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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
9月も中旬になり、サイクルロードレースシーズンも終盤に差し掛かってきました。
今年も新型コロナウイルスパンデミックの影響により世界中のレースが大きな影響を受けており、多くのレースが開催中止に追い込まれています。
一方で、100年以上の歴史を誇る本場ヨーロッパのプロレースについては逞しく開催を継続しており、レース映像を見る限りでは、すでに「コロナ禍前に戻った」と言っても過言ではない状況となっています。
もちろん、「PCR検査の義務化」や「レースバブル運用」など、新様式でのレース開催を迫られている部分は多々ありますが、それでもその新しい形をむしろプラスに捉えて前進している様にもみえ、「さすが本場だなあ」と感心してしまうことが多々あったりもします。
そんな、一進一退の状況に置かれた世界のサイクルロードレースシーンではありますが、我々が関わっているサイクルロードレース中継に関しましては、今年J SPORTSに多くのレースが戻ってきたこともあって、昨年の「一退」に対して今年は「三進」くらいの勢いで忙しい(嬉しい)状況が続いております!
ということで今回は、今シーズンのサイクルロードレース(グランツール)を見ていて気付いたことなどを、自分なりに3行でまとめてみたいと思います。
◯逃げ切り勝利が多い
ジロ・デ・イタリア=11ステージ/19ステージ(TTを除く)
ツール・ド・フランス=9ステージ/19ステージ(TTを除く)
ブエルタ・ア・エスパーニャ=9ステージ/19ステージ(TTを除く)
◯初ステージ優勝者が多い
ジロ・デ・イタリア=15人
ツール・ド・フランス=7人
ブエルタ・ア・エスパーニャ=5人
◯復活勝利が多い
ダミアーノ・カルーゾ(初勝利ですが強さが復活したという意味で)
マーク・カヴェンディッシュ(グランツール5年ぶり)
バウケ・モレマ(グランツール5年ぶり)
レイン・タラマエ(ブエルタ10年ぶり)
ファビオ・ヤコブセン(大怪我から復活)
ロメン・バルデ(グランツール4年ぶり)
ラファウ・マイカ(グランツール4年ぶり)
結論、面白い!!!
本当は他の年とちゃんと比較しないと意味ないんですが、感覚的に「面白い!」と感じたレースが多かったのは事実なので、上記の様な傾向をまとめてみた次第です。
イネオスが、今シーズン開幕時に発表した「a more racing style(より攻撃的に)」「rekindle everything about the joy of racing(レースを楽しみながら完全燃焼する)」という戦略コンセプトが、レース界全体に浸透しているのかもしれません。