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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
先ほど、スポーツ自転車の総合情報サイト「シクロワイアード」さんに掲載された「サイクリングを楽しむ際のガイドライン」をこちらでもご紹介いたします。
サイクリストが自転車に乗る際に注意することなどがわくりやすくまとまっておりますので、サイクリストの皆さんは是非目を通すようにお願いいたします。
「サイクルショップの垣根を越えて楽しいジテンシャの活用とソフトの提供を行なっていきたい」とするプロサイクルショップの正屋(福岡)、ストラーダバイシクルズ(滋賀)、BIKE RANCH(長野)、カミハギサイクル(愛知)、スポーツバイクファクトリースズキ(埼玉)の5店のオーナーたちで構成する組織「eels(イールズ)」が、新型コロナウィルス(COVID-19)対策として「サイクリングを楽しむ際のガイドライン」とする共同声明をサイトで発表しています。
(以下、発表内容から)
■COVID-19に対するeelsのアプローチ
昨日4月7日に日本政府が緊急事態宣言を発出しました。
新型コロナウイルス感染症はまたたく間に世界的に広がり世界経済に大打撃を与え、楽しみにしていた東京オリンピックも延期となる前代未聞の一大事。見えない恐怖との戦いはこの先いつまで続くのでしょうか。
これまでのように思いっきり自転車で楽しく走れる日を目指してサイクリストとして今どのように対応していくことが最善なのでしょうか。
4月8日午前10時半時点
日本国内感染者 5,184人 死者 109人
世界の感染者数 1.317130人 死者 74,304人
■自転車は人類が発明した最高の乗りもの
私たちeelsは、自転車は安全に移動するための最適な道具であり、適度な運動をするための最善な道具であると考えます。そして自転車は人々が楽しく豊かに生きていく上で欠かせない道具、生活必需品であり自転車店はその道具を提供すると共に安心して安全に利用できるように整備する社会的インフラ機能の一つであると考えています。
eelsなりにサイクリストとして今できることを考えてみました。サイクリストとして今出来る事、自転車に楽しむ為のガイドラインとしてご一読下さい。
■COVID-19に対する基本的な考え
「感染しない」ではなく「感染させない」の精神で、もし自分が感染していたらをどうすべきか。
誰にも移さないためにはどう行動するのかを基本として考えることにしましょう。
ダイヤモンド・プリンセス号でPCR検査陽性者712名のうち331名(46%)の方は無症状でした。ということは約半数の方は無症状病原体保有者ということとなります。
現在では感染経路不明者の割合(40%)が多くなってきていることが問題となっています。すでにあなたはコロナウイルスの無症状病原体保有者という可能性のあるという事を意識してください。
■取り組もう!3密回避と接触8割減と外出1回
(緊急事態宣言で指定された7都府県にお住まいの方へ)
①「3密(密集・密閉・密接の重なるところ)」を避けること、大声を出さないことです。
これまで以上に、徹底して取り組んでください。
②「人との接触を8割減らす」ことです。
例えば、人と会う時は、近い距離で会う人が一日に10人だった場合、2人までを目安にしてください。
③やむを得ず人に接触するような外出は、一日に1回程度が目安だとお考え下さい。
不要不急の外出を避け、食料品の買い出し、通院、行く必要のある仕事程度にとどめてください。
お一人での散歩やジョギングは、問題ありません。運動不足にならないように注意して下さい。
■サイクリストとして望ましい行動は?
緊急事態宣言が発出された今、これまでのように思いっきりサイクリングを楽しむことはできませんが,適度な運動は生活の維持に必要なこととされ、屋外での散歩やジョギング、サイクリングは推奨されています。また自転車通勤は人との交わりを低減する取組みとして有効な策であると推奨されています。
以上の事を踏まえてeelsでは以下のようなサイクリングのガイドランを作ってみました。健康維持の為、有効な移動手段として、サイクリングを楽しんでください。(緊急事態宣言で指定された7都府県以外の方も同様です。)
■サイクリングを楽しむ際のガイドライン
1. ソーシャルディスタンスを確保する
適度な運動をする場合、ソーシャルディスタンス(1.8m)を確保するにも自転車は最適な道具であるとも言えます。電車やバス通勤から自転車通勤にしてみることは有効な策です。もちろんせきエチケットも忘れずに。
2. ソロで走る
ソーシャルディスタンスを確保する為にグループライドを避け今は1人で走りましょう。
寄り道をできるだけなくし、補給などの買い物の際には必ずマスクを着用しましょう。
いつものように元気よく手鼻を噛むことや唾を吐くことなども謹んでください。
あなたがウイルスがまき散らす可能性もあります。ティッシュ持参でスマートに走ることが大切です。
COVID-19に打ち勝った時には、みんなで楽しくグループライドを楽しみましょう。
3. 適度な負荷で走る
ソロならいままで通りに思いっきり走ってもいいわけではありません。
適度な負荷での60分から90分程度のサイクリングは免疫システムを活性化させますが、
高負荷でのサイクリングは体力の低下招き免疫力を下げることにも繋がり、また落車のリスクも増えますので今はじっと我慢して適度な不可のでサイクリングを楽しましょう。
今は最大でも50km程度のサイクリングにとどめておきましょう。
4. 医療機関への負担を抑える。
サイクリング中にケガをして医療機関のお世話になるようなことだけは避けましょう。
これから起こすかも知れないあなたの事故よりコロナウイルス発症者の治療が優先されるべきです。よって危険が伴うようなライドはご法度。
交通量が多い場所や下り道などは避け、しっかりと安全マージンを取って走りましょう。
5. 室内で走る
サイクルトレーナーを使用して室内で安全に走ることは一番安全であると言えます。オンライントレーニングなどを利用して楽しく運動しましょう。室内の換気も忘れないでくださいね!
不自由になってわかる自由の素晴らしさ!
我々eelsの5店舗は、また皆さんと気兼ねなく楽しくグループライドができる日を目指して楽しいライドイベント、試乗車、ワークショップなどの準備をすすめて参ります。みなさんでこのガイドラインを守って近い将来楽しく一緒に走りましょう!
上記記事の中に書かれている、「2. ソロで走る」については、海外のサイトなどで、ランニングやサイクリングをグループで楽しむ際のリスクなども報告されています。
最近盛んに言われているソーシャルディスタンス(1.8m)ですが、激しい呼吸を行い(選手などはよく手鼻もかみます)、さらに移動速度が速い運動などは、その拡散エリアが広域にわたる可能性があるので、現在の状況が落ち着くまではグループライドは避けるべきともされています。
今回の新型コロナ騒動で、「健康的な生活」「健康なカラダ」「人口密集エリアのリスク」などが改めて注目されはじめています。
現在の状況が落ち着けば人々の意識はある程度は戻るのでしょうが、一方で、これまで社会の中で許容されてきたいくつかのリスクが顕在化されることも間違いないでしょう。そうなれば、自転車の価値が再び上がっていく可能性は非常に高いと思います。
まずは、「ひとに移さない(自分が感染者だと意識する)」を全員が徹底し、ワクチンや治療薬が完成するまでは不自由は続いてしまうと思いますがが、ひとりひとりができることをやりつつがんばって参りましょう。