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シュートが正確に飛ばなかった理由を一つ挙げるとすれば、国立競技場の芝生のせいだったかもしれない。
新しく建設されたスタジアムでは芝がしっかりと根付いていないこともある。
先日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で使用されたカタールの新スタジアムの芝生がどこもそうだったし、2002年ワールドカップを前に建設された日本のスタジアムの芝生も当初は酷い状態のものが多かった。
しかし、国立競技場は完成からすでに1年もの時間が経過しており、オリンピック、パラリンピックが延期され、しかもオリパラの準備のためにほとんど使用されないまま1年が経過した。だから、芝生はしっかりと根付き、ほとんど傷んでいない状態だったはずだ。
だが、川崎にとっては芝生が長すぎたのだ。
本拠地、等々力陸上競技場も芝生の状態が良いことで知られるスタジアムだ。そして、パスをつなぐサッカーを志向する川崎フロンターレに合わせて、試合の行われる時の等々力の芝生は短く刈り取られている。
だが、天皇杯決勝での国立の芝生は等々力の芝生より長かったのだ。そして、かなり密に成長した芝生が長めに刈り取られていた結果、選手がスリップする場面も何度かあった。
シュートの抑えがきかなかったことに、芝生の影響がある程度あったことは確かであろう。
もちろん、それを言い訳にしてはいけない。芝生が多少長くても短くても、あるいは荒れていても、それを見極めて適応するのがプロ選手というものだ。
とにかく、一方的にゲームを支配して27本ものシュートを浴びせ続けた川崎が55分の三笘薫のゴールだけに終わったため、ゲームは最終盤で大きく動きそうになってしまった。突然、反撃を開始したG大阪が何度か決定的なチャンスを作ったのだ。さらに、川崎のGKチョン・ソンリョン(鄭成龍)のファンブルなどもあって、「あわや同点」という場面があった。
序盤戦にも、G大阪は短い時間だったものの試合の主導権を握った。
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