最近のエントリー
カテゴリー
アーカイブ
このブログについて
【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
日本最大規模の国際自転車ロードレース「ジャパンカップサイクルロードレース」が27回目の開催を無事に終えました。
今年は、「J SPORTSサイクルロードレース実況・解説陣」が多数現地入りして日曜日のロードレースをスタート1時間以上前から表彰式まで「ライブ配信(YouTube Liveでは無料配信)」でお届けするという力の入れようでした。
普段は国際映像を受けてスタジオからお届けすることが殆どのサイクルロードレース中継ですが、やはり、現地から生配信する形は臨場感が違います。
現地にいると、「いかにして現地の空気感をお伝えできるか」に気持ちが向いてしまうものです。
プロスポーツがエンターテイメントであることは紛れもない事実ですが、しかし、スポーツというのは、ある側面に於いては「演出のいらないエンターテイメント」であったりもします。
それは、そのスポーツが現場で発する独特の「空気」「色」「匂い」「音」などが、十分に洗練されたエンターテイメントだったりするからです。
一方で、映像と音声だけで楽しむスポーツは、時にゲーム内容が単調だったり、そのスポーツの見方そのものがわからない場合は、とてつもなくつまらなくなってしまうケースもあります...。
そのスポーツをよくわかっていて、現地映像と音声だけで楽しめてしまうような一部の方であれば良いのでしょうが、大半のひとにとってはそんな時こそ演出されたエンターテイメントが一部必要になったりもします。
しかし、やはり現場で生み出される「五感で感じるエンターテイメント」に勝てるものはありません。
今後、国内ロードレースが本格的に拡大・発展してくフェーズへと突入してくならば、やはり自転車ロードレースの現場が持つ独特の空気感をいかにして伝えていくのかを真剣に考えなければならないように感じます。
現地からの生中継・生配信は手間もお金もかかるものですが、毎年、国内のビッグイベントが続くこの季節には、ツール中継の時とは違った高揚感を味わえます。
国内で素晴らしいレースをたくさん観れることに感謝しながら、現場の空気感を皆さんにたっぷりとお伝えできるように引き続きがんばっていきたいと思います。