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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
日本に於ける代表的なプロスポーツである「プロ野球」についての記事を目にしました。
すでにいろいろなところで報道されている内容ではありますが、2017年シーズンの「プロ野球」の公式戦観客動員数は過去最高(実数発表を開始した2005年以降で)を記録したとのことです。
地上波のテレビで「プロ野球中継」をあまり見かけなくなっている現状を考えると、良い意味で逆行する素晴らしい数字であり、伝統ある「プロ野球界」が積極的なマーケティングで時代の変化にきっちりと対応していることがよくわかります。
数字の分析によると、特に「地元開催試合(ホームゲーム)」の観客数が伸びているとのことで、「地域密着型球団経営」の傾向が進んでいることがみてとれます。
一方で、旧来型の地上波テレビを利用した「全国展開型球団経営」はかつてほどの勢いがなくなり、「地元開催以外の試合(アウェーゲーム)」に於ける観客動員は減少傾向にあるとの数字も紹介されていました。
ちなみに「地域密着型」という言葉を日本中に広めたのは紛れもなくサッカーの「Jリーグ」であり、ある意味で「プロ野球」の「Jリーグ化」が進んでいるという見方もできるわけです。
「大きなところ」が「マスメディア(不特定多数へリーチする大きなメディア)」を利用し「大きな資本」を巻き込んで「大きく展開する」手法から、「中小規模のところ」が「特定の層」へ向けて「コンパクトに展開する」手法へと変化してきているのかもしれません。
「大きいことが正義」の時代から、「目的がハッキリしていることが正義」の時代へと変化しつつあるのでしょうか。
こういった傾向というのは、日本で「マイナースポーツ」と呼ばれているコンテンツにとっては、むしろ歓迎すべき流れなのかもしれません。
「ユーザーが欲しいものを可能な限りダイレクトに届ける」
「モノ」に於いても「情報」に於いても、これからはこの傾向がより強まっていくのは間違いのでしょう。