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サッカー フットサル コラム 2021年5月25日

疲労でパフォーマンスを落としている田中碧。日本の将来のエース候補には、休養を与えてほしい

後藤健生コラム by 後藤 健生
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つまり、田中碧は最近の試合でも川崎の攻撃の中心選手として縦横無尽の活躍をしているのは間違いない。だが、本来だったらありえないような簡単なパスをミスしてみたり、中盤であっ気なくボールを失うなど、本来ならありえないようなミスも多くなっている。

「不調」の原因は明らかに疲労だ。

無理もない。選手層が厚く、多くの選手を回しながら起用している川崎の鬼木達監督だが、MFの田中と右サイドバックの山根視来だけは全試合で起用しているのだ(札幌戦での田中のベンチスタートはきわめて異例)。そのため、田中と山根の疲労度は他の選手以上のものがあるはずだ。

しかも、3月の代表戦では山根はフル代表、田中はU-24代表にそれぞれ招集され、山根は韓国を相手に先制ゴールを奪う活躍を見せ、田中は先述のようにアルゼンチン戦の第2戦で大活躍した。

つまり、川崎でフル出場を果たすと同時に、日本代表でも試合を続けているのである。

中止選手である彼らの疲労は川崎にとってはかなりの大問題ということになる。

そして、今後も厳しい日程が続く。5月末まで川崎でのプレーを終えると、6月上旬の代表ウィークで山根は再び日本代表に、そして田中はU-24日本代表にそれぞれ招集されるのだ。そして、6月下旬には川崎はウズベキスタンに渡って、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ6試合を戦うことになっている。

そして、田中の場合にはウズベキスタンから帰国するとU-24日本代表の一員として東京オリンピックを戦うのだ。オリンピックでは、真夏の酷暑の中、中2日で6試合を戦うことになる。つまり、ほとんど休みなく、レベルの高い試合を繰り返さなければならないのだ。

田中に無理をさせすぎて故障などしてしまったとしたら、川崎のJ1リーグ連覇に向けても戦力ダウンとなってしまうし、東京オリンピックでの上位進出にも黄色信号がともってしまう。

今や日本の将来のエース候補となった田中碧。ここで疲労を溜め込んで戦列を離れるようなことがあったら、川崎にとっても、日本代表にとっても大きな戦力ダウンを避けられない。クラブと代表のスタッフ同士でしっかり話し合って、束の間でもいいから田中碧に休養を与えてほしいものである。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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