しゅ~くり~む ら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2021/05

S M T W T F S
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

2021年05月16日

ジロ2021最新各チーム分析!9ステージ終了時点

しゅ~くり~むら by 栗村 修
  • Line

「第104回 ジロ・デ・イタリア」は、まずはイタリアを南下していく前半戦のステージを終え、これから向きを北に変え、後半戦の厳しい山岳コースの地へと北上していきます。

ということで、今回も週初時点の成績と各チームの戦力分析を行っていきたいと思います!

・放送予定はこちら(初回放送)
・配信予定はこちら(オンデマンド)

まずは二つの山頂フィニッシュを含む第3〜9ステージのレース結果を振り返っていきたいと思います。


◯第3ステージ結果
1位 VAN DER HOORN Taco/Wanty
2位 CIMOLAI Davide/Israel
3位 SAGAN Peter/BORA
今年のジロ・デ・イタリアの方向性(サプライズ勝利)を決定づける様なステージとった第3ステージ。今年からWTに昇格したワンティに拾われる形で初めてのジロ出場を果たしたタコさんが力強い走りで逃げ切りグランツール初ステージ優勝を決めて一躍スターダムに駆け上がっています。


◯第4ステージ結果
1位 DOMBROWSKI Joe/UAE
2位 DE MARCHI Alessandro/Israel
3位 FIORELLI Filippo/Bardiani
前日に続いて逃げが決まり、20歳の時にベイビージロを獲って将来を期待されていながらも、その後は伸び悩んでいたドンブロウスキーが嬉しいグランツール初ステージ優勝を獲得しました。また、ベテランのデマルキがイタリア人の夢マリアローザを初獲得して歓喜の表情をみせています。


◯第5ステージ結果
1位 EWAN Caleb/Lotto
2位 NIZZOLO Giacomo/Qhubeka
3位 VIVIANI Elia/Cofidis
今年すべてのグランツールに出場することを表明しているユワンが第2ステージのミスを帳消しにする巧みなスプリントをみせてまずは1勝目を挙げました。


◯第6ステージ結果
1位 MÄDER Gino/Bahrain
2位 BERNAL Egan/INEOS
3位 MARTIN Dan/Israel
前日にエースのランダを失ったバーレーン勢がアタッカーチームに豹変し、今季NTTからバーレーンに移籍してきたマーダーが最後ギリギリ逃げ切って嬉しいグランツール初ステージ優勝を飾りました。総合首位はピノを欠いてアシストメンバーでの参加となったFDJのハンガリー人選手ヴァルテルが、ハンガリー人選手としては初となるサプライズマリアローズ獲得となっています。


◯第7ステージ結果
1位 EWAN Caleb/Lotto
2位 CIMOLAI Davide/Israel
3位 MERLIER Tim/Alpecin
フィニッシュ前に上り区間が含まれた難しいスプリントステージとなったものの、ユアンがアシストの絶妙なペーシングに乗って見事ステージ2勝目を飾りました。尚、マリアチクラミーノを獲得したユアンは、翌日予定通りの膝痛でリタイアを選択しています。


◯第8ステージ結果
1位 LAFAY Victor/Cofidis
2位 GAVAZZI Francesco/EOLO
3位 ARNDT Nikias/DSM
再び逃げが容認されることになった第8ステージ。最後はコフィディスの25歳ラフェが逃げ集団の中から単独で飛び出し、嬉しいプロ初勝利を飾りました。総合争いは、ベルナルとエヴェネプールの若い二人が状態の良さをみせて、それぞれ総合3位&2位という良い位置につけています。


◯第9ステージ結果
1位 BERNAL Egan /INEOS
2位 CICCONE Giulio/Trek
3位 VLASOV Aleksandr/Astana
この日も逃げ切りを狙う大きめの先頭グループが形成されるも、最後の上りで最強軍団イネオスが全ての選手を捕まえ、最後はベルナルがグラベルの上りを飛ぶ様に駆け抜けて、意外にもグランツール初ステージ優勝を飾りました。更にマリアローザも獲得してレースの主役が一躍ジロ・デ・イタリアの中心に躍り出てきています。


