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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
この1週間に伝わったニュースの中から栗村が選んだ話題を一言コメント付きでご紹介する「しゅ〜くり〜む ら(CCR)ウィークリーニュース 1/30号」をお届けいたします!
◯世界中でロードレースが本格的に開幕(1月22〜29日)
1月下旬となり世界各国で多くのロードレースが開幕しています。
1/22 Clàssica Comunitat Valenciana(1.1/スペイン)優勝 DE LIE Arnaud
1/22-29 Vuelta a San Juan(2.Pro/アルゼンチン)優勝 Miguel Ángel López
1/25 Trofeo Calvia(1.1/スペイン)優勝 COSTA Rui
1/26 Trofeo Alcudia(1.1/スペイン)優勝 VAN DEN BERG Marijn
1/27 Trofeo Pollença(1.1/スペイン)優勝 GOOSSENS Kobe
1/28 Trofeo Serra de Tramuntana(1.1/スペイン)優勝 GOOSSENS Kobe
1/29 Cadel Evans Great Ocean RR(1.UWT/オーストリア)優勝 MAYRHOFER Marius
1/29 Trofeo Palma(1.1/スペイン) 優勝 VERNON Ethan
1/29 Grand Prix La Marseillaise(1.1/フランス)優勝 POWLESS Neilson
→CCRコメント
「今季も"アンテルマルシェ再生工場"がシーズン開幕からスタートダッシュをみせています。UAEから移籍してきたルイ・コスタ(ポルトガル/36歳)が3年ぶりの勝利を挙げると、これまでプロ未勝利だった中堅選手コーブ・ホーセンス(ベルギー/26歳)がいきなり2勝を飾る活躍っぷりとなっています」
◯マーク・カヴェンディッシュがリケーゼに批判される
現在アルゼンチンで開催中のブエルタ・ア・サンフアンでの引退を表明したマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン/39歳)が、メディアに引退の経緯を語るなかで、アスタナ移籍が決まったあとに音信不通となったカヴェンディッシュに対して苦言を呈したとのことです。
→CCRコメント
「B&Bへの移籍を予定していたカヴェンディッシュはリードアウト役としてリケーゼに声をかけていた様ですが、B&Bの消滅が決まりアスタナへの移籍が決まった辺りからリケーゼからの電話に出なくなったとして、リケーゼ本人から"せめてアスタナには枠がなくて一緒にいけなくなったと直接言ってくれればなんの蟠りもなかったのに..."と苦言を呈される形となっています。カヴェンディッシュはこういった人間関係を大切にするイメージがあるので、なにか事情でもあったのかもしれませんね」
◯ナイロ・キンタナが現役続行を宣言
母国コロンビアで記者会見を開いたナイロ・キンタナ(コロンビア/32歳)が、引退の噂を否定し、現役続行を宣言しました。
→CCRコメント
「昨年のツール・ド・フランス期間中にトラマドールが検出され、ツールでのリザルトを剥奪されてしまったコロンビアの英雄キンタナですが、所属していたアルケアとの契約を打ち切られたあと新しいチームがなかなか見つからない状況が続いています。同様にドーピングスキャンダルでアスタナから放出されてしまったMAロペスは2カテゴリー下のコンチネンタルチームで出直しとなっていますが、果たしてキンタナのチーム探しはどの様な流れになっていくのでしょうか」
◯ダヴィ・ゴデュのアルノー・デマール批判が流出
グルパマFDJでTピノに代わり総合エースの座に立ったダヴィ・ゴデュ(フランス/26歳)が、グルパマのエーススプリンターであるアルノー・デマール(フランス/31歳)をSNS上で批判し、そのスクショが流出すると言う騒動が発生しました。
→CCRコメント
「元祖メガネ男子でお馴染みのゴデュが、Discord上のチャット(クローズド)でデマールを批判し、その内容がなぜか外部に流出してしまい、デマール本人とチームに謝罪するという事件が起きてしまいました。最近のグルパマはとてもまとまっている印象がありましたが、やはりトップクラスの選手が集まれば、多かれ少なかれこの様な小競り合いはどこででも発生しているということなのだと思います」
◯ペテル・サガンがロード引退を発表
自転車ロードレース界のロックスター、ペテル・サガン(スロバキア/33歳)が、2023年シーズンいっぱいで本格的なロードレースの活動を終了し、彼のルーツでもあるマウンテンバイクで2024年パリ五輪を目指すことを発表しました。
→CCRコメント
「"サイクルロードレースびっ栗10大予想 2023年版"の、予想No.5、"Pサガンが引退しグラベルレースへ転向"がほぼ的中したと解釈しても宜しかったでしょうか」
◯ミゲル・アンヘル・ロペスが地元コンチネンタルチームで勝利
ドーピングに絡む人物との接触によりアスタナを解雇されたミゲル・アンヘル・ロペス(コロンビア/28歳)が、コロンビアのコンチネンタルチームであるメデリンに移籍し、多くのトップチーム及び有力選手たちを抑えてブエルタ・ア・サンフアンのクイーンステージを制しました。
→CCRコメント
「これまでも多くのトラブルの起点となってきたMAロペスですが、その折れないメンタルは良くも悪しくもさすがだなと思う次第です。果たして今後再びトップチームへ返り咲くことはできるのでしょうか」
◯今週末にシクロクロス世界選手権が開催
いよいよ今週末に注目のシクロクロス世界選手権がオランダ・ホーヘルハイデで開催されます。ディフェンディングチャンピオンのトム・ピドコックは未出走となりますが、「マチューvsワウト」の直接対決に世界中がドキムネ状態となっています。
現在のエリートレースの優勝予想オッズは以下通りです。
女子エリート
Fem Van Empel(オランダ/WCランキング1位)
Puck Pieterse(オランダ/WCランキング2位)
Ceylin Alvarado(オランダ/WCランキング5位)
Silvia Persico(イタリア/WCランキング27位)
Marianne Vos(オランダ/WCランキング21位/未出走)
男子エリート
Wout Van Aert(ベルギー/WCランキング8位)
Mathieu van der Poel(オランダ/WCランキング6位)
Eli Iserbyt(ベルギー/WCランキング3位)
Michael Vanthourenhout(ベルギー/WCランキング2位)
Laurens Sweeck(ベルギー/WCランキング1位)
→CCRコメント
「エリート男子は"CX2強"のマチュー('15,'19,'20,'21世界チャンピオン)とワウト('16,'17,'18世界チャンピオン)の直接対決が実現いたします。2021年までの7年間はマチューとワウト以外勝っていなかったわけですが、昨年は両者とも出場せずに22歳のTピドコックがアルカンシェルを獲得。しかし今年はTピドコックが出場を見送り、再び伝統の直接対決が帰ってきます」