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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
2020年まで「チームサンウェブ」として活動してきたドイツ籍のUCIワールドチームが、2021年シーズンから「チームDSM」へと名称変更します。
先日、黒字に青いストライプが入ったチームキットが発表されましたが、それと同時に「安全性に重点を置いた独自ウェアブランドを立ち上げる」とのニュースが流れていましたので、当ブログでも取り上げてみたいと思います。
チームDSMは、チームフィロソフィーである「Keep Challenging」にちなんで名付けられた新しいウェアブランドを立ち上げる予定です。「Keep Challenging Clothing」は、まずはプロチーム用のパフォーマンスウェアのラインに着手するとのこと。
その後、レプリカモデルを一般公開し、プロチームで得たテクノロジーを一般向けのラインへと反映させていく計画となっているようです。
このブランドで注目されているのが、「クラッシュ時の耐摩耗性を向上させるための機能を持たせたウェアを開発する」という取り組みになります。
ダイニーマ素材を採用することで、安全性と共にクラッシュしたライダーの怪我を軽減することが可能となるようです。
そして最終的にはこのテクノロジーがプロトン全体に波及し、UCIに公認されることによって、レースウェアの安全性向上に役立つことを望んでいるとのことです。
これまでは、「速く走ること」や「快適性」を追求することがロード系ウェアの主な開発目的となっていましたが、ようやくここに「安全性」が追加されることになります。
個人的にはプロテクションを含めたもっと積極的な安全対策が追求されるべきだとも感じており、多少の快適性が損なわれたとしても、UCIが競技規則として「プロテクターの着用を義務付ける」タイミングに来ていると考えています。
以前のブログにも書きましたが、自転車ロードレースは「裸同然」の格好で時速100km/h近い速度で硬い舗装路の上をかっ飛ぶ、ある意味で最も「エクストリーム(極端な)」なスポーツだと思っています。
本家の「エクストリームスポーツ」の方がよっぽどちゃんとしたプロテクターを装着しているので、むしろあちらが「モデレート(節度ある)」なスポーツになるのかもしれません...
チームDSMの安全への取り組みに注目していきたいと思います。