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バルサBに所属する安部は11月3日アンドラ戦以降、現在8試合連続スタメン出場している。そのうち12月8日のバレンシア・メスタージャ戦で左サイドとしての出場以外、7試合すべてセンターフォワード(CF)としてプレー、もちろん、試合中のポジションチェンジはされているが。さらに11月17日コルネジャー戦で初ゴールを挙げると、続く23日リェイダ戦で2試合連続ゴールを頭で決め、12月15日ラ・ヌシア戦でも2ゴールを挙げたばかりと好調を維持。今後にも期待がかかる。
安部が所属するバルサBはセグンダBというリーグに所属する。これはバルサトップチーム、レアル・マドリードなどが戦うプリメーラ、香川、岡崎らがプレーするセグンダA(実質2部)に続く、実質3部リーグとなる。このセグンダBはスペインを大きく4つに分け、各グループ20チームの合計80チームから構成される。
ではなぜ、鹿島アントラーズで10番を背負った男は3部リーグに所属するバルサBを移籍先として選んだのか。
「サッカーを知るためにきています」とシンプル、かつ明確に答えている。ではトップチーム昇格を狙っていくか、という質問に対しては、「このチームで日々成長すること、練習、試合もそうですけど、その中で自分自身がサッカーを知ることや、うまくなることが一番大事だと思いますし、そこにしか集中してないので余計なことは考えないようにしています」と地に足がついている。
多くの日本人選手は実際に入団した後、日本人の特徴でもある正確な技術は一目を置かれ、デビューも難なくこなし出場し続ける。しかし、3、4ヶ月が過ぎるうちに出場機会の減っていく選手はリーガ・エスパニョーラでは多い。
なぜか。
元エスパニョール強化部長のアンヘル・ゴメスは言う、「君のことを気に入って獲得しているということを忘れないで欲しい。君の良さがなくなってしまったら、試合では使われなくなってしまう」、向上心旺盛に監督の言うことを吸収しようとするがために、自分のプレースタイルを失っていってしまっているケースがほとんどか。以前に出場機会の減っていたエイバル乾も、「納得できずにベンチに座っているのなら、思い切りやって、納得してベンチに座ろう」と、その後、スタメンに定着するきっかけを作っていた。
一方の安部はガルシア・ピミエンタ監督からの戦術指示について、「CFはやってきていないポジションですけれど、回数も増えてきて自分の中で考えずに動けるようになってきたというか、ですので動きもスムーズだと思います。味方のスペースを空けることや、周りを見ることも得意で、そういうものを求められていると思います」と学べている、さらに柔軟に対応していることが伺える。つまり、“学べること”が評価され、自分のプレースタイルを失わずに監督の要求に応えていることになる。このように現時点、約半シーズンではあるが、安部の場合、自分のプレースタイルとチームの要求がマッチしているとも捉えられる。安部は言う、「環境が大事」だと。3部リーグではあるがビッグクラブの下部組織で、その才能を遺憾無く発揮し始めている。
文:J SPORTS 編集部
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