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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

2021年08月23日

ブエルタ2021最新各チーム分析!9ステージ終了時点

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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「第76回 ブエルタ・ア・エスパーニャ」は、序盤の9ステージを終了し、最初の休息日をアンダルシアで迎えています。

昨夜の超級フィニッシュでも安定した強さをみせたディフェンディングチャンピオンのログリッチがマイヨロホをがっちりとキープしており、3連覇に向けて順調にレースを進めている印象です。

ということで、今回も週初時点の各成績と全チームの戦力分析を行っていきたいと思います!

まずは3つの山頂フィニッシュを含む第4〜9ステージのレース結果を振り返っていきたいと思います。


第4ステージ結果
1位 JAKOBSEN Fabio/Deceuninck
2位 DÉMARE Arnaud/Groupama
3位 CORT Magnus/EF
標高1,000m超えの平坦ステージとなった第4ステージは、6%ほどの登り勾配スプリントとなり、先行するデマールをフィニッシュライン手前で差したヤコブセンが2年ぶりとなるグランツールでの復活ステージ優勝を飾りました。


第5ステージ結果
1位 PHILIPSEN Jasper/Alpecin
2位 JAKOBSEN Fabio/Deceuninck
3位 DAINESE Alberto/DSM
ド平坦コースながら横風に対する警戒感が終始続いた第5ステージは、結局大集団でのスプリント勝負となり、長い距離を先行したフィリプセンがステージ2勝目を飾りました。


第6ステージ結果
1位 CORT Magnus/EF
2位 ROGLIČ Primož/Jumbo
3位 BAGIOLI Andrea/Deceuninck
美しいクリェラの街にフィニッシュする第6ステージは、序盤から数名で逃げ続けたコルトが3級山岳フィニッシュで唯一逃げ残ってステージ優勝を飾り、ステージ2位に入ったログリッチが再びマイヨロホを奪い返しています。


第7ステージ結果
1位 STORER Michael/DSM
2位 VERONA Carlos/Movistar
3位 SIVAKOV Pavel/INEOS
獲得標高3,800mの厳しい山岳ステージとなった第7ステージは、最初の1級山岳で29名の逃げが決まり、ここに5名を送り込んだDSMのストーラーが最後の上りでライバルを突き放してステージ優勝を飾りました。尚、バルベルデが落車によりリタイアし、不調だったカーシーもレース途中でリタイアしています。


第8ステージ結果
1位 JAKOBSEN Fabio/Deceuninck
2位 DAINESE Alberto/DSM
3位 PHILIPSEN Jasper/Alpecin
再び平坦ステージとなった第8ステージは、途中で横風分断がみられたものの大きな影響はなく、最後は大集団スプリントなってヤコブセン今大会2勝目を飾りました。


第9ステージ結果
1位 CARUSO Damiano/Bahrain
2位 ROGLIČ Primož/Jumbo
3位 MAS Enric/Movistar
獲得標高4,593mの難関コースとなった第9ステージは、残り70kmで5名の先頭集団から単独で抜け出したカルーゾがそのまま逃げ切ってステージ優勝。一方、後方の総合争いは最後の上りでマイヨロホを着るログリッチとマスの二人が抜け出して総合タイムで頭二つ抜け出す形となっています。


第9ステージ終了時点個人総合時間順位
1位 ROGLIČ Primož/Jumbo
2位 MAS Enric/Movistar 0:28
3位 LÓPEZ Miguel Ángel/Movistar 1:21
4位 HAIG Jack/Bahrain 1:42
5位 BERNAL Egan/INEOS 1:52
6位 YATES Adam/INEOS 2:07
7位 CICCONE Giulio/Trek 2:39
8位 KUSS Sepp/Jumbo 2:40
9位 GROßSCHARTNER Felix/BORA 3:25
10位 DE LA CRUZ David/UAE 3:55


第9ステージ終了時点総合ポイント
1位 JAKOBSEN Fabio/Deceuninck 180p
2位 PHILIPSEN Jasper/Alpecin 164p
3位 DÉMARE Arnaud/Groupama 74p


第9ステージ終了時点総合山岳
1位 CARUSO Damiano/Bahrain 28p
2位 BARDET Romain/DSM 22p
3位 SIVAKOV Pavel/INEOS 16p


第9ステージ終了時点ヤングライダー
1位 BERNAL Egan/INEOS
2位 VLASOV Aleksandr/Astana 2:03
3位 MÄDER Gino/Bahrain 2:08


第9ステージ終了時点チーム総合時間順位
1位 Movistar Team
2位 Bahrain - Victorious 1:32
3位 Team Jumbo-Visma 7:31


続きまして、チーム単位での戦力分析(第9ステージ終了時点)を行ってみたいと思います。一言コメント付き。


Team Jumbo-Visma
ROGLIČ Primož ☆☆☆/マイヨロホ
KUSS Sepp ☆
安定の走りのログリッチはここまで全く無理をせずにマイヨロホをがっちりキープしています。クスが総合8位につけています。


AG2R Citroën Team
BOUCHARD Geoffrey
CALMEJANE Lilian
ムッシュ山岳王のブシャールは今回は総合を狙って挑んだものの総合28位に沈んでいます。このあとはヴェントゥリーニのスプリントやカルメジャーヌの逃げでステージを獲るしかない感じです。


Alpecin-Fenix
PHILIPSEN Jasper ☆☆☆
ツールでステージ3位以内が6回あったにも関わらず勝てなかったフィリップセンがステージ2勝の大活躍です。現在ポイント賞争いは首位のヤコブセンと16pとなっています。


