しゅ~くり~む ら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2015/07

S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

2015年07月08日

落車

しゅ~くり~むら by 栗村 修
  • Line

15070801.jpg

『ツール・ド・フランス』 は前半の4ステージを終えたばかりですが、すでに2週間ほど経ったような内容の濃さとなっています。

4強といわれる選手たちと他の有力選手たちの総合順位は以下の様なカタチとなっています。

個人総合時間順位 第4ステージ終了時
2位 Christopher Froome Team Sky +12s
3位 Tejay Van Garderen BMC Racing Team +25s
7位 Rigoberto Uran Etixx-QuickStep +46s
8位 Alberto Contador Tinkoff-Saxo +48s
11位 Warren Barguil Team Giant-Alpecin +1m19s
12位 Bauke Mollema Trek Factory Racing +1m44s
13位 Vincenzo Nibali Astana Pro Team +1m50s
14位 Robert Gesink Team LottoNL-Jumbo +1m51s
16位 Alejandro Valverde Movistar Team +2m03s
17位 Nairo Quintana Movistar Team +2m08s
18位 Joaquim Rodriguez Team Katusha +2m12s
19位 Jean-Christophe Peraud AG2R La Mondiale +2m19s
20位 Andrew Talansky Cannondale-Garmin Pro Cycling Team +2m51s
21位 Romain Bardet AG2R La Mondiale +3m06s
28位 Alexis Vuillermoz AG2R La Mondiale +5m58s
30位 Thibaut Pinot FDJ.fr +6m30s

『すでに大きなタイム差がついてしまった』 という捉え方もできますし、『まだまだ勝負はこれから』 という見方もできます。

但し、個人の能力以外の要素で比較的大きなタイム差がつきやすいチームタイムトライアルが第9ステージ(28km/しかも上りゴール)に控えているので、『1分ほどの差であればまだまだどうなるかわからない』 とみるのが妥当でしょうか?

何よりも、若干のコンディションの差があるとはいえ、総合の各有力候補の選手たちが大きな怪我もなくレースを走れていることに少なからずホッとしてしまいます(もちろん落車の犠牲となって大きな怪我を負ってしまった選手が多数でてしまったことはとても残念ですが...)。

それにしても、選手たちが無事に走っていることにある種の幸せを感じてしまうということは、とても通常の状態とはいえません。

年々落車の数は増え続け、レースそのものに大きな影響を与えるようになっています。

第3ステージで起きた大落車は、『主催者が一旦レースを止める』 という前代未聞の判断を誘発しました(通常は落車だけでレースをニュートラルにすることは殆どない)。

もちろん、今回の判断には正当な理由があったので、それ自体についての議論はすぐに収束しましたが、一方で、落車の数の多さと、選手たちの怪我の大きさについては、受け入れがたい状況へと向かってしまっているのは間違いありません。

それを受けてか、選手たちから 『落車を減らすための抜本的な対策を』 という声がチラホラとあがりはじめています。

但し、抜本的な対策というのは、大きな変化を生むことに繋がり、その変化が新たなアレルギーを生むリスクに繋がってしまうことにもなるでしょう。

落車が増えている理由はいくつか挙げられていますが、全ては 『レースに勝ちたい』 という大前提の感情から派生しているともいえるので、問題の根はかなり深いといえます。

少し話しが飛びますが、最近では外での練習(部活としての)を禁止している高校の自転車部(日本国内)があると聞きました...

ロードレースというスポーツが安全面において根本的な問題を抱えているということを、再認識しなくてはいけないのかもしれません。

  • Line