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サッカー フットサル コラム 2021年10月18日

生粋のストライカー。名古屋グランパスU-18・真鍋隼虎の特徴は『得点を獲ること』 【NEXT TEENS FILE.|高円宮杯】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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名古屋グランパスU-18のナンバー10、真鍋隼虎

「フォワードである以上、得点を獲ることが一番アピールできますし、自分の価値を高められるので、得点を獲ることが一番だと思っています」。短いフレーズの中で2度強調した言葉が、この男の在り方を何よりも現わしている。『得点を獲ることが一番』。 名古屋グランパスU-18のナンバー10。真鍋隼虎は自らが為すべき最大の仕事、すなわち“得点”に魅入られている。

大舞台でこそ、その実力を遺憾なく発揮するのが真のストライカー。今年の夏のクラブユース選手権で誰よりも輝いたのが、真鍋だった。準々決勝までの5試合で4ゴールを積み上げると、ファイナル進出へと王手を懸けた浦和レッドダイヤモンズユースとの準決勝で、勝負強さを見せ付ける。

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1点目は32分。右サイドから葉山新之輔がクロスを上げると、やや想定より高く来たボールへ諦めずに食らい付き、ヘディングで絶妙のコースに流し込む。「難しいヘディングを決められて良かったです。当たった瞬間に軌道は見えて、入ったのがわかりましたし、届かないと思ったんですけど、諦めずに当てられましたね」。

2点目は延長前半終了間際の90+4分。ゴール前の混戦から1人外にポジションを取りながら、1年生FW貴田遼河からのパスを呼び込み、左足一閃。ボールは右スミのゴールネットへ吸い込まれる。「遼河に入った時に自分がフリーで、『出せ』って強く要求したら出してくれたので、あとは決めるだけでした」。決して“決めるだけ”ではない一撃は、貴重な決勝弾。自身の2ゴールでチームを決勝へと導いてみせた。

準決勝の試合後。真鍋は宣言していた。「次も自分が点を獲って勝たせて、日本一になって金メダルをもらいたいです」。そして、その誓いは果たされる。

北海道コンサドーレ札幌U-18と対峙した決勝。1点リードで迎えた71分。貴田とのワンツーで右サイドを抜け出した真鍋は、躊躇なく右足を振り抜く。「今から振り返ったら『全然簡単なゴールじゃないな』と思うんですけど、あそこに行った時には『絶対に振り抜いてやろう』という強い気持ちがあったので、シュートも良いコースに飛んでくれたのかなと思います」。宣言通りに自らのゴールで日本一と得点王を手繰り寄せた。

クラブユース選手権 準決勝 浦和レッズユース vs 名古屋グランパスU-18

名古屋グランパスU-18 真鍋 隼虎 選手インタビュー

「試合前に同点で得点ランクトップというのは知っていて、『絶対に単独で得点王になってやる』というところは目標でした。応援して下さる方々には、自分は得点という結果で一番喜ばせることができますし、嬉しかったです」。堂々とした態度で発した言葉に、ストライカーの矜持が滲む。それでいて、ポストワークもこなし、守備に奔走する献身性も持ち併せているのだから、そのチームに対する貢献度は計り知れない。

今年は試合時にキャプテンマークを巻くなど、グラウンドマネージャーとしてもチームを牽引。古賀聡監督も「トレーニングの空気が緩んだり、甘くなったりした時には厳しい声を掛けたり、チームがやろうとしていること、大切にしていることを、彼がグラウンドマネージャーという形で、落とし込んでいくと。そういう部分を一番体現してくれているので、チームの中でも信頼の厚い選手です」と明言。背中で引っ張るリーダー像を築き上げてきた。

だが、やはりこの男が考えていることは1つだけ。「これからも自分のゴールでチームを勝たせられる選手でありたいですし、そういうエースストライカーになるということと、見てくださる方に自分のプレーで感動を与えられる選手になっていきたいです」。

この男の特徴は何かと問われたならば、『得点を獲ること』と答えて良いだろう。真鍋隼虎は本当の意味で『得点を獲れる』ストライカーだ。

文 土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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