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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
昨日は、神奈川県のヒルクライムのメッカ、『ヤビツ峠』へCMのロケのために行って参りました。
ヤビツ峠は、私が15歳の頃から練習でよく上っていた峠なので、この場所へ行くと色々な思い出が脳裏に蘇ってきます。
選手といえども、選手業に集中する一方で、当然ですが日常の生活も送っているわけで、その時々の色々な出来事が当時と同じ景色を観ることで思い出されます。
ちなみに、"記憶の引き出し"を刺激する要素としては、ほかに"匂い"や"音楽"などもありますね。
ヤビツ峠をはじめて上ってからもう30年近くの歳月が経つわけですが、その景色は驚くほど変わっていません。
ビックリするようなスピードで姿カタチを変えていってしまう"街"に比べて、大自然の変化というのは、四季の移り変わり以外では人間の一生程度の時間軸では変化を感じ取ることは難しいのでしょうか...
そんな思い出のヤビツ峠に、まだ薄暗い早朝から日没まで長時間いたわけですが、国道246側からの上りコースには平日にも関わらず多くのサイクリストたちがトレーニングに訪れていました。
ロケでご協力いただいた地元の方に話を伺ったところ、『週末は更に多くの人たちが上っていますよ!』 とのこと。
一方で、『たくさんの自転車の人たちに来てもらうのは嬉しい事ですが、中にはマナーの悪い方もいて、地元の人間が危ない目にも遭っているんですよ。全体からみれば少数派なのでしょうが、そんな自転車乗りの方の影響で自転車のイメージが悪くなっている実情もあるんです...』 というご指摘を受けました。
特に下り区間での走りが危険を生み出しているようです。
大袈裟な話ではなく、状況が悪化すれば何らかの対策が講じられる可能性も否定できません。
サイクリスト一人一人が 『走る場所は皆のもの』 という意識を持って、この変わらない最高のエリアを守っていかなければなりませんね。