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優勝を喜ぶクロップ監督と選手たち
「出番はなかった」
「ベンチ入りできなかった」
南野拓実に関するネガティヴな指摘は後を絶たない。リーグカップ決勝後も同様だ。リヴァプールの優勝に貢献していないような報道もある。
しかし、リーグカップではチームの得点王(4得点・1アシスト)であり、南野なくして優勝はありえなかった。ウイニングランでトロフィーを掲げたとき、フィルジル・ファン・ダイクとジョーダン・ヘンダーソン、そしてファビーニョが、「タキ(南野の愛称)と一緒に喜ぼうぜ」といわんばかりにサポーターを煽っていた事実が、その証である。
ユルゲン・クロップ監督も、「タキがいなければ、われわれはここまで勝ち進めなかった」と、高く評価していた。
さて、今回の戴冠により、リヴァプールは輝かしいキャリアを上書きした。
リーグカップの優勝回数は史上最多の9回目。決勝進出もマンチェスターの両チームとチェルシー、トッテナム、アストン・ヴィラを4回も上まわる13回を記録し、通算のタイトル獲得数は45回(コミュニティシールドは除く)。こちらもイングランド・ナンバー1である。2位のユナイテッドは43回だ。
また、クロップはボブ・ペイズリー、ジョー・フェイガン、ロイ・エバンズ、ジェラール・ウリエ、そしてケニー・ダルグリッシュに続き、リヴァプールでは6人目のリーグカップ優勝監督になった。
プレミアリーグの逆転優勝に向け、弾みがついたことは間違いない。
本稿執筆時点で首位シティとは6ポイント差の2位。消化試合はリヴァプールがひとつ少なく、直接対決も残っているため、ほぼ同列とみても的外れではないだろう。
「残り11試合は全勝。100ポイント近く稼がないと優勝は難しい」
独走態勢が崩れたジョゼップ・グアルディオラ監督が気合を入れなおせば、「今シーズンの優勝はシティで決まりさ」と、クロップは素っ気なかった。両監督の駆け引きも面白い。
ウェストハム、ブライトン、アーセナル、ユナイテッドと、リヴァプールの3月は難敵との対戦が相次ぎ、8日にはインテル・ミラノとのチャンピオンズリーグ・ラウンド16第二戦が組まれている。
シティもクリスタルパレスやブライトンといった曲者との対戦があり、今週末はホームでマンチェスター・ダービーだ。昨シーズンは0-2、一昨シーズンは1-2。直近2シーズン、本拠エティハドでは連敗しており、グアルディオラが着任した2016-17シーズン以降も1勝1分3敗。ホームのユナイテッド戦を、なぜか苦手にしている。
シティがユナイテッドに敗れ、リヴァプールがウェストハムを下した場合、その差は一気に3に縮まる。今シーズンの行方を占う意味で、今週末のプレミアリーグはいつにも増して注目度が高い。
さぁ、リヴァプールはシティを捉えるか──。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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