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サッカー フットサル コラム 2022年10月21日

選手権直前の試金石は日本一経験校対決!東福岡高校×静岡学園高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第19節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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下川翔世

高校選手権3度の優勝を誇る“赤い彗星”こと東福岡高校。こちらも高校選手権2度の優勝を経験している全国屈指のテクニック集団、“ガクエン”こと静岡学園高校。言わずと知れた高校サッカー界の超名門校である。

オールドファンは1995年度の高校選手権準決勝を思い浮かべるかもしれない。国立競技場を舞台に両雄が激突した一戦は、後半終盤に静岡学園が先制したものの、終了間際に東福岡が追い付く白熱の展開。最後はPK戦で1年生GKだった南雄太(現・大宮アルディージャ)が4人目のキックをストップして、東福岡は涙の敗退。静岡学園は決勝で鹿児島実業高校と引き分け、両校優勝という形で初の日本一に辿り着く。懐かしい高校サッカー史の1ページだ。

ホームゲームに臨む東福岡は、2011年に創設されたプレミアリーグのオリジナルメンバー。高体連のチームでは青森山田高校と東福岡の2校だけが一度も降格を経験していないが、これは毎年選手の入れ替わるこの年代において、特筆すべき偉業であることを強調しておきたい。

今シーズンはここまで7勝2分け8敗という成績で7位。夏のリーグ再開以降は、第13節から名古屋グランパスU-18、ガンバ大阪ユース、セレッソ大阪U-18とJユース勢相手に3連勝を収め、一気に勝ち点を積み上げる。だが、ジュビロ磐田U-18との引き分けを挟み、前節で履正社高校相手に0-1で敗れたことで、現状は4連敗中。やや苦しい時期を強いられている。

一方、アウェイゲームを戦う静岡学園は昨年度のプレーオフを勝ち上がってきた昇格組。実に9年ぶりとなるプレミアの舞台で、いきなり開幕3連勝を飾るなど好スタートを切ると、6月までは6勝1分け2敗と首位争いを繰り広げるなど、その実力を結果で示してみせる。

ところが、7月以降は1勝4分け3敗となかなか白星に恵まれず、6戦未勝利とこちらも難しい時間を過ごしてきた中、先週のミッドウィークに開催されたホームの東福岡戦で、激しい打ち合いを6-3という壮絶なスコアで制し、7試合ぶりの白星をゲット。前節のセレッソ大阪U-18戦も一時は逆転を許しながらも、後半アディショナルタイムに黒澤翔太がプレミア初ゴールを叩き出して4-4のドロー。2試合続けて出入りの激しいゲームを繰り広げてきた。

神田奏真

今回の一戦でフィーチャーしたいのは、役割の違う両チームの“1トップ”だ。東福岡の最前線を任されているのは、10番を背負う下川翔世。シーズン序盤こそケガで欠場していたものの、6月に戦線復帰。以降は1.5列目や逆三角形で構成された中盤のインサイドハーフを担うことが多かったが、第15節のセレッソ大阪U-18からは1トップの位置で起用されてきた。

本人も「特徴は個人技で突破すること」と話すように、チームの中でもトップクラスの技術を有するだけに、ボールを高い位置で収め、そこから配球して攻撃のリズムを作るのがこの男に託された重要なタスク。先週の静岡学園とのゲームでも1ゴール2アシストを記録しており、個人としての調子は決して悪くない。時間も作れ、自らもゴールを狙える下川のパフォーマンスが、東福岡の勝敗を左右することは間違いない。

衝撃が走ったのは先週水曜日のこと。延期分の第8節、ホームに東福岡を迎えた静岡学園は前述したように6-3で快勝を収めたが、この一戦でなんと1人で5ゴールをマークしたフォワードがいる。神田奏真。今シーズンのガクエンの9番に指名されたストライカーだ。

とりわけハットトリックを達成した自身3点目のゴールは、右からのクロスを左足のアウトサイド気味に当ててニアサイドを破る、まさにゴラッソ。非凡な得点感覚を十二分に披露した。ここまでは守備の献身性で評価されてきた男が、一転してここ3試合で7ゴールの荒稼ぎ。得点ランキングでも6位に食い込んできており、この男がゴールを決めるか決めないかは、勝敗を左右する大事なポイントだと言っていいだろう。

前回対戦からわずか11日後に実現するリターンマッチ。東福岡も静岡学園もインターハイは予選敗退を突き付けられており、冬のリベンジを期す両者にとって、高体連のライバルには絶対に負けられないところ。まさに選手権直前の試金石。お互いに点を取り合うスペクタクルな展開を是非期待したい。

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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