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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
世界最大の自転車レース「第108回 ツール・ド・フランス」が、いよいよ今週の土曜日に開幕します!
今年はフランス国内でも自転車競技が盛んなブルターニュ地方をスタートし、時計回りにほぼフランス国内のみを1周する伝統的なコースレイアウトとなっています。
ということで、恒例の「直感的に1分でわかる今年のツール・ド・フランス」を改めてご紹介したのちに、これまた恒例となる注目選手紹介を行いたいと思います。
◯レース概要
・大会期間:6/26〜7/18(21ステージ/3,414.4km)
・平坦ステージ:8(横風注意ステージあり)
・丘陵ステージ:5(上りフィニッシュ:2)
・山岳ステージ:6(上りフィニッシュ:3)
・個人TT:2(合計58km/高速パワー系コース)
・休息日:2
・山頂フィニッシュ:
9ステージ(Tignes)
17ステージ(Saint-Lary-Soulan)
18ステージ(Luz Ardiden)
◯今年の特徴
・8ステージは2000年以来最長となる248km
・11ステージはモンバントゥー2回登坂
・フランス以外に通る国はアンドラ公国のみ
・アルモリカ山塊→中央山塊→アルプス山脈→ピレネー山脈(時計回り)
・フィニッシュボーナスタイム:全ステージ10秒、6秒、4秒
・ボーナスタイムポイント:6箇所の山頂で8、5、2秒
続きまして、チーム単位での戦力分析(6月21日時点出場予定選手)を行ってみたいと思います。一言コメント付き。
◯Astana - Premier Tech
ARANBURU Alex ☆
FRAILE Omar ☆
FUGLSANG Jakob ☆
IZAGIRRE Ion ☆
LUTSENKO Alexey ☆
絶対的な各賞ジャージ候補はいないものの直近のレースではみな調子が良く、サプライズ的な大活躍の可能性を秘めた布陣です。
◯Cofidis, Solutions Crédits
MARTIN Guillaume ☆
LAPORTE Christophe ☆
HERRADA Jesús
2019年総合12位、2020年総合11位と少しずつ成長を続けているマルタンも気がつけば28歳。昨年のブエルタで山岳賞を獲っているので今年のツールではもしかすると赤い水玉を狙うか?スプリント力を増しているラポルトにも注目です。
◯Trek - Segafredo
NIBALI Vincenzo ☆
PEDERSEN Mads ☆
MOLLEMA Bauke
STUYVEN Jasper
良いメンバーですがまずはステージ優勝が現実的な目標でしょうか。
◯Team Qhubeka ASSOS
CAMPENAERTS Victor
WALSCHEID Max
冬にチーム存続の危機があったとは思えないほどの活躍をみせているクベカ。ジロでステージを獲ったあと膝に痛みを感じたカンペナールツも復調し、TTが良くなっているヴァルシャイドと共に再び逃げ切り勝利を狙います。
◯Team BikeExchange
YATES Simon ☆
CHAVES Esteban ☆
MATTHEWS Michael ☆
HAMILTON Lucas ☆
今シーズンは良い選手が抜けてしまった印象のバイクエクスチェンジでしたが、蓋を開けてみるとなかなかの布陣。チャベスの復活とハミルトンの成長が大きい感じです。この二人が総合を担当し、マシューズがステージ優勝とマイヨヴェールを狙います。Sイェーツはステージを狙う模様です。
◯Bahrain - Victorious
BILBAO Pello ☆
COLBRELLI Sonny ☆☆
HAIG Jack ☆
TEUNS Dylan
POELS Wout
MOHORIČ Matej
今シーズン明らかにみんなが強いバーレーン勢。冬の間の準備がしっかりと身を結んでいる感じです。総合をビルバオとヘイグが担い、絶好調のイタリアチャンピオンコルブルレッリがステージ優勝とマイヨヴェールを狙います。
◯UAE-Team Emirates
POGAČAR Tadej ☆☆☆
HIRSCHI Marc
まだ最終メンバーは決まっていませんが、このチームはどう考えてもポガチャルの2連覇を達成するためのチームです。プロ入り後14のステージレースを走り総合優勝7回(勝率5割)を誇る脅威の天才がツール2連覇に挑みます。
◯AG2R Citroën Team
COSNEFROY Benoît ☆
VAN AVERMAET Greg
PARET-PEINTRE Aurélien
O'CONNOR Ben ☆
PETERS Nans
NAESEN Oliver
今季大幅補強を行なったAG2Rは最強メンバーを揃えてきました。オコナーが総合上位を狙い、ファンアーヴェルマートとナーセンのベルギー勢がステージ優勝を狙います。一方、生え抜きのフランス人選手も成長しており、コスヌフロアとパレパントルの走りにも注目です。
◯Team Jumbo-Visma
VAN AERT Wout ☆☆☆
ROGLIČ Primož ☆☆☆
KUSS Sepp
KRUIJSWIJK Steven
2枚看板であるログリッチとファンアールトが加わると一気に力強さを増します。盲腸明けのレースでいきなりベルギーチャンピオンのタイトルを獲ったファンアールトのアシストを受ける山籠り明けのログリッチがどのくらい強くなっているのか楽しみで仕方ありません。
◯Movistar Team
VALVERDE Alejandro ☆
MAS Enric ☆
GARCÍA CORTINA Iván ☆
SOLER Marc
LÓPEZ Miguel Ángel ☆☆
スペイン唯一のワールドチームがスペインオールスター的な布陣で挑みますが、その中で総合エースを担うのコロンビア人のロペスになりそうです。
◯BORA - hansgrohe
KELDERMAN Wilco ☆
SAGAN Peter ☆☆☆
BUCHMANN Emanuel
SCHACHMANN Maximilian
KONRAD Patrick
前人未到の8度目のマイヨヴェールを狙うサガンが中心のチームとなります。一方、総合はケルデルマンとブッフマンのジャーマン満々コンビが狙います。ナショナルチャンピオンだらけの豪華な布陣。
◯INEOS Grenadiers
CARAPAZ Richard ☆☆☆
GEOGHEGAN HART Tao
PORTE Richie
THOMAS Geraint ☆☆☆
銀河系軍団が狙うのはパリでのマイヨジョーヌのみ。春先に発表したようにGが総合エースを担い、セカンドエースとしてカラパスが位置する布陣です。とにかく落車にだけは気をつけてくださいませ。
◯Lotto Soudal
EWAN Caleb ☆☆☆
DE GENDT Thomas ☆
GILBERT Philippe
完全なるユアンスプリントチームです。今年すべてのグランツールに出場するユアンは果たして完走するのかに注目しています。ステージ2勝は堅いでしょう!
