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サッカー フットサル コラム 2019年5月21日

【FIFA U-20ワールドカップ 日本代表インタビュー】「楽しみですね。どこまでできるか。アドレナリンがビンビンですね」~FC東京・田川亨介~

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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FC東京・田川亨介

初めてプロのピッチに立った瞬間から放ち続けているスケール感がさらに突き抜けた時、世界はきっと彼の存在を強烈に認識するに違いない。「責任はやっぱりあると思うし、期待されている所もあると思うので、自分が自分がというか、貪欲にやらないといけないなとはずっと思っています」。東京から世界へ。未来を懸けた田川亨介の大いなる挑戦が幕を開ける。

2年前に韓国で開催されたFIFA U-20ワールドカップ。今年からFC東京でチームメイトになった久保建英と田川は、2人だけ“飛び級”でメンバーに選出されていた。「一番下の方で入って、その時はまだプロ1年目でしたし、『どうしたら良いかわからない』という感じで、上に頼りっぱなしでしたね。自分からアクションすることもあまりなく、ただただ付いていっている感じでした」。出番はフル出場したイタリア戦と、延長後半に投入されたベネズエラ戦の2試合のみ。目に見える結果を残すには至らなかった。

それでも世界のピッチは鮮烈な印象を田川の体に刻み込む。「世界の敵の強さというか、本当に死ぬ気で来ている気持ちが僕らにも伝わってくるぐらい、そこはかなり感じましたね」。ただ、日本の良さも再確認することができた。「テクニックでは劣っていなかったですし、1人1人上手い選手が多いので、そこは通用したというか、頭を働かせて流動的にできていた感覚はありました」。日本と世界の違いを体感できた経験は、今でも自身の貴重なモノサシになっている。

翻って今大会。久保の招集が見送られたことにより、前回大会経験者は田川1人だけとなった。「そういうキャラじゃないんですけどね」と苦笑しながらも、自らの役割はもちろんわかっている。「僕はあまり年下とメチャクチャ喋る訳でもないんですけど、今回は初めての選手もいるから、そこは気を遣って自分から積極的にしゃべっていかないといけないかなと思いますね」。

このグループの仲の良さは誰もが口を揃える所。影山雅永監督もチームの特徴を問われて、「良い意味でも悪い意味でも明る過ぎる所」と言い切っている。田川もその空気感は大事にしたい一方で、年長者として考える所があるようだ。「みんな仲が良いというのは常にコミュニケーションを取れるし、良いことでもあるんですけど、それが悪い方向に行かないように、そこはメリハリを付けて行かないととは思いますし、齊藤キャプテンとしっかりやりたいですね」。

今回は副キャプテンにも指名されている。「確実にチームを引っ張ろうという意識は変わっていますね。早生まれで下の年代と絡むことが多いのもあるし、代表に来る内に自然とそうなってきたのかなと思います。大人になっちゃったんですよ(笑) らしくないですよね」。照れ隠しかのように紡いだ言葉に、20歳の本音が滲んだ気がした。

2年前も対戦したイタリアは、一番楽しみにしている相手だという。「イタリア人監督のマッシモとやっていたこともあるので、守ってくるイメージはありますね。引かれる所もあるから、自分のストロングが凄く出せる感じでもないかなとは思いますけど、僕が裏に抜ける動きをし続けて、生まれたスペースに連動で入ってきたり、そういう攻撃をしたいですね」。まだルーキーだった18歳を信頼し、プロのピッチへ送り出したかつてのイタリア人指揮官も、きっと田川の活躍をどこかで見守っていることだろう。そして、今まで彼に関わってきたあらゆる人が、世界での躍動に期待を寄せている。それに応える責任の大きさは、おそらく自身が一番理解しているはずだ。

「スピードという強みは今回のメンバーにない所だと思っているので、そこをしっかり見せたいですし、この大会はいろいろな人に見られると思うので、そこに向かって自分を印象付けたい想いもあります」。田川にとって、既に世界は決して遠いものではない。「このチームは強い相手こそ燃えるというのもあるし、そこを今回はしっかりと生かせるよう、そういう気持ちは凄く持っていきたいなと思います」。

「楽しみですか?」シンプルに尋ねた質問に、笑顔が返ってきた。「楽しみですね。どこまでできるか。アドレナリンがビンビンですね。自信はあります」。圧倒的なスケール感と、芽生えてきたリーダーシップと。未来を懸けた田川亨介の大いなる挑戦が幕を開ける。

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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