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サッカー フットサル コラム 2023年3月31日

前年度王者VS初参戦の新鋭 大注目の九州決戦 サガン鳥栖U-18×神村学園高マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第1節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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先田颯成

いきなりの注目カードが開幕戦でマッチメイクされた。昨シーズンのプレミアリーグWESTを制し、ファイナルでも川崎フロンターレU-18を下して、初の日本一を勝ち獲ったサガン鳥栖U-18と、近年は大迫塁や福田師王を筆頭に好タレントを輩出しつつ、各種全国大会でも存在感を発揮してきたプレミア初参戦の神村学園高等部が、SAGAスタジアムで激突する、九州勢同士の対峙という意味でも楽しみな一戦だ。

ディフェンディングチャンピオンの鳥栖U-18は、トップ昇格を果たした4人を含め、大半のレギュラーが卒団したものの、ファイナルでもスタメン出場した堺屋佳介や増崎康清、センターバックとボランチを兼任する林奏太朗、新キャプテンの先田颯成、ストライカーの山崎遥稀など、プレミアでの実績もある実力者が各ポジションに居並び、今年も優勝候補の一角であることに疑いの余地はない。

プレシーズンはややケガ人も多く、田中智宗監督もメンバー繰りに苦労していたが、古賀稜麻や山村チーディ賢斗、東口藍太郎といった新1年生も実戦経験を積むことに成功。「僕自身はまったく優勝チームだという意識はなくて、あくまでも毎年個人の成長に目を向けてやっていきたいと思います」と話す指揮官も、良い意味でメンバー選考に頭を悩ませるだけの選手が揃っている。

一方、昨年末のプレーオフを力強く勝ち抜き、鹿児島県勢としても初のプレミア参戦となる神村学園は、大迫と福田の二枚看板の卒業を受けても、中等部出身のタレントを中心にした攻撃的なサッカースタイルが変わることはなく、今年も好チームの予感が漂う。

西丸道人

福田の13番を引き継いだ西丸道人、大迫から14番を譲り受けた名和田と、“新・二枚看板”のクオリティは昨年度の高校選手権でも証明済み。2年時からレギュラーを張る右サイドバックの有馬康汰と左サイドバックの吉永夢希は、内側も外側も取れる現代型のサイドバックで、U-17日本高校選抜にも選出された金城蓮央も切れ味鋭い突破力が魅力的。アタッキングフットボールに磨きが掛かっている。

鳥栖U-18でフィーチャーしたいのは、新10番を託された堺屋だ。昨年は福井太智が背負っていた番号には「重いっすね(笑)。重すぎます」と苦笑するも、フォワード、トップ下、ボランチ、サイドハーフ、時にはサイドバックでもプレーできるマルチプレーヤーぶりは、前任者にもなかった大きな武器。本人はトップ下でのプレーを希望する中で、「ゴールを決めることだったり、アシストすることだったり、チームに貢献することで、他の選手との違いを見せられるんじゃないかなと思います」ときっぱり。得点に関わる仕事に期待が集まる。

ボランチが主戦場の先田も、この試合のキーマンに挙げておきたい。「守備では相手のボールの出所を狙ったり、攻撃に切り替わった後の前への推進力、前へどんどん追い越していくところは強みだと思っています」と自ら口にするように、攻守にエネルギッシュなプレーが印象的。チームメイトと密にコミュニケーションを取る姿勢も頼もしく、既にキャプテンとしての風格も纏いつつある。昨年の楢原慶輝とは違った形の背番号7としてチームを牽引していくはずだ。

神村学園の左サイドバックを務める吉永には、プロからも熱視線が注がれている。昨年になって今のポジションにコンバートされると、すぐさまU-16日本代表候補に選出。プレーオフでも得意の左足からゴールを奪うなど、その攻撃性能は圧倒的。ジョルディ・アルバや長友佑都を参考にしているという言葉にも頷ける。また、鳥栖U-18で右サイドバックでのスタメン起用が予想される田代聡太は、ソレッソ熊本時代のチームメイト。吉永はU-17日本代表の海外遠征から帰国したばかりなので、この試合の出場はやや不透明だが、マッチアップが実現すればとにかく熱い。

今季のチームの命運を握るストライカーは、高校選手権での活躍も記憶に新しい西丸だ。どうしても福田と比較されることは否めないが、自身は「すぐに追い付けるようなレベルではないですけど、自分が高3になった時にあの人を超えられるように、『神村は西丸だ』と言われるぐらい、まだまだやっていかないといけないです」と力強く語っている。ここ数年のプレミアで躍動した千葉寛太(徳島ヴォルティス)や坂本一彩(ファジアーノ岡山)のような、いわゆる“ストライカー顔”も逞しい13番のゴールが、チームのプレミア初勝利には必要不可欠だ。

置かれた立場は異なるものの、プレミアでの躍進を期す両雄にとって、開幕戦の結果は“22分の1”以上の意味を持つ。このステージではフレッシュな顔合わせ。大注目の90分間は、4月1日の11時にキックオフを迎える。

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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