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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
2020年UCIワールドツアー開幕戦となる「サントス・ツアー・ダウンアンダー(1月21日~26日)」に先立ち、前座クリテリウムとなる「シュワルベ・クラシック」がアデレード市内で開催されました。
最後はトップスプリンターたちの豪華スプリントバトルとなり、カレブ・ユアン(オーストラリア/ロット・スーダル)が圧倒的な強さをみせてまずは幸先の良いスタートを切りました。
日本のスター選手である新城選手も元気な姿をみせ、このあと開幕する「ダウンアンダー 」での走りに注目が集まります。
さて、私ごとで恐縮ではございますが、今年は「解説歴満20年」を迎えるある意味で特別な年になります(個人的には記念ごとなどにあまり拘りはない方ではありますが...)。
私自身、J SPORTS(当時は J SKY SPORTS でした...)で最初に解説を担当した時はまだ20代の現役選手でした。
それから時代ごとに、実況・解説陣は大きく様変わりし、制作スタッフも何世代も世代交代を繰り返してきました。
また、視聴者の方々も、当時は自転車ロードレース初心者だった皆さんが、すでに20年選手(視聴者)になろうとしています。
そして、中継の主役であるプロ選手たちも、当時活躍していた選手の殆どが引退し、現在大ベテランと言われているアレハンドロ・バルベルデ(39歳)でさえ、私の9つ年下というあり様です...
視聴環境もテレビからオンデマンドへのシフトが徐々に進み、世の中全体の変化というものをひしひしと感じている次第です。
そんな中、私自身、今後も必要とされる限り大切にしていきたい「スタンス」があります。
それは「初めての方々へのアプローチ」です。
お陰様でこの20年で日本国内に於ける「サイクルロードレース」の認知度はぐっと向上しました。そこには「J SPORTS」が持つ「文化をつくっていきたい」という哲学が大きく寄与しているのは間違いありません。そういった意味でも自転車関係者として「J SPORTS」に対しては大きな感謝の気持ちを持っています。
この20年で多くの方々にサイクルロードレースの存在を知っていただきましたが、一方でどんなベテランでも、必ず「初めて」の瞬間というものがあったはずです。興味を持つきっかけは人それぞれでしょうが、やはり導入時には若干「普通ではないなにか」が必要だったりします。
興味を持ちベテランとなってしまえば、その後は独自進化してくのでしょうが、そういった方々へのニーズに応える努力も必要である一方で、やはり大切な「入口」に背を向けてしまっては本末転倒だとも強く感じています。
本日の実況は、サイクルロードレース初登場となる長澤洋明さんでした。
私自身、これまでも多くの喋り手さんの「初体験」を受け止めて参りましたが、今後も「もう十分に文化が創られた」と感じられるまでは、多く人たちの「初めて」のきっかけになれるよう精進していきたいと思います。