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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

2021年07月12日

ツール2021最新各チーム分析!15ステージ終了時点

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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「第108回 ツール・ド・フランス」は、いよいよ決戦の地ピレネーに突入しています。

総合争いのクライマックスを迎える第3週を前に、モン・ヴァントゥーステージやカヴェンディッシュのスプリント、そしてアタッカーたちの逃げ切りなどが多く見られた第2週もとても盛り上がりました!

ということで、今回も週初時点の成績と各チームの戦力分析を行っていきたいと思います!

・放送予定はこちら
・配信予定はこちら

まずは様々な展開を堪能できた第10〜15ステージのレース結果を振り返っていきたいと思います。


第10ステージ結果
1位 CAVENDISH Mark/Deceuninck
2位 VAN AERT Wout/Jumbo
3位 PHILIPSEN Jasper/Alpecin
典型的なスプリントステージであったものの終盤に横追い風の影響で一時的に集団が分裂。それでも最後は集団スプリントとなりドゥクーニンク勢が教科書通りのリードアウトトレインを形成してカヴェンディッシュ曰く「最後の150m以外はなんにもしていない」という理想的な形でステージ3勝目を飾りました。また、通算勝利数を33勝としてメルクスが持つ最多ステージ勝利数34まで残り1としています。


第11ステージ結果
1位 VAN AERT Wout/Jumbo
2位 ELISSONDE Kenny/Trek
3位 MOLLEMA Bauke/Trek
「プロヴァンスの巨人 モン・ヴァントゥー」を2回上る今ツールのみどころの一つ。序盤から世界チャンピオンアラフィリップが積極的に仕掛け、その後、ファンアールトを含む先頭集団が形成されました。2回目のヴァントゥー登坂でアラフィリップが遅れる一方、ファンアールトはマイペース走法で先頭に立ちそのまま驚きの走りでステージ優勝。一方、総合争いでもファンアールトのチームメイトであるヴィンゲゴーがポガチャルを上りで引き離すというサプライズをみせたものの下りで合流して大きなタイム差は生じずにフィニッシュしています。


第12ステージ結果
1位 POLITT Nils/BORA
2位 ERVITI Imanol/Movistar
3位 SWEENY Harry/Lotto
序盤に横風の影響で集団が割れるシーンがありましたが、そのタイミングで多くのスピードマンを含む逃げ集団が形成されプロトンはスローダウン。逃げ切りが容認されたあとは逃げ集団内でアタック合戦がはじまり、その中からポリッツが独走を決めて嬉しいツール・ド・フランス初ステージ優勝を飾りました。


第13ステージ結果
1位 CAVENDISH Mark/Deceuninck
2位 MØRKØV Michael/Deceuninck
3位 PHILIPSEN Jasper/Alpecin
前日からの流れ同様に逃げ切り勝利を狙う選手たちが序盤から積極的に動いたものの、翌日からのピレネー決戦を意識したのか結局3名と少なめの人数で逃げが決まります。吹き付ける横風の影響もあり終盤までプロトンは不安定な状態が続きましたが、ドゥクーニンク勢のコントロールによっていよいよゴールスプリントとなり、職人モルコフの絶妙なアシストを受けたカヴェンディッシュが今ツール4度目のステージ優勝を飾り、メルクス氏が持つツール最多ステージ勝利数の34に並びました!


第14ステージ結果
1位 MOLLEMA Bauke/Trek
2位 KONRAD Patrick/BORA
3位 HIGUITA Sergio/EF
いよいよ最終決戦の地ピレネーに突入します。ピレネー初日は中級山岳ということで難易度はそれほど高くないものの、典型的な逃げ切りステージでもあるので、逆にアタック合戦が長時間続く展開となりました。2時間のアタック合戦の末にようやく14名が逃げを決め、その中からベテランのモレマが42kmの距離を残して単独アタックを決行。見事これを成功させて自身2度目となるツールステージ優勝を飾りました。一方、逃げに乗ったギョーム・マルタンが総合2位へ大きくジャンプアップしています。


第15ステージ結果
1位 KUSS Sepp/Jumbo
2位 VALVERDE Alejandro/Movistar
3位 POELS Wout/Bahrain
本格的なピレネー山岳ステージとなったこの日もスタート直後からアタックが連発。まずは、ウッズ、プールス、キンタナ、ファンアールトが逃げに乗って山岳賞争いを展開します。ステージも後半に入ると逃げ切りを容認された集団からバルベルデがアタックを仕掛け、これにうまく乗ったクスがそのままバルベルデを引き離して単独で逃げ切り、嬉しいツール初ステージ優勝を飾りました。注目の総合争いはアタック合戦となるものの大きく崩れることはなく、マルタンを除く総合上位勢はまとまってフィニッシュしています。