◯第9ステージ終了時点個人総合時間順位
1位 BERNAL Egan
2位 EVENEPOEL Remco 0:15
3位 VLASOV Aleksandr 0:21
4位 CICCONE Giulio 0:36
5位 VALTER Attila 0:43
6位 CARTHY Hugh 0:44
7位 CARUSO Damiano 0:45
8位 MARTIN Dan 0:51
9位 YATES Simon 0:55
10位 FORMOLO Davide 1:01
11位 MARTÍNEZ Daniel Felipe 1:12
12位 SOLER Marc 1:20
13位 BARDET Romain st
14位 VERVAEKE Louis 1:33
15位 BUCHMANN Emanuel 1:46
16位 NIBALI Vincenzo 2:12
17位 TAARAMÄE Rein 2:15
18位 FOSS Tobias 2:22
19位 MOSCON Gianni 2:28
20位 SCHULTZ Nick 2:30


◯第9ステージ終了時点ポイント賞
1位 MERLIER Tim 83
2位 NIZZOLO Giacomo 76
3位 VIVIANI Elia 69


◯第9ステージ終了時点山岳賞
1位 BOUCHARD Geoffrey 51
2位 BERNAL Egan 48
3位 MÄDER Gino 44


◯第9ステージ終了時点ヤングライダー賞
1位 BERNAL Egan
2位 EVENEPOEL Remco
3位 VLASOV Aleksandr


◯第9ステージ終了時点チーム総合時間順位
1位 INEOS Grenadiers
2位 Team BikeExchange 3:26
3位 Trek - Segafredo 5:47


続きまして、チーム単位での戦力分析(第9ステージ終了時点)を行ってみたいと思います。一言コメント付き。


◯INEOS Grenadiers
BERNAL Egan ☆☆☆ マリアローザ/ヤングライダー賞
GANNA Filippo ☆
MARTÍNEZ Daniel ☆
MOSCON Gianni ☆
SIVAKOV Pavel リタイア6
山頂フィニッシュステージでは明らかに一番強い脚を持っているベルナルが、第9ステージを終えてマリアローザを獲得しています。チームも最強であり、最終日の個人TTまでにエヴェネプールに対してどれだけ多くの差をつけられるかがポイントとなってきます。


◯AG2R Citroën Team
CHAMPOUSSIN Clément
BOUCHARD Geoffrey ☆ 山岳賞
VENDRAME Andrea
若いシャンプッサンではなくて、2019年のブエルタで山岳賞を獲得したブシャールが匠の脚をみせて山岳ジャージを獲得しています。


◯Alpecin-Fenix
MERLIER Tim ☆ ポイント賞
DE BONDT Dries
VERVAEKE Louis
ユアンのリタイアを受けてメルリエが再びマリアチクラミーノを取り戻しています。


◯Androni Giocattoli - Sidermec
CEPEDA Jefferson Alexander
PELLAUD Simon
SEPÚLVEDA Eduardo
連日逃げているペローが、中間スプリント賞、敢闘賞、逃げ賞、のすべてでトップに立っています!


◯Astana - Premier Tech
VLASOV Aleksandr ☆☆
IZAGIRRE Gorka
SÁNCHEZ Luis León
ロシアのエース、ウラソフが、着々と順位を上げて総合3位につけています。


◯Bahrain - Victorious
LANDA Mikel リタイア5
ARASHIRO Yukiya
CARUSO Damiano ☆
MÄDER Gino ☆
残念ながらエースのランダが落車でリタイアとなってしまいましたが、その翌日にマーダーがステージ優勝を飾り、更にベテランのカルーゾが総合7位まで順位を上げてきています。


◯Bardiani-CSF-Faizanè
VISCONTI Giovanni
BATTAGLIN Enrico
FIORELLI Filippo
MARENGO Umberto
ペローと張り合っているマレンゴが連日逃げまくっている一方で、他の選手たちもステージ優勝に向けてのチャレンジを継続しています。


◯BORA - hansgrohe
SAGAN Peter ☆
ALEOTTI Giovanni
BUCHMANN Emanuel
FABBRO Matteo
GROßSCHARTNER Felix
マリアチクラミーノを狙うサガンは現在ポイント賞ランキングで5位につけています。コンディションは良いので展開に恵まれればすぐにステージ優勝を飾れるでしょう。一方、総合を狙うブッフマンは総合15位に沈んでいます。


