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サッカー フットサル コラム 2023年1月30日

素晴らしい内容の皇后杯決勝 ベレーザの久しぶりのタイトル獲得で盛り上がる

後藤健生コラム by 後藤 健生
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クロアチア戦ではどちらも打開できないまま120分間が終了した。カタール大会では決勝戦のアルゼンチン対フランス以外では、延長戦では得点が1点も入らなかった。「負けたくない気持ち」の方が強すぎたのだろう。

どちらかのチームの選手が積極的に仕掛けてゲームが動かすことができれば最高。どちらかの監督が積極的な打開策を取れれば、それも良し。そうでなければ、偶然の得点でゲームが動くのを期待するしかない。極端な場合、どちらかに退場者が出ることによってようやくゲームが動き出すこともある。

さて、皇后杯決勝はどうやってゲームが動いたのか……。ベレーザの選手たちが、その狙い通りの攻撃でゲームを動かしたのだ。

ベレーザは、I神戸のウィングバック守屋をマークするために、左サイドバックの西川はあまり攻め上がらなかった。その分、右サイドバックの宮川麻都が攻撃に参加して右ウィンガーの藤野あおばとの関係を生かして何度かチャンスを作っていた。最終ラインは「右肩上がり」だったのだ。

そして、39分に宮川が相手と駆け引きしながら入れた浮いたクロスに植木がワンタッチで合わせて先制点を生み出した。ファーサイドのゴールポスト内側を叩く、植木の難しいシュートでベレーザが先制してゲームが動き出したのだ。

そして、植木は後半の立ち上がりにも2点目を決めてI神戸にさらに大きなプレッシャーを与えた。

この得点も右サイドでの藤野のドリブルがきっかけ。木下桃香の蹴ったCKを胸で止めた植木は、ボールがバウンドすることろをしっかりととらえて決めたのだ。

こうして、植木は決勝戦でも2ゴールを決めて見せた。

決勝戦の1点目のようなシュート技術、準決勝での2ゴールのような裏に抜ける速さを生かした得点など、さまざまなパターンで決めることができる総合的なCFとして植木の才能が一気に花開いたようだ。3月にアメリカで開催される「SheBlieves Cup」で海外の屈強なDF相手にどこまで通用するのか……。今から国際舞台で植木を見るのが楽しみだ。

いずれにしても、前半のヒリヒリするような「決勝戦らしい決勝戦」。そして、それを攻撃力で打開して自分たちのゲームにしてしまったベレーザの選手たち……。非常にハイレベルな、そして見ていて面白い試合だった。

しかし、そんな見事な試合の観客数はわずかに1939人。せっかくレベルが上がってきた日本の女子サッカー。もっと注目されてしかるべきだと思うのだが……。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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