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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
UCIワールドツアー第3戦となる「UAEツアー」に参戦中のチームのスタッフから新型コロナウイルスが検出されたことにより、レースは急遽第5ステージで終了となり、残り2つのステージは開催せずにアダム・イエーツ(イギリス/ミッチェルトン・スコット)の個人総合優勝が確定しました。
尚、レースの中止が確定した後すぐに関係者全員への検査が実施され、対象者は一先ず滞在中のホテルに缶詰状態となり、検査結果を待つ状態となっていました。
そして、最初に検査を行った検体167件のすべてが陰性だったとアブダビ保健省は旨を昨日発表しました。残りの検体についても間も無く結果が出るとのことです
以下、レースに参加していたチーム関係者や選手などから新型コロナウイルスが検出されたあとの様子などが伝わってきています。
◯ロット・スーダルのマリオ・アールツDSのコメント。
「第5ステージ終了時点では新型コロナウイルスの情報はまだ伝わってきませんでした。そして、夕方になってはじめて予想外のニュースが入ってきました。結局、その後、朝の4時まで起きていて、最終的に午前6時に検査が開始されました。」
◯UAEツアーが復帰レースとなったクリス・フルーム(チームイネオス)の検査直後のコメント。
「綿棒で鼻の粘液を採取し、体温を測定しました。今は結果を待つ必要しかありません。結果は金曜日に出るとのことで、早ければ日曜日には帰国できるかもしれません。皆落ち着いています。全体としてはそれほど悪い状況ではありません。」
◯ベルギーにいるドゥクーニンク・クイックステップのルフェーブル代表のコメント。
「UEAツアーではすべてのチームが1つのホテルに滞在しています。最悪の場合、選手は14日間ホテルに滞在することになります...」
◯ヨス・ファンエムデン(チーム ユンボ・ヴィズマ)の検査直後のコメント。
「検査は狭い廊下で皆が50cmの距離にいる状況で行われました。誰かが陽性の場合は全員にリスクが生じます。すぐに収束することを望んでいます。なぜなら現状は約500人が砂漠に閉じ込められ、そこから出ることを許されない状況だからです。私たちは移動することを制限されています。」
自転車ロードレースは、他のスポーツに比べて、一大会に於ける参加選手及びスタッフの総数が多く、また、今回の様に皆が同じホテルに滞在するというケースも少なくありません。
ですので、今後、新型コロナウイルスの問題がヨーロッパ全域へと拡大する場合、その対策というのがより難しくなっていくかもしれません(そもそも無観客試合ということもできないので...)。
引き続き予断を許さない状況が続いていきそうです。