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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

2023年03月06日

「脅威の20歳Aドゥリー、TピドコックCX旋風止まず、ほか」 CCRウィークリーニュース3/6

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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いよいよ本場ヨーロッパでも本格的なロードシーズンがはじまっております。

「オープニングウィークエンド」と呼ばれるベルギークラシックの開幕戦「2/25 オンループ・ヘットニュースブラッド」を皮切りに、「第6のモニュメント」を呼ばれる「3/4 ストラーデ・ビアンケ」、そしてツールとジロを占う上で重要なレースとなる今週開幕した「3/5-12 パリ〜ニース」&「3/6-12 ティレーノ〜アドリアティコ」と、今年の勢力図などを確認していく上で大切なレースが続々と開催されています。

ということで今週の「しゅ〜くりーむ らウィークリーニュース」は、欧州ではじまったUCIワールドツアーの内容をチェックしつつ、直近の注目点などを簡潔にまとめてみたいと思います。


◯まずは2/28時点のワールドランキング"チーム"を確認

1位 UAE 2975P
2位 INTERMARCHÉ 2621P
3位 INEOS 2555P
4位 SOUDAL 2541P
5位 BAHRAIN 1848P
6位 JUMBO 1756P
7位 MOVISTAR 1644P
8位 EF 1627P
9位 LOTTO 1619P
10位 BORA 1445P
11位 TREK 1435P
12位 COFIDIS 1285P
13位 ISRAEL 1194P
14位 JAYCO 1152
15位 GROUPAMA 1133P
16位 AG2R 1032P
17位 ARKEA 835P
18位 DSM 814P
20位 TOTALENERGIES 751P
22位 UNO-X 500P
30位 ASTANA 244P
38位 ALPECIN 154P


◯20歳のAドゥリーは単なるスプリンターではなかった

欧州のUCIワールドツアー開幕戦となる「オンループ・ヘットニュースブラッド」を含むベルギークラシックの「オープニングウィークエンド」は、2日続けてユンボ・ヴィスマ勢(オンループ=Dファンバーレ、KBK=Tベノート)が勝利を飾りました。一方、昨シーズン19歳(20歳)ながらシーズン9勝を飾った大型新人のAドゥリー(ロット・デスティニー)は、オンループで2位、KBKで7位に入る走りをみせています。昨シーズンは1クラスのレースを中心にスプリントで勝利を重ねていたため、正直、Aドゥリーの真の実力というのは未知数でしたが、近年コースの難易度が上がっているオンループで落車しながらも先頭集団に残って2位に入ったのは大きな驚きでした。実際、Aドゥリーの才能を大きく評価していたチーム側(ロット・デスティニー)も、今回の結果には驚いた様で、自転車大国ベルギーなだけに「Jムセウ2世」「Tボーネン2世」と周囲が騒ぎ立てないか早くも「心配モード」になっている様です。Aドゥリーは現在「パリ〜ニース」に出場中です。


◯23歳のTピドコックがストラーデ・ビアンケを制する

春先のロードレースに重点を置くためにシクロクロス世界選手権をパスしたTピドコックが、早くもロードで大きな勝利を掴みました。世界五大クラシック「モニュメント」に加えるべきだと選手たちから熱烈なラブコールを受けているイタリアのワンデーレース「ストラーデ・ビアンケ」で独走勝利を飾りました。これでバックボーンにオフロード系種目を持つ選手の同レースの勝利は以下の通りとなりました。

2023 PIDCOCK
2022 POGAČAR
2021 VAN DER POEL
2020 VAN AERT
2019 ALAPHILIPPE
2015 ŠTYBAR

また、Tピドコックの種目をまたいだ戦歴は以下となっています。

・シクロクロス
ジュニア、U23、エリート世界チャンピオン

・MTB XCO
東京五輪金メダル
U23世界チャンピオン

・ロード
ツール・ド・フランス ラルプデュエズステージ 優勝
ストラーデ・ビアンケ 優勝
パリ〜ルーベU23 優勝
ジュニアITT世界チャンピオン

・トラック
スクラッチイギリスチャンピオン


◯Tポガチャル vs Jヴィンゲゴーのツール王者対決早くも勃発

日曜日に開幕した「パリ〜ニース」に於いて、2020・2021のツール王者Tポガチャルと、2022ツール王者Jヴィンゲゴーが、早くもつばぜり合いをみせています。初日は平坦ステージでしたが、ちょっとした丘やボーナスタイムポイントでTポガチャルが早くも仕掛ける熱い戦いが勃発。昨年のツールでは「ちょっと攻めすぎた」と敗戦の弁を口にしていたTポガチャルですが、攻めの走りは影を潜めるどころかよりパワフルになっている印象です。


◯ワウトVA、マチューVDP、Jアラフィリップまだまだこれから

シーズン開幕から多くの有力選手が活発な走りをみせるなか、ここ最近のロードレース界を大いに盛り上げてきたスーパースタートリオの、ワウトVA(28)、マチューVDP(28)、Jアラフィリップ(30)の3人は少しおとなしめ&スローなシーズンインを果たしています(正確にはワウトは今夜シーズンイン)。ストラーデ・ビアンケの下馬評では、ワウトが体調不良により不在だったため「マチュー vs アラフィリップ」の構図が注目されていましたが、両者とも本来の力を発揮できずに失速。もちろん、このレースが不発だっただけですので、今夜開幕する「ティレーノ〜アドリアティコ」でのスーパースタートリオの活躍に大注目したいと思います!

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