最近のエントリー
カテゴリー
アーカイブ
このブログについて
【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
『第103回ツール・ド・フランス』 が無事に閉幕しました。
すでに2度の総合優勝経験のあるクリストファー・フルーム(イギリス/チームスカイ)が、2位に4分以上の大差をつけて自身3度目となる総合優勝を飾りました。
ちなみに3回以上の総合優勝経験のある選手はこれまで僅か7名のみでしたので、フルームは103回の歴史のなかで8人目となる快挙を達成したことになります。
3回以上の総合優勝経験のある選手は以下の通りです。
ANQUETIL Jacques 5回 1964, 1963, 1962, 1961, 1957
MERCKX Eddy 5回 1974, 1972, 1971, 1970, 1969
HINAULT Bernard 5回 1985, 1982, 1981, 1979, 1978
INDURAIN Miguel 5回 1995, 1994, 1993, 1992, 1991
THYS Philippe 3回 1920, 1914, 1913
BOBET Louison 3回 1955, 1954, 1953
LEMOND Greg 3回 1990, 1989, 1986
FROOME Christopher 3回 2016, 2015, 2013
総合優勝4回という選手はこれまでゼロですので、気が早い話ですが、もし、来年もフルームが総合優勝を果たすことができれば、5勝クラブのスーパースター4名(アンクティル・メルクス・イノー・インデュライン)に次ぐ存在となるわけです。
今年31歳になったフルーム自身はインタビューで 『あと5~6年は総合優勝を目指して走りたい』 と語っており、5勝クラブ入りも十分可能といったところでしょう。
今年の 『ツール・ド・フランス』 では、フルームの 『下りアタック』、『サガンとの横風攻撃』、そして、『ランニング事件』 と、ある意味でレアな光景をいくつか観ることができました。
近年のツールは総合系のチームがフルメンバーでガチガチの状態で争うため、例年、テレビで観ていると一見大味な展開の印象が強いですが、それでも3週間に亘って様々なドラマが生まれるのもまた事実。
選ばれた者のみしか走ることのできない究極の舞台で戦う選手たちの姿はとてもカッコよく、そして最高に美しくもあります。
今年はこのあと 『リオ五輪』 を挟み、そしてすぐにシーズン最後のグランツールとなる 『ブエルタ・ア・エスパーニャ』 が開幕します。
現状では、ピノ(FDJ)、キンタナ(モビスター)、チャベス(オリカ)、バルギル(ジャイアント)、ロドリゲス(カチューシャ)、クルイシュウィック・ヘーシンク(ロットNL)、フルーム(チームスカイ)、コンタドール(ティンコフ)などの多くのビッグネームの出場が予定されており、今年も熱い戦いとなるのは間違いなさそうです。
シーズン後半戦も引き続き J SPORTS でサイクルロードレース中継をお楽しみください!