第15ステージ終了時点個人総合時間順位
1位 POGAČAR Tadej/UAE
2位 URÁN Rigoberto/EF 5:18
3位 VINGEGAARD Jonas/Jumbo 5:32
4位 CARAPAZ Richard/INEOS 5:33
5位 O'CONNOR Ben/AG2R 5:58
6位 KELDERMAN Wilco/BORA 6:16
7位 LUTSENKO Alexey/Astana 7:01
8位 MAS Enric/Movistar 7:11
9位 MARTIN Guillaume/Cofidis 7:58
10位 BILBAO Pello/Bahrain 10:59


第15ステージ終了時点総合ポイント
1位CAVENDISH Mark/Deceuninck 279
2位MATTHEWS Michael/BikeExchange 207
3位PHILIPSEN Jasper/Alpecin 174


第15ステージ終了時点総合山岳
1位POELS Wout/Bahrain 74
2位WOODS Michael/Israel 66
3位QUINTANA Nairo/Arkéa 64
4位VAN AERT Wout/Jumbo 64


第15ステージ終了時点ヤングライダー
1位POGAČAR Tadej/UAE
2位VINGEGAARD Jonas/Jumbo 5:32
3位PARET-PEINTRE Aurélien/AG2R 21:15


第15ステージ終了時点チーム総合時間順位
1位Bahrain - Victorious
2位EF Education - Nippo 11:37
3位AG2R Citroën Team 26:21


続きまして、チーム単位での戦力分析(第15ステージ終了時点)を行ってみたいと思います。一言コメント付き。


UAE-Team Emirates
POGAČAR Tadej/マイヨジョーヌ ヤングライダー賞 ☆☆☆
ほぼ弱点のないTポガチャルに対して無理矢理な弱点探しがはじまっていますが、内容としては「チーム力」と「暑さに弱い」などが挙がっています。本格的なピレネー決戦を前にたしかに暑いなかでのレースが増え、またチームメイトもだいぶ疲労が溜まっている印象を受けますが、果たして最終週はどうなるでしょうか。


Team Jumbo-Visma
VAN AERT Wout ☆☆
VINGEGAARD Jonas ☆☆
GESINK Robert /3ステージDNF
ROGLIČ Primož/9ステージDNS
MARTIN Tony/11ステージDNF
3人のリタイア者を出してしまったユンボ勢ですが、WファンアールトとSクスのステージ優勝にJヴィンゲゴー総合3位と素晴らしいリカバリーをみせています。更にワウトが山岳賞を狙いに行くと面白い展開となります。


INEOS Grenadiers
THOMAS Geraint
CARAPAZ Richard ☆☆
ROWE Luke/11ステージOTL
エースのRカラパスは総合4位まであがってきました。上にいるJヴィンゲゴーとRウランはTTが良いので休み明けのピレネーではイネオス勢の更なる攻撃な予想されます。


Israel Start-Up Nation
FROOME Chris
MARTIN Dan
WOODS Michael ☆☆
Mウッズの山岳賞獲得に目標を絞った感のあるイスラエルですが、その山岳賞争いがかなり激化しているのでなかなかハードな最終週となりそうです。


Trek - Segafredo
ELISSONDE Kenny ☆
MOLLEMA Bauke ☆☆
PEDERSEN Mads
STUYVEN Jasper
NIBALI Vincenzo/16ステージDNS
Bモレマが待望のステージ優勝を飾りホッと一安心のトレック勢。ニバリは東京五輪に向けてツールを去るので最終週も引き続きステージ優勝を狙う展開となるでしょう。


Deceuninck - Quick Step
ALAPHILIPPE Julian/☆☆
CAVENDISH Mark/ポイント賞 ☆☆☆
ASGREEN Kasper
CATTANEO Mattia
レジェンドEメルクス氏が持つツールステージ最多勝利(34勝)に並んだカヴェンディッシュの快進撃が止まりません。スプリントステージはまだ2つ残されているので記録更新に注目が集まります。


Movistar Team
LÓPEZ Miguel Ángel
GARCÍA CORTINA Iván
MAS Enric ☆☆
VALVERDE Alejandro ☆
SOLER Marc/2ステージDNS
Eマスは現在総合8位。Aバルベルデの調子が上向きなので、マスの総合と共に逃げてステージ優勝も狙ってくるでしょう。


BORA - hansgrohe
KELDERMAN Wilco ☆
POLITT Nils ☆
SAGAN Peter/12ステージDNS
Wケルデルマンが総合6位。Nポリッツのステージ優勝で一先ず肩の荷が下りたので引き続きWケルデルマンの総合を上げることに注力しそうです。


