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サッカー フットサル コラム 2024年1月24日

ヘンダーソンに続いてベンゼマもサウジアラビア脱出を図る

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ベンゼマはローン移籍を検討しているという。経済的に厳しいクラブでも交渉の余地はある

ベンゼマはローン移籍を検討しているという。経済的に厳しいクラブでも交渉の余地はある

アル・イテファクからアヤックスへ──。ジョーダン・ヘンダーソンがヨーロッパに戻ってきた。サウジアラビアでのチャレンジは、わずか半年で幕を閉じた。

異なる文化圏に対応するのは難しい。同じ日本でも東京と大阪、沖縄と北海道では食文化が違い、独特の方言もある。各自の環境適応力によるとはいえ、馴染むまで時間が必要だ。

ヘンダーソンは時間ができるたびに何度も何度もイングランドに帰国し、友人と会っていたという。精神的に限界だったのだろう。週給700万ポンド(約13億円)もの好条件を捨て、アル・イテファクとの契約を解除した。

おそらく、ヘンダーソンに続く者も現れる。文化の違いだけではなく、サウジアラビア・プロフェッショナル・リーグ(以下SPL)のレヴェルに困惑している選手も少なくない。戦術が曖昧で、プレー強度が低い。分かっていたはずだが、実際に闘ってみると、ヨーロッパとは驚くほどの大差があった。

「ヨーロッパで生まれ育ったわれわれが、サウジアラビアの文化に適応するのは至難の業だ。この冬はともかく、退団を考える時期は必ずやって来る」

スペイン代表歴を持ち、昨夏からアル・ナスルでプレーするアイメリク・ラポルテも困惑していた。

一方、アル・ヒラルに所属するクリスチャーノ・ロナウドは、「リーグアン(フランス)より上だ」とSPLを評価している。

実に彼らしい強烈な自己肯定だが、フランスのリーグでプレーした経験がないため説得力に欠ける。SPLの平均入場者数は7854人。オールド・トラッフォードやサンティアゴ・ベルナベウ、アンフィールドであれば、閑古鳥ですら失笑する。

キャリアのピーク、あるいはこれから頂点を迎える選手は再考せざるをえない環境だ。33歳のヘンダーソンでさえ、危機感を覚えてアヤックスに移籍した。

「アヤックスのユニフォームをまとったヘンダーソンは幸せそうに見えた。それがいちばん大事なことなんだよ」

リヴァプーのユルゲン・クロップ監督も、愛弟子のヨーロッパ復帰に胸をなでおろしていた。

さて、大ベテランがサウジアラビア脱出を画策している。カリム・ベンゼマだ。36歳のストライカーはアル・イテハドに馴染めず、全体練習に姿を見せないケースもしばしばあった、と報じられている。

ベンゼマの脱出に関しては、いまのところ憶測の域を出ない。しかし、エージェントが複数のクラブに接触したとの噂が飛び交い、最後の花道としてプレミアリーグが有力視されている。

「ラスムス・ホイルンドの成長を促す意味でも、ベンゼマは最高の教科書になる。マンチェスター・ユナイテッドは是が非でも獲得すべきだ」

古巣の不振を憂えるリオ・ファーディナンドが切望しても、かつての盟主は冬の補強を見送り、夏に “開腹手術” を決行する公算が大きい。

FWの人材不足が指摘されるチェルシーは、基本的に25歳以上の選手を獲得しない。ベンゼマは36歳だ。『PSR』(Profit and Sustainability Rules=収益性と持続可能性に関するルール)を回避するためにも、今冬の市場は静観が最善策だ。

マンチェスター・シティの構想に大ベテランが含まれる可能性は皆無に等しく、トッテナムの周辺にKARIM BENZEMAの名前は見当たらない。

ただ、アル・イテファクとの契約を解除したヘンダーソンと異なり、ベンゼマはローン移籍も検討しているという。したがって、ユナイテッドやチェルシーにも交渉する余地は残されているはずだ。ストーリーが急展開するかもしれない。

イングランドの移籍市場は2月1日23時まで開かれている。ベンゼマはサウジアラビアから脱出できるのだろうか。意に反して、残留を選ぶしかないのか。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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