◯Cofidis, Solutions Crédits
VIVIANI Elia
LAFAY Victor ☆
ROCHAS Rémy
なかなか勝てないヴィヴィアーニに代わって中堅クライマーのラフェが嬉しいプロ初勝利を飾りました。ヴィヴィアーニもあと一歩です。


◯Deceuninck - Quick Step
EVENEPOEL Remco ☆☆
ALMEIDA João
CAVAGNA Rémi
HONORÉ Mikkel Frølich
MASNADA Fausto
エヴェネプールはマリアローザを着用することなく淡々と総合2位につけています。本人もチームもグランツールの総合獲りの経験値が少なく、今後どうなっていくのかまったくわからないところが非常に不気味だったりもします。


◯EF Education - Nippo
CARTHY Hugh ☆☆
BETTIOL Alberto
CARR Simon
VAN GARDEREN Tejay
グランツールの後半に調子を上げてくるイメージのあるカーシーは現在総合6位のポジションを順調にキープしています。


◯EOLO-Kometa
WACKERMANN Luca
ALBANESE Vincenzo
BELLETTI Manuel
GAVAZZI Francesco
しっかりとステージ優勝争いに絡んできており、想像していたよりも強いチームとなっています。


◯Groupama - FDJ
MOLARD Rudy
REICHENBACH Sébastien
VALTER Attila
最初チーム紹介で「意外な選手が活躍するかもしれない」と書きましたが、その予想通りに若いヴァルテルがマリアローザを着用してマディオ監督を喜ばせています。


◯Intermarché - Wanty - Gobert Matériaux
MINALI Riccardo
PASQUALON Andrea
TAARAMÄE Rein
VAN DER HOORN Taco
サプライズ勝利で世界中を魅了したファンデルホールンに救われたアンテルマルシェは、その後は楽しんで挑戦を続けています。


◯Israel Start-Up Nation
MARTIN Dan ☆☆
BEVIN Patrick
CIMOLAI Davide
DE MARCHI Alessandro
絶好調宣言通りに良いクライミングをみせているマーティンが総合8位に上がってきました。また、スプリントでもチモライが好調で、更にデマルキがマリアローザを着るなど、チームとして良いジロになっています。


◯Team Jumbo-Visma
BENNETT George
DEKKER David
FOSS Tobias
GROENEWEGEN Dylan
ベネットの総合狙いはもはや絶望的となったため、ここからはなんとしてもステージ1勝を挙げたいところでしょう。


◯Lotto Soudal
EWAN Caleb リタイア8
DE GENDT Thomas
VANHOUCKE Harm
ステージ2勝を挙げたあとにツール・ド・フランスに向けてリタイアを選んだユアン。あとは他の選手が自由に走ってステージ優勝を狙っていきます。


◯Movistar Team
SOLER Marc
JORGENSON Matteo
VILLELLA Davide
単独エースのソレルは現在総合12位です。


◯Team BikeExchange
YATES Simon ☆☆
イェーツの調子はどんな感じなのでしょうか。どうもまだ脚を隠している様にも思えてしまいます。現在、55秒遅れの総合9位です。


◯Team DSM
BARDET Romain
KANTER Max
バルデは総合13位。他の選手も逃げていますが未だ成果はなし。


◯Team Qhubeka ASSOS
NIZZOLO Giacomo ☆
CAMPENAERTS Victor
POZZOVIVO Domenico リタイア7
ヨーロッパチャンピオンのニッツォーロはステージ優勝までもう一歩。現状は2位ッツォーロとなっています。ポッツォヴィーヴォがリタイアとなったため、カンペナールツが逃げてステージ優勝を狙っています。


◯Trek - Segafredo
NIBALI Vincenzo
CICCONE Giulio ☆☆
MOLLEMA Bauke
MOSCHETTI Matteo
成長著しいチッコーネは総合4位となっており、上りの切れはベルナルの次くらいに位置しています。総合表彰台が狙える脚を持っています。


◯UAE-Team Emirates
FORMOLO Davide
CONTI Valerio
GAVIRIA Fernando
ULISSI Diego
誰かがすぐにでもステージ優勝を挙げそうな感じですが、ガヴィリアのスプリントを含めてまだ届いていません。フォルモロは総合10位。

  • Line