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後半は、選手交代が繰り返される中で組織がバラバラになってしまい、追加点は生まれなかったが、日本代表はそのまま3対0で勝利した。
余裕のある展開だったので、それぞれの選手が自分の特徴をしっかりと発揮できた試合でもあった。アンカーの石渡はしっかりした守備で相手の攻撃の芽をしっかりと摘み、さらに落ち着いた展開で攻撃の起点となってみせた。また、右サイドハーフの佐藤はDFの稲垣のオーバーラップとも呼応して、再三サイドからのチャンスを作った。
一方、左サイドバックの植田悠太(京都サンガF.C.U-18)は再三のインナーラップで相手陣内のバイタルエリア付近まで顔を出して攻撃的な才能を発揮。日本代表のゴールを守ったGKの春名竜聖(セレッソ大阪U-18)は、足元の技術で素晴らしいパスを連発して見せた。
後半は、先ほども書いたように、うまく攻撃が噛み合わなくなってしまったが、12月24日、25日に行われる第2戦、第3戦では、また選手の違った組み合わせでそれぞれがストロングポイントをしっかりと表現してくれるはずである。
U-18代表。つまり、2004年1月1日以降の生まれの選手たちは、1年上の選手たちとともに来年度はU-20代表としてワールドカップに挑むことになる。
世界の同年代の選手たちとの真剣勝負は選手強化のために非常に重要な意味を持つ。とくに、この年代は新型コロナウイルス感染症によるパンデミックのために国際経験が不足している。本来なら参加していたはずの2021年のU-17ワールドカップは中止となってしまったのだ。
コロナ禍がなんとか収束に向かったため、ようやく国際交流が可能となり、11月にはパリ・オリンピックを目指すU-21代表が欧州遠征を行い、つい先日にはU-16代表(来年のU-17ワールドカップ=11月ペルー=を目指すチーム)が南米パラグアイに遠征した。そうした国際経験の場を求めて、なるべく多くの海外遠征の機会を与えたいものだが、何よりも大事なのは彼らが自分たちの手でアジア予選を勝ち抜いて、それぞれのカテゴリーのワールドカップ出場権を勝ち取ることだ。
カタール・ワールドカップに出場した日本代表は東京オリンピック世代の選手が何人も活躍した、これまでにない若いチームだった。
しかし、世界を見渡せば19歳、20歳くらいの選手が何人も活躍していたのだ。2026年のワールドカップでのさらなる進歩のためにも、若い選手たちの成長が期待される。
2023年は年代別ワールドカップに注目したい。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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