人気ランキング
コラム一覧
市立船橋高校:石田侑資
勝てば無邪気に笑い、負ければ悔しさのあまり涙を流す。感情の振れ幅が大きければ大きいほど、見ている者の感情も、より揺り動かされる。「感情的になっちゃう時もあるんですけど、声を出す部分が凄く自信のある所なので、そこはこれからもやっていきたいですね」。市立船橋高校のキャプテンを務める石田侑資は、実にエモーショナルな選手である。
異質なプロフィールが目を引く。徳島県出身。前所属は徳島ヴォルティスジュニアユース。「自分は本当にプロになりたいですし、日本一になるために、日本代表になるために、イチフナに来たんです」。プロ。日本一。日本代表。いくつもの夢を実現するため、単身で千葉の名門へ飛び込んだ。
1年時からAチームの公式戦に出場し、昨年はディフェンスリーダーとして、チームを後方から支え続けた。とりわけ彼の真価が発揮されるのは、劣勢に陥った時だ。何度となく攻め込まれても、何度となく失点を重ねても、折れることなく味方を鼓舞し続けられる。相手が先輩であろうと、後輩であろうと、その姿勢はいつだって変わらない。
ゆえに仲間からの信頼も厚い。昨年度の高校選手権千葉県予選決勝。2-1でリードしている状況で、普段の石田からは考えられないミスを犯し、同点に追い付かれてしまう。そんな彼にチームメイトたちが次々と励ましの声を掛けて行く。「こういう舞台でああいうミスをしてしまった自分に、味方が凄く声を掛けてくれて、そこで自分も下を向かずに、心が折れずにできました」。
その後、チームが再び勝ち越すと、最後まで体を張り続ける。永遠のライバルとも言うべき流通経済大柏高校を下し、全国大会出場を決めた瞬間。石田は笑顔で泣いていた。感情の振れ幅が大きければ大きいほど、見ている者の感情も、より揺り動かされる。実にエモーショナルな選手である。
市立船橋の5番は守備の中心選手に託される番号だ。羽田憲司。中澤聡太。大久保裕樹。増嶋竜也。渡辺広大。磐瀬剛。杉岡大暉。多くの偉大な先輩たちが纏った番号を、今年は背負うことになる。普通のプレーでは許されない。周囲が納得するプレーを常にし続けることが、この伝統を受け継ぐということになる。
決してハードルは低くない。だが、石田ならきっとそのプレッシャーも自らの力に変えて、笑いながら、泣きながら、チームと一緒に成長していくのだろう。
市立船橋高校。5番。石田侑資。イチフナを魂で牽引する男に是非ご注目あれ。
文 土屋雅史(J SPORTS)
土屋 雅史
1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【先行】高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-2 FC東京U-18 vs. 鹿島アントラーズユース
11月30日 午前10:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 準々決勝-1 オーストリア vs. 日本
11月21日 午後9:15〜
-
日本トリムPresents 第17回全国女子選抜フットサル大会 ~トリムカップ2025~ 決勝
11月30日 午後2:00〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 ラウンド16 北朝鮮 vs. 日本
11月18日 深夜12:00〜
-
高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 EAST 第20節-1 流通経済大学付属柏高校 vs. 柏レイソルU-18
11月29日 午後1:50〜
-
FIFA U-17 ワールドカップ カタール 2025 決勝 ポルトガル vs. オーストリア
11月27日 深夜12:45〜
-
サッカーニュース Foot! 超高校サッカー通信 Presents 高円宮杯U-18プレミアリーグ 土屋雅史の深掘りレポート2025 #19
11月27日 午後9:30〜
-
【限定】ロングハイライト・高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2025 WEST 第20節-3 神村学園高等部 vs. サガン鳥栖U-18
12月2日 午後8:00〜
J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!
