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一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
以前もご紹介したことのあるオンラインサイクリングコミュニティ（固定ローラーをオンラインで繋ぎディスプレイ上で世界中の人たちとバーチャルライドが楽しめるサービス）を利用したバーチャルライドでのトライアウト（選手発掘プログラム）が、とうとう男子のUCIワールドツアーチームとの連携で実施されることになりました。
昨年、まず第一弾としてすでに実施されていたのは、「女子のワールドツアーチームとの契約」というご褒美が用意された女子選手向けのバーチャルライドに於けるトライアウト。
全世界から約1,200名の参加者があり、11ヶ月にも及ぶプログラムを勝ち抜いて見事女子プロチームとの契約を獲得したのは、アメリカのリア・ソーヴィルソンさんでした。
ソーヴィルソンさんは約束通りにドイツの女子プロチームに加入し、2017年シーズンは春先から欧州でのメジャーレースに出場を続けています。
明確なキャリアがないなかでのレース参戦なのでシーズン前半こそリタイアが続きましたが、「ジロローザ」出場のあと辺りから徐々にレースに慣れはじめ、直近では8月中旬に開催された「ツアー・オブ・ノルウェー（ワールドツアー）」で総合97位で完走を果たしています。
もちろんこのプロジェクト自体が初めての試みでしたので、今回は「怪物発掘」というところまでは到達できなかったものの、それでもレースが少なく道路事情（特に首都圏などは）も決して良いとはいえない日本という環境にとっては、将来的に高い可能性を感じる「選手発掘システム」のひとつであると感じています。
今回新たに発表されたのは、UCIワールドチームである「ディメンションデータ」傘下のディベロップメントチーム（男子育成チーム）「ディメンションデータU23コンチネンタルチーム」と契約ができるという新たな男子向けのプログラムです。
参加基準は2017年9月1日時点で18歳以上～21歳以下の男子アマチュアライダーで、6週間のトレーニングライド後、最上位のU23卒業生は、上記コンチネンタルチームとの契約権を獲得できるという内容となっています。
先にも書いたように、まだまだこれからの「選手発掘プログラム」ではありますが、日本の環境と国民性などを考えると、今のうちから積極的に関与していくべきチャレンジだと感じます。
対応機器とネット環境さえあれば世界中のどこからでも参加できるプログラムなので、もし「おれはレースに出たことはないけど体力だけは自信がある！」という若者がいれば、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
注：個人的にはとても可能性のあるプログラムだと感じていますが、一方で、現状ではバーチャルライドのみでは「乗車技術」や「実際のレースでの走り方」などは身につけることができないので、乗車スキルの向上も並行して取り組む必要があるといえます。