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サッカー フットサル コラム 2022年5月20日

新旧『4-3-3』対決は頭脳戦か、肉弾戦か。柏レイソルU-18×FC東京U-18マッチプレビュー【高円宮杯プレミアリーグWEST第8節】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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山本桜大

柏レイソルU-18が4-3-3のシステムを導入し続けてきたことは、高校年代に興味を持って追い掛けてきている方々にとっては、広く知られているところだ。現在はヴァンフォーレ甲府で指揮を執っている吉田達磨氏が、アカデミーダイレクターとして一貫したフィロソフィーに基づくスタイルを構築し始めた10年以上前に、『自分たちがボールを保持する攻撃的なサッカー』というコンセプトを体現する1つの形として提示してから、基本的にはこの4-3-3はレイソルアカデミーの代名詞になってきた。

ただ、昨シーズンは自らもレイソルの下部組織で育ち、プロ入り後は日本代表まで辿り着いた酒井直樹監督が就任すると、新たな試みとして3-5-2のシステムにトライ。個人としてもチームとしてもより幅を広げた中から、田中隼人、真家英嵩、升掛友護がトップチームへと昇格し、大和優槻はヴァンフォーレ甲府とプロ契約を結ぶなど、U-18も新たなフェーズに突入しつつあることを予感させた。

酒井体制2年目となる今シーズンは、ここまでの戦いを見る限り、再び4-3-3を突き詰める方向に舵を切ったことが窺える。このシステムのカギを握る中盤アンカーには、DF登録の田村心太郎を起用。1年生ながら左CBとして大和、田中というJリーガーコンビと3バックを形成していたレフティは、一列上がった位置で攻守の繋ぎ役をこなしている。

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最前線では昨シーズンのプレミアで9ゴールを挙げ、真家や升掛を抑えてチームトップスコアラーとなった山本桜大が存在感を発揮。自身の特徴を問われ、「オールラウンダーだと思います」と答えるように、ドリブルで仕掛けたかと思えば、ボールを収めて基点を作り、ゴール前にも顔を出せるタイプ。今シーズンのリーグ戦でも既に3得点を記録しており、今節の活躍も十分に望めるタレントだ。

一方のFC東京U-18は、伝統的に球際と切り替えを強調するスタイルが特徴。高強度の中で戦い続けられるチームは、今までソリッドな4-4-2を採用することが多かったが、今シーズンはトップチームにスペイン人指揮官のアルベル監督が就任し、「ボールを愛するサッカー」を標榜しながら4-3-3のシステムを導入したことで、U-18もそれに倣う格好で同じ立ち位置を取っている。

このシステム変更で能力を開花させているのが、ここまで8ゴールとリーグ得点ランクトップに立つ熊田直紀だ。本来は1トップを務めるタイプだが、奥原崇監督は中盤のシャドーで起用。「ボールをたくさん触れる位置で、もっとサッカーをうまくなろうと考えながら、今はシャドーをやっています」とは本人の弁。183センチ、79キロという恵まれた体格を誇りながら、左足を駆使したテクニックも抜群。ボールに多く触りながらリズムを作ることで、結果的にゴールに関わる頻度も上がり、リーグ屈指の点取り屋として躍動している。18日にはルヴァンカップでスタメン起用されるなど、トップチームでも出場機会を与えられており、注目度も上がっている。

東廉太

最終ラインでは、やはり18日のルヴァンカップでスタメン出場を果たした東廉太に注目したい。189センチの長身センターバックは、小中のチームでもキャプテンを務めていた生粋のリーダータイプ。課題のビルドアップも「マンチェスター・シティのルベン・ディアス選手や、リバプールのファン・ダイク選手のプレー集や試合を見て、参考にしています」とイメージを構築することで、着々と進化しつつある。また、自身でも「明るさは自分の売りだとも思っています(笑)」と口にする人としてのパワーも魅力的。この男が生み出すエネルギーは、チームにとって必要不可欠だ。

福島出身の熊田は中学進学時にU-15むさしへ、山口出身の東は高校進学時にU-18へ、それぞれプロサッカー選手になるという覚悟を持って加入してきている。その目標に到達するためにも、この夏までのパフォーマンスは人生を左右し得るもの。彼らがこのプレミアの舞台に懸ける想いは、間違いなく人一倍強い。

柏U-18はここまで延期試合が多く、7節終了時で4試合の消化にとどまっているが、まだ1勝と結果に恵まれていない。また、3節から4連勝を達成したFC東京U-18も、前節はホームで横浜F・マリノスユースに1-4と敗戦。お互いに勝ち点3のみが求められる今節の90分間。同じシステムの噛み合わせにも着目しつつ、激しい好ゲームを期待したい。

文:土屋雅史

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土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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