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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
すでに様々なメディアで報道されているように、新型コロナウイルスの影響により厳しいロックダウンを実施していたヨーロッパ各国が、段階的なロックダウンの解除を開始しています。
すでに8月からのワールドツアー再開も発表されているので、あとは新型コロナウイルスの第二波懸念が払拭され、また、有効な治療方法などが確立されていけば、世界は徐々に正常化へと向かっていくことになります。
但し、これからの道筋は決して平坦ではないはずであり、いくつかの衝撃を乗り超えながらの前進となっていくのでしょう。
この1週間の動きや報道されていることなどを以下にまとめます。
◯イタリア・スペインなどは5月4日の週から段階的にロックダウンを解除。プロ選手の屋外トレーニングは可能になっている。
◯フランスも5月11日から段階的にロックダウンを解除。プロ選手の屋外トレーニングは可能になっている。
◯但し、標高が高く税制面で有利なことから多くのプロ選手が住むアンドラは、週3日1回3時間までの屋外トレーニングに限定されている模様(アラフィリップ在住)。
◯一方、コロンビアは、政府から特別に許可を得てプロ選手たちは屋外トレーニングを開始している。時間的な制限もない模様でしかも高地。
◯ベルギー、オランダ、アメリカ、イギリスなどはすでに屋外トレーニングは可能となっている。
◯UCIのラパルティアン会長は、チーム名は伏せつつも、3〜5つのUCIワールドチームが存続の危機に瀕していると発言。
多くのロードレースメジャー国で屋外トレーニングが解禁となり、室内トレーニングが苦手な選手たちもようやく本格的なトレーニングを開始しています。
一方で、グランツールレーサーには必須の「高地トレーニング」を行う環境には現状大きな差があり、近年多くのステージレーサーがキャンプを張る「テネリフェ島」へは現在行くことができない状況とのこと。
このことから、一部の選手からは「高地トレーニングを行わずにツール勝つことは不可能」との声が漏れ聞こえてきます。
そうなると、コロンビア勢のアドバンテージが更に大きくなっていくように感じますが、今後各選手の高地トレーニングの環境面がどのようになっていくが大きなカギを握りそうです。
そして、やはり気になるのはラパルティアン会長の発言...
例えツールが開催されても、やはりいくつかのワールドチームは厳しくなってしまうのでしょうか。
引き続き状況を見守っていきたいと思います。