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チャンスがなかったわけではない。内容的には4点目、5点目が決まっていてもおかしくなかった(ドイツ代表だったら、7ゴール決めていたに違いない)。
たとえば、55分、中盤でよく走ってボールを確保した南野からのパスを受けた大迫はペナルティーエリアのすぐ外でボールを受けてターンして前を向いた。だが、そこで南野にパスを戻してしまったのだ。
好調時の大迫であれば、間違いなく自分で狙っていたはずだ。それが、ストライカーというものだ。
70分には右サイドでの攻撃からこぼれてきたボールが南野の足元に来た。だが、ボックス内からのシュートは枠をとらえられなかった。たしかに難しい体勢からのシュートだったが、南野の技術力をもってすれば決めていてもおかしくない場面だった。
こうして日本が、なかなか“3点目”を決められないでいると、その後、韓国にもセットプレーなどからチャンスが生まれる時間帯が訪れた。
もし、相手が本当に強い相手だったら(あるいは、ソン・フンミンがいたら)、同点にされていたかもしれない。
「2点リードしていても、相手が本当に強かったら逆転されることもある」ということは3年前の夏に思い知ったことだ。だからこそ、早めに3点目を決めて突き放しておきたかったのだ。
だから、攻撃陣に関しては、僕は諸手を挙げて賞賛するわけにはいかない。
これに対して守備陣は(もちろんミスは数回あったものの)完璧に近かった。しっかりと攻撃の形を作れたのも、守備陣のお膳立てのおかげだった。
守備の国、イタリアでDFとして高く評価される吉田麻也と冨安健洋はもちろん、Jリーグ組の山根や佐々木翔も、韓国選手とのデュエルで一歩も引かずに闘って流れの中からはほとんどピンチを招かなかった。
そして、ブンデスリーガで活躍する遠藤航はもちろん、海外移籍して間もない守田英正も素晴らしい守備を見せ、また回収したボールをしっかりと攻撃につなげるための丁寧なパスを供給し続けた。そして、前線の選手は前からよく韓国選手を追って、韓国の攻撃に規制をかけた。
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