広げた日本代表の選手たち

アフリカのセーシェル共和国で開催中のFIFAビーチサッカーワールドカップ。グループAを2位で通過した日本代表は、8日の準々決勝でグループBを1位で突破した優勝候補のポルトガルと対戦した(日本時間午後9時30分キックオフ)。

日本はワールドカップで過去4回、ポルトガルと対戦してすべて敗退している。リベンジマッチとなった試合前、日本代表は「不用意なファウルをしない」「余計なミスは犯さない」「無駄なプレーは避ける」ことを確認し合った。しかし、序盤から「約束ごと」を守れなかった日本代表は、したたかなポルトガルを相手に常に後手に回ることになった。

ビーチサッカーは「12分間×3ピリオド(P)」制。第1Pの3分だった。

MF上里啄文がMFジョルダンを倒してPKを与え、キープレーヤーに先制点を決められてしまった。「不用意なファウル」からの失点だったが、それでも日本の選手たちは気持ちを切り替え、砂のピッチを精力的に動き回った。

同6分、GK古里健が右サイドにボールを送り、これをDF茂怜羅オズがダイレクトで相手ゴール左にパス。走り込んだFW鈴木将人が、そのまま右足ボレーで同点弾を押し込んだ。

DFオズは右足インサイドでパスを送る際、クイっと足首を動かして「シュートしやすい回転」のボールを送った。繊細なテクニックが光った場面だった。

同点に追い付いた直後に余計なミスが飛び出した

ちなみにゴールに繋がった一連のプレーは、グループリーグで対戦したべラルーシが得意とする攻撃パターンだった。

日本は「GK→右サイド→左サイドの選手がシュートに持ち込む」という素早い攻撃に対応が遅れて2失点を食らい、これが手痛い敗戦(3-6)を招く要因のひとつとなった。

しかし、その教訓をしっかりと生かし、短時間で我が物にして天敵ポルトガルとの一戦でゴールに結びつけた。田畑ジャパンの総合力の高さを証明したゴールだったが……その直後に「余計なミス」が飛び出した。

自陣左サイドで守備に回っていたFW鈴木の前にフワリとした浮き球のボールが飛んできた。誰もが、ボールを収めて攻撃に転じると思った瞬間、FW鈴木はヘディングで後方にバックパス。GK河合雄介との間にいたFWピンタードに得意とするオーバーヘッドシュートを叩き込まれた。

第2Pの6分、MF大場崇晃の豪快右足ボレーシュートで同点に追い付いた田畑ジャパンだったが、試合を振り返ってみるに勝敗の行方を大きく左右するシーンが終了間際に起きてしまった。

終了を告げるブザーが鳴る前にゴールを決められてしまった

自陣左サイドでGK古里がボールをキャッチ。すかさずピッチ中央のFW赤熊卓弥にスローイングのパスを送った。トラップできなかったボールを奪われ、無人のゴールに蹴り込まれてしまった。その時、会場に設置されていた時計には、残り時間「00:00」と表示されていた。審判団が「タイム・レビュー・システム」を使って協議。最終的に「終了を告げるブザーが鳴る前のゴール」と判断され、ポルトガルに3点目(公式記録は残り時間2秒)が認められた。

それにしても、第2P終了直前にGK古里は、相手選手2人にマークされていたFW赤熊にパスを出す必要はあったのか? 相手は優勝候補である。無理に攻撃せず、2-2の同点で第3Pを迎える方がベターという選択肢はなかったのか? やはり「無駄なプレー」ではなかったか?

第3Pに入るとポルトガルは、双子選手として有名なマルティンス兄弟のMFビー、先制PKを決めて波に乗ったジョルダンの2得点でゴールを積み重ねていった。

それでも田畑ジャパンの選手は、気持ちを切らすことはなかった。

MF松田康佑、GK河合、DFオズがゴールを決めて食らいつき、残り時間「02:13」(2分13秒)にFKを獲得したDFオズが、右サイドから強烈なFKを見舞った。ボールはGKの右肩に当たっても勢いは衰えず、ゴールネットにズドンと突き刺さった。

J SPORTS

【準々決勝-2 ハイライト】ポルトガル vs. 日本|FIFA ビーチサッカー ワールドカップ セーシェル 2025(5月8日)#fifa_beach

素晴らしい試合だったという声はもう聞きたくない

6-6の同点となってから約1分が経過。残り時間「01:09」(1分9秒)にワールドカップ2回優勝のポルトガルが底力を見せ付けた。

MFビーが右サイドから中に切れ込んで左足シュート。ゴール前でMF坪谷亮太が体に当ててブロックしたものの、浮き上がったボールをFWピンタードに自身2得点目となるオーバーヘッドシュートを叩き込まれた。このゴールが決勝点となり、日本は前回2024年のUAE大会に続いて準々決勝で涙を飲み、ベスト8止まりとなった。

大黒柱のオズが悔しさを押し殺しながら冷静にコメントした。

「試合後に(会場の関係者たちから)「よく頑張った。素晴らしい試合だった」と褒めてもらったが、そういう声はもう聞きたくない。これまで何回もワールドカップに出場し、何回も良い試合をやり、今日はポルトガルよりも良い内容の試合だった。それでも結果は負け。ワールドカップで優勝しようと思ったらファウルやミスを減らし、もっと効率の良いプレーをしないといけない」

2019年にパラグアイで開催されたワールドカップの準決勝。ポルトガルとの大一番は3-3からPK戦にもつれ、豪雨の中で1番手のDFオズがゴール右上に外し、チーム最年長だった3番手のMF田畑輝樹(現監督)も失敗してしまった。

 

「PKは外さない自信がありました。でも人生の中で一番、大事な場面で外してしまいました」とコメントしたDFオズにとっても、初めて指揮官としてワールドカップに挑んだ田畑監督にとっても、ポルトガル戦の敗戦は痛恨の極みとなった。

「攻守に置いて超攻撃的なサッカー」を標榜してセーシェルに乗り込んだ田畑ジャパンは、何度も追い付く驚異的な粘りを見せた。しかし、一度もリードを奪えなかった。

試合直後のフラッシュインタビューで田畑監督は「選手たちは本当によくやってくれました。もっと強い日本代表を作っていきたいと思います」と涙を堪えながら声を振り絞った。

敗戦のショックを胸に刻みながら一歩、また一歩、着実にレベルアップして勝負強さを身に付けていくしかない――。

文:J SPORTS編集部

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