Astana - Premier Tech
VLASOV Aleksandr ☆
ARANBURU Alex ☆
RODRÍGUEZ Óscar/DNF Stage7
来季ボーラへの移籍が決まったウラソフは現在総合11位です。但し、ずるずる順位を下げている感じなのであまり良い状態ではありません。


Bahrain - Victorious
LANDA Mikel ☆☆
CARUSO Damiano ☆☆ マイヨモンターニャ
HAIG Jack ☆☆
MÄDER Gino ☆☆
ARASHIRO Yukiya
エースのランダが良くありません。チームが最強でもエースが遅れてしまうと厳しい状況となります。しかし、ジロ・デ・イタリア同様にあっという間に修正するところはさすがバーレーン。カルーゾがステージ優勝を飾って山岳ジャージをゲット。更に総合でもヘイグが4位に上がり、マーダーも12位へと順位を上げています。


BORA - hansgrohe
GROßSCHARTNER Felix ☆
LAAS Martin ☆
MEEUS Jordi ☆
総合はグロスチャートナー、スプリントをメーウスとラースが担う形となっています。


Burgos-BH
MADRAZO Ángel
BOL Jetse
連日逃げています。ブルゴス!ブルゴス!


Caja Rural - Seguros RGA
ABERASTURI Jon
日本でもお馴染みのアベラストゥーリがスプリントに参加しており現在ポイント賞は12位です(第5ステージ6位)。


Cofidis, Solutions Crédits
MARTIN Guillaume
ALLEGAERT Piet
MORIN Emmanuel/DNF Stage7
マルタンはあまり良くなく現在総合20位。一方、スプリンターのアレガエルが良いスプリントをみせています(第5ステージ5位)。


Deceuninck - Quick Step
JAKOBSEN Fabio ☆☆☆ マイヨプントス
BAGIOLI Andrea ☆
VANSEVENANT Mauri ☆
ヤコブセンが昨年のツール・ド・ポローニュでの大怪我を乗り越えて見事復活のグランツールステージ優勝を飾りました。更に現在マイヨプントスも着用しています。


EF Education - Nippo
CORT Magnus ☆☆
CARTHY Hugh/DNF Stage7
前哨戦ブルゴスの最終ステージを制したカーシーは残念ながら不調でレースを去ってしまいました。一方、コルトがステージ優勝を飾ってなんとか面目躍如。


Euskaltel - Euskadi
MATÉ Luis Ángel
連日逃げています。


Groupama - FDJ
DÉMARE Arnaud ☆
GENIETS Kevin
GUARNIERI Jacopo/DNF Stage9
デマールはここまでステージ2位と6位が1回ずつです。


INEOS Grenadiers
YATES Adam ☆☆
BERNAL Egan ☆☆ ヤングライダー
SIVAKOV Pavel ☆
CARAPAZ Richard ☆
PIDCOCK Thomas ☆
スター軍団イネオスですが、現在のところ皆コンディションはいまひとつといった印象です。ベルナルが総合5位、アダムが総合6位、カラパスは総合21位となっています。


Intermarché - Wanty - Gobert Matériaux
TAARAMÄE Rein ☆☆
MEINTJES Louis ☆
MINALI Riccardo
メインチェスが総合13位、スプリントを担当しているミナーリは第5ステージで8位。


Isrel Start-Up Nation
VANMARCKE Sep
CATAFORD Alexander/DNS Stage3
WÜRTZ SCHMIDT Mads/DNF Stage7
CIMOLAI Davide/DNF Stage8
今のところ逃げてチャンスをつくるしかない感じです。


Lotto Soudal
KRON Andreas
VANHOUCKE Harm
FRISON Frederik/DNF Stage3
若い選手たちが連日逃げてチャレンジしています。


Movistar Team
MAS Enric ☆☆☆
LÓPEZ Miguel Ángel ☆☆
VERONA Carlos
VALVERDE Alejandro/DNF Stage7
JACOBS Johan/DNF Stage9
地元スペイン唯一のワールドチーム。残念ながらバルベルデが落車でリタイアとなりましたが、新エースのマスが良い状態で、現在、28秒差の総合2位につけています。また、スーパーマンロペスも総合1分21秒差の総合3位。


Team BikeExchange
MATTHEWS Michael ☆☆
一桁フィニッシュが5回のマシューズは現在ポイント賞6位。なんとかステージ優勝が欲しいところです。


Team DSM
BARDET Romain ☆☆
STORER Michael ☆☆
DAINESE Alberto
落車で総合を諦めたバルデは山岳賞狙いに切り替えています。一方、来季グルッパマへの移籍が決まったストーラーがステージ優勝。更にダイネーゼもスプリントで第8ステージ2位と波に乗っています。


Team Qhubeka NextHash
ARU Fabio ☆
JANSE VAN RENSBURG Reinardt/OTL Stage7
このブエルタが引退レースとなるアルは現在総合14位です。


Trek - Segafredo
CICCONE Giulio ☆☆
ELISSONDE Kenny
SIMMONS Quinn
エースのチッコーネは総合7位まで順位を上げてきました。エリッソンドも逃げてがんばっています。


UAE-Team Emirates
DE LA CRUZ David ☆
TRENTIN Matteo ☆
POLANC Jan
MAJKA Rafał
MOLANO Juan Sebastián DNF Stage9
デラクルスが総合10位。後半戦はトレンティンがもがいてきそうです。

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