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サッカー フットサル コラム 2023年6月23日

神奈川ダービーのキーポイントは異なるボランチのキャラクター!川崎フロンターレU-18×横浜F・マリノスユース マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第9節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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川崎フロンターレU-18・尾川丈

ユース版の神奈川ダービーが今週末に実現する。昨シーズンのEASTチャンピオンに輝いた川崎フロンターレU-18と、EASTで2位だった横浜F・マリノスユースの対峙は、川崎フロンターレ麻生グラウンドがその舞台だ。

川崎U-18はここまで8試合を消化して、4勝3分け1敗で3位に付けている。開幕からの5試合は3勝2分けと無敗を堅持。第6節の昌平高校戦でシーズン初黒星を喫すると、首位攻防戦となった第7節の青森山田高校戦も苦戦を強いられたが、1点ビハインドの最終盤に尾川丈のPKで追い付いて連敗回避。前節となる第8節(5月28日開催)の旭川実業高校戦では、攻撃陣が大爆発。岡崎寅太郎の4ゴールを筆頭に、チームは9得点を奪い切って、9-0で快勝を収め、リーグ戦4試合ぶりの白星を手繰り寄せている。

対する横浜F・マリノスユースは3勝2分け3敗の6位。開幕からの4試合で1勝3敗と黒星が先行していたものの、第5節以降は2勝2分けと4戦無敗を続けており、直近のリーグ戦に当たる第8節の流通経済大柏高校戦では、今季最多の3ゴールを叩き出し、3-1で今季3勝目をゲット。試合後には大熊裕司監督も「初戦から比べれば成長曲線は描けているかなと思います」と、少しずつ掴みつつある手応えを口にしていた。

激戦必至の神奈川ダービーでは、両チームの心臓部に当たるドイスボランチに着目したいと思う。まずはホームチームの川崎U-18で頭角を現してきたのが、2年生の矢越幹都だ。第3節の大宮アルディージャU18戦でスタメン起用されると、以降はボランチの一角に定着。プレースキッカーを任されるだけあって、正確なキックには定評があり、巧みにボールを引き出しながら、守備の局面でも厳しく行けるところも見せており、攻守に効果的なパフォーマンスを続けている。

そして、青森山田戦以降はボランチでの出場が増えているのが、今シーズンの10番を背負っている尾川だ。「もともとボランチもやってみたいなと思っていました」とは本人だが、ビルドアップ時は2人のセンターバックの近くまで下りて、低い位置からゲームを組み立てる役割も難なくこなすあたりに、ボランチに必要なサッカーIQの高さが改めて滲む。

その青森山田戦では終盤に3列目から前線まで飛び出し、自ら奪ったPKを沈めて勝ち点1獲得に貢献。さらに、夏のクラブユース選手権出場を懸けたジェフユナイテッド千葉U-18との関東予選でも、左足の鋭いミドルをゴールネットへ突き刺すなど、『ゴールに関われるボランチ』像を着々と築いている。このポジションには昨年からレギュラーを務めてきた由井航太もいるだけに、ポジション争いは実に熾烈。誰がスタメンで出てくるかも含めて、この一戦もホームチームのボランチには要注目だ。

横浜F・マリノスユースでボランチを組んでいるのは、3年生の桑原颯太と2年生の上西遥喜。第2節の青森山田戦以降は、一貫してこの2人がスタメンとしてピッチに送り出され、高いクオリティで中盤の軸を担い続けている。

桑原は昨シーズンにK2(神奈川県2部)リーグで実戦経験を積んできたからこそ、「プレミアは確かにうまくいかないことも多いですけど、その分だけそれを超えた時に絶対成長して返ってくるので、やればやるほど、続ければ続けるほど、この場所は成長できます」と話すなど、ハイレベルな環境でプレーすることの意味を実感している。

タイプとしては攻守を繋ぐ“コネクター”のような役割が印象的だが、1年時には山根陸と角田惠風、2年時には島田春人、篠原佑岳、細川楓と、それぞれタイプの異なる“先輩”を間近で見てきただけに、このチームのボランチに求められるタスクは十二分に理解している。「自分もああなりたいとなった時には確実に基準も変わるので、大きな存在です」という“先輩”たちのイメージを頭に刻んできた桑原が、このダービーではどんな顔を見せるのかにも大いに注目したい。

上西はもともと昨シーズンまでトップ下を務めていただけに、攻撃へと関わる量と質は桑原以上に求められる中で、流通経済大柏戦では1ゴール1アシストを記録するなど、少しずつ数字という意味での結果も付いてくるようになり始めている。

「最近ではブスケツのプレーを見ていて、どこにポジショニングを取ればいいのかとか、受けたらいいのかというのは参考にしています。もともとはメッシが好きでしたけど」と笑いながら話す上西も、プレミアのステージで着実に成長している自分を感じている。この2年生ボランチが攻撃でどんな違いを見せてくれるのかが、アウェイチームの勝利の鍵を握っていることは間違いないだろう。

約1か月の中断を経て、ここから再びギアを上げようとする再開初戦で、お互いに目指すのは勝ち点3だけ。勝利のみが求められる神奈川ダービーから目が離せない。

横浜F・マリノスユース・桑原颯太

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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