◯Deceuninck - Quick Step
ALAPHILIPPE Julian ☆☆☆
ASGREEN Kasper
BALLERINI Davide
CATTANEO Mattia
CAVENDISH Mark
フランスの英雄、世界チャンピオンアラフィリップはなにを目指すのでしょうか。第1ステージか第2ステージを制してマイヨジョーヌを獲得したところで満足するのか、それとも...。そして昨年のマイヨヴェールサム・ベネットが膝の故障が影響してか直前でメンバーから外れてなんとカヴェンディッシュがメンバー入りです!
◯EF Education - Nippo
URÁN Rigoberto ☆☆
HIGUITA Sergio
BISSEGGER Stefan ☆☆
ツール・ド・スイスの山岳TTを制して総合2位に入ったウランに注目です。また、ネオプロのビッセガーのTTの走りに期待がかかります。
◯Groupama - FDJ
DÉMARE Arnaud ☆☆
GAUDU David ☆☆
KÜNG Stefan ☆☆
MADOUAS Valentin
昨年のジロ・デ・イタリアで圧倒的な強さをみせたデマールが直談判の末にツール・ド・フランスでエースを務めます。しかしデマールのためのスプリント専用チームではなく、ゴデュの総合やキュングのTTといった多くの可能性を持った布陣となっています。
◯Intermarché - Wanty - Gobert Matériaux
VAN POPPEL Boy
MEINTJES Louis ☆
ファンポッペル兄弟のスプリントとメインチェスの総合がメインシナリオ。あとはもう一人のデヘントなどが逃げて目立ってくる作戦でしょうか。
◯Israel Start-Up Nation
FROOME Chris
GREIPEL André
ZABEL Rick
MARTIN Dan ☆
WOODS Michael ☆☆
総合のエースはウッズが務めるとの事前情報ながらマーティンも悪くないはずです。そして大腿骨骨折という大怪我から復活を遂げたフルームがツールに帰ってきます。残念ながら優勝を狙えるコンディションではないですが、ロードキャプテンとしてチームをまとめます。
◯Team DSM
BENOOT Tiesj
KRAGH ANDERSEN Søren
BOL Cees
まずはビノートの総合とボルのスプリントがチームの基本戦略でしょう。そして昨年ステージ2勝を飾ったクラウアナスンのロングスパートが炸裂するかにも注目です。
◯Alpecin-Fenix
MERLIER Tim ☆☆
VAN DER POEL Mathieu ☆☆☆
DILLIER Silvan
PHILIPSEN Jasper ☆
UCIプロチームながら強力なメンバーを揃えるアルぺシン。注目はなんと言っても我らがマチューさんのツール・ド・フランス初出場となります。東京五輪出場の関係で早めに切り上げるかもしれませんがその分前半戦に力を注いでくるでしょう。第1ステージを制する(=マイヨジョーヌ)確率は現在98.2%となっております。
◯Team TotalEnergies
LATOUR Pierre
TURGIS Anthony
RODRÍGUEZ Cristián
BOASSON HAGEN Edvald
今季チームに移籍してきたラトゥールがエースを務めます。まずはボアッソンハーゲンのスプリントでステージ優勝が欲しいところ。
◯Team Arkéa Samsic
BOUHANNI Nacer
QUINTANA Nairo
BARGUIL Warren
本来であればマイヨジョーヌ、マイヨヴェール、マイヨブランアポアルージュの3枚のジャージを狙える3名ですが、いまのことろそこまでコンディションが上がっていません。
◯B&B Hotels p/b KTM
ROLLAND Pierre
COQUARD Bryan
このチームに来てから元気を取り戻したロランは34歳。そしてスプリンターのコカールはなんとしてもステージ1勝が欲しいところです。
J SPORTSツール・ド・フランス専用ページはこちら!
https://www.jsports.co.jp/cycle/tour/