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サッカー フットサル コラム 2021年6月30日

11人で戦い切る覚悟と意志。中村忠監督も認め始めたエネルギーの発火【高円宮杯プレミアリーグEAST FC東京U-18×浦和レッズユースレビュー】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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今年のチームも、決して力がない訳ではない。ただ、リーグ戦では開幕戦こそ競り勝ったものの、以降はなかなか白星を掴めないまま、社会情勢もあって試合の延期も相次ぐ状況に。勝利という成功体験を積み重ね切れずに、シビアなクラブユース選手権の関東予選に突入すると、勝てば代表権獲得という一戦で、ヴァンフォーレ甲府U-18にPK戦で敗れてしまう。

「やっぱり甲府に負けたあたりで、何となく『このままじゃダメだな』というのが、選手に少しずつ芽生えてきて、練習からしっかりやり始めたなという雰囲気は出てきましたね」。昨年末のクラブユース選手権は準優勝。悔し涙に暮れる先輩たちを目の当たりにしただけに、その想いも背負って日本一を獲りに行く気概は、誰もが持っていたに違いない。

負けた方は敗退という柏レイソルU-18とのシビアな“決戦”を3-1で制すと、続く三菱養和SCユース戦も3-0で快勝を収め、何とか全国大会への出場権を手にする。崖っぷちまで追い込まれたことで、ようやく彼らのエネルギーは、発火した。

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約2か月ぶりの再開となった、浦和レッズユースとのプレミアリーグEAST第8節。決して華麗なサッカーを披露した訳ではない。2度に渡って訪れた決定的なピンチも、守護神の彼島優が水際で防ぐ。そして、ここに来て定位置を奪った宮下菖悟のクロスから、トップチームに帯同した経験を自分の中で力に変えつつあるストライカーの野澤零温が、完璧なヘディングをゴールネットへ叩き込む。1-0。冒頭でも記したように、スタメンの11人は1人も交代することなく、90分間を走り切り、戦い切り、勝ち点3を奪い取った。

「本来であればウチがボールを持ってとか、チャンスを作ってとか、守備の所でも察知してとか、いろいろなことをやらないといけないというのはあるんですけど、今持っている力を今日は出せたんじゃないかなと思います」(中村監督)。“今持っている力”の総量は、間違いなく増えつつある。

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