Groupama - FDJ
GAUDU David ☆
KÜNG Stefan ☆
KONOVALOVAS Ignatas/1ステージDNF
DÉMARE Arnaud/9ステージOTL
GUARNIERI Jacopo/9ステージOTL
SCOTSON Miles/11ステージDNF
4人がレースを去り、エースのDゴデュも総合14位と低迷しています。Sキュングがステージ優勝を狙いますがなかなかうまくいきません。残すは最終個人TTとなるのでピレネーは省エネ走法で力を温存するでしょう。


Cofidis, Solutions Crédits
MARTIN Guillaume ☆
LAPORTE Christophe
逃げに乗り一時は総合2位に浮上したGマルタンは現在総合7位。それでも自己最高順位更新となるので引き続き総合上位を狙う走りをみせるでしょう。


Alpecin-Fenix
PHILIPSEN Jasper ☆
VAN DER POEL Mathieu/9ステージDNS
MERLIER Tim/9ステージDNF
スーパースターが去ったあとはフィリップセンでステージ優勝を狙うアルペシンですが、カヴェンディッシュの前に3位が続いています。


EF Education - Nippo
URÁN Rigoberto ☆☆
HIGUITA Sergio ☆
BISSEGGER Stefan ☆
エースのRウランは総合2位につけています。総合表彰台争いが大接戦なので最終週はとにかく集中して挑まなくてはなりません。一方、Sイギータが積極的にステージ優勝を狙っています。


AG2R Citroën Team
COSNEFROY Benoît
O'CONNOR Ben ☆☆
VAN AVERMAET Greg
PETERS Nans/9ステージDNF
Bオコナーが総合5位です。ここは守りつつ逃げの展開からもう一つステージ優勝が欲しいところ。


Team Arkéa Samsic
QUINTANA Nairo ☆☆
DELAPLACE Anthony/9スタージOTL
MCLAY Daniel/11ステージDNF
RUSSO Clément/11ステージDNF
BARGUIL Warren/14ステージDNS
BOUHANNI Nacer/15ステージDNF
なんと残っているのはNキンタナを含む3名のみ。なんとかNキンタナで山岳賞を獲得したところでしょう。


Team DSM
KRAGH ANDERSEN Søren
BENOOT Tiesj
BOL Cees
SÜTTERLIN Jasha/1ステージDNF
BENOOT Tiesj/11ステージDNF
昨年はまさかのステージ3勝を挙げる大活躍をみせましたが今年はここまで噛み合っていません。


Lotto Soudal
DE GENDT Thomas
GILBERT Philippe
VAN MOER Brent
EWAN Caleb/4ステージDNS
DE BUYST Jasper/9ステージDNF
VAN DER SANDE Tosh/11ステージDNF
KLUGE Roger/13ステージDNF
Tデヘントを中心に逃げに乗るもののステージ優勝にあと一歩届かない展開が続いています。


Bahrain - Victorious
COLBRELLI Sonny ☆
MOHORIČ Matej ☆☆
POELS Wout ☆☆ 山岳賞
TEUNS Dylan ☆☆
HAIG Jack/3ステージDNF
ステージ2勝&プールスの山岳賞と良いツール・ド・フランスとなっているバーレーン勢。このあとはプールスの山岳賞獲得に集中する形でしょうか。


Team BikeExchange
MATTHEWS Michael ☆
HAMILTON Lucas/13ステージDNF
YATES Simon/13ステージDNF
SイェーツとLハミルトンが落車リタイアとなってしまいましたが、まだMマシューズのポイント賞獲得の可能性はまだ残っています。


Astana - Premier Tech
FUGLSANG Jakob
IZAGIRRE Ion ☆
LUTSENKO Alexey ☆
DE BOD Stefan/9ステージOTL
Aルツェンコは粘っていて現在総合7位。


Team Qhubeka NextHash
HENAO Sergio
WALSCHEID Max
DLAMINI Nic/9スタージOTL
CAMPENAERTS Victor/11ステージDNF
GOGL Michael/13ステージDNS
総合の可能性が消えたヘナオは逃げてステージ優勝を狙います。


Team TotalEnergies
LATOUR Pierre
TURGIS Anthony
BOASSON HAGEN Edvald/15ステージOTL
残念ながらボアッソンハーゲンはタイムアウトとなってしまいました。


Intermarché - Wanty - Gobert Matériaux
MEINTJES Louis
VAN POPPEL Boy
VLIEGEN Loïc/9ステージOTL
KOCH Jonas/11ステージDNS
メインチェスが逃げに乗ってファンポッペルがスプリントを担当します。


B&B Hotels p/b KTM
BONNAMOUR Franck
ROLLAND Pierre
LEMOINE Cyril/1ステージDNF
COQUARD Bryan/9ステージOTL
逃げに乗るしかありません。

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