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サッカー フットサル コラム 2022年6月24日

ボランチの競争激化がチーム力のさらなる向上を!横浜F・マリノスユース×青森山田高校マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグEAST第10節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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篠原佑岳

今シーズンはここまで2位と好調をキープしている横浜F・マリノスユースだが、2021年のプレミアリーグEAST王者でもある青森山田高校との公式戦では、6年に渡って勝ち星から遠ざかっている。昨シーズンはホームで1-4と完敗(アウェイゲームは中止に)。2020年はコロナ禍でプレミアリーグ自体の開催がなく、2018年からの2年間はチームがプリンスリーグ関東に所属していたため、対戦はなし。さらに2017年は2試合とも敗戦。最後に勝利を収めたのは、今から6年前に当たる2016年。この年はホーム、アウェイともに白星を引き寄せ、結果的に日本一に輝いた青森山田から勝ち点6を奪取した。

横浜FMユースはボランチの輩出に定評がある。現在もトップチームのキャプテンを務める喜田拓也、ジェフユナイテッド千葉の主軸を担う熊谷アンドリュー、期限付き移籍中の栃木SCで定位置を掴みつつある植田啓太、ルーキーイヤーから出場機会を勝ち獲っている山根陸など、プロの世界で活躍しているタレントは枚挙にいとまがない。

そして、今シーズンのチームにも素晴らしいボランチが揃っている。ここまでのリーグ戦で最も出場機会を得ているのは篠原佑岳だ。セットプレーのキッカーも務める俊英は、攻守にバランスの取れる好素材。試合中も的確な指示が目立ち、文字通りチームの中心として存在感を放っている。

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細川楓はクレバーさとファイティングスピリットを併せ持つ選手。昨年から就任した大熊裕司監督の元、「ゴール前で絶対にやらせないとか、攻撃でも絶対決め切るみたいな、質にずっとこだわりながらやってきた」ことで、もともと有していた技術の高さに加えて“粘り強い”プレーも身に付けている。

昨年からコンスタントにプレミアの舞台を経験してきた島田春人は、ゴールに関われるアタッカータイプで、今シーズンもここまで4ゴールを記録。本人は「どちらかと言うと熱血タイプなので、気持ちでガンガン行きたいと思っています」と話すものの、ゴール前でのクオリティは3人の中でも際立っている。

今年の横浜FMユースはキャプテン3人制を敷いているが、そこに指名されたのがまさに今回紹介した3人のボランチ。いずれもプレミアでキャプテンマークを巻いており、誰が出てもチームに軸を通す役割をこなし切る。この青森山田との一戦も、まずはドイスボランチにどの2人が選ばれるのかは興味深いポイントだ。

青森山田は、ようやく苦しんできた状況が好転し始めている。プレミアリーグでは開幕3連勝を飾りながら、4節以降はまさかの5連敗。厳しい時間を過ごしてきた中で、第9節のホーム・流通経済大柏高校戦で1-0と執念で競り勝ち、6試合ぶりの白星をゲット。勢いそのままに挑んだインターハイ予選でも全国切符を手繰り寄せ、「流経戦はベンチ外のメンバーも全員で戦って勝てたので、一体感が出てきていると思います」とエースの小湊絆も話したように、再浮上に向けての準備は整いつつあると言っていいだろう。

昨シーズンは松木玖生(FC東京)に宇野禅斗(FC町田ゼルビア)と、高校年代最強の2人が揃っていた青森山田のボランチのポジションだが、今シーズンはここまで複数の選手が起用されてきている。

本来のキャプテンである多久島良紀の長期欠場を受け、開幕戦から腕章を巻いてきたのが中山竜之介だ。2年生だった昨年は右サイドバックとして、高校選手権での日本一に大きく貢献。今シーズンは本職のボランチに戻り、「人一倍やるというのは自分の中の人生的なテーマでもあるので」と言い切るハードワークで、チームの中盤を支えている。

芝田玲

実は中山のパートナーを務めてきた小柳一斗は右サイドハーフに、小泉佳絃はセンターバックに、それぞれポジションを移している。その後、中山は無念の負傷離脱。連敗をストップした流通経済大柏戦とインターハイ予選決勝の八戸学院野辺地西高校戦は、芝田玲と櫻井廉がドイスボランチを組むことになった。

芝田は青森山田中出身の2年生。プレースキッカーも任されるなど、キック精度の高さに特徴を持つプレーメーカータイプ。インターハイ予選決勝でも後半のアディショナルタイムに生まれた貴重な追加点のアシストを決めるなど、中盤の位置から得点に直結するプレーが期待される。

櫻井は開幕からしばらく小湊のパートナーとして、1.5列目に近い位置でプレーしていた攻撃色の強い選手ではあるが、とにかく前線からの果敢なプレスが目立っていた。その献身性はボランチになってもまったく変わらず、常に攻守で100パーセントの力を出し切れる頑張り屋。この男のプレーは間違いなくチームメイトに勇気をもたらしていく。

中山は今回の横浜FMユース戦をターゲットにコンディション調整を図っており、さらに三橋と小林康人に加え、今季リーグ初出場も間近の多久島の中から2人がセンターバックに指名されれば、190センチの体躯を誇る小泉をボランチで使うことも可能。選手起用によって戦い方に大きな変化があるわけではないとはいえ、もちろんボランチのタイプが違えば、ディテールの差異は選手個々のキャラクターに拠ってくる。そのバリエーションの多さは、あるいは今年の青森山田のストロングになるかもしれない。

チームの要とも言われるボランチ。横浜FMユース、青森山田、双方のチームがこのポジションに誰を送り出すのかは、激闘必至のこの決戦において、大きな注目点として挙げておきたい。

文:土屋雅史

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土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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