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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

栗村修の日常 2014年03月28日

創る人材

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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前回に続いて今回も動画をご紹介いたします(47分42秒)。

3月23日(日)にフジテレビマルチシアターに於いて開催いたしました 『2014年ツアー・オブ・ジャパン公式記者発表』 の模様をフルバージョンでご覧いただけます。

特に冒頭のイメージ映像部分は部屋を暗くしてできればフルスクリーンで“映画館風”の環境でご覧いただくことをお勧めいたします。

そして後半は、日本を代表するトップレーサー、西谷選手(愛三工業レーシングチーム)、土井選手(チーム右京)、増田選手(宇都宮ブリッツェン)、畑中選手(シマノレーシング) にお集まりいただき、TOJを実際に戦う選手たちの生の声をお届けしております(他の国内出場チームの選手・監督からもコメントをいただきました)。

今回、このイベントを開催するにあたり、普段は決して表にでることのない 『ツアー・オブ・ジャパン広報スタッフ』 の影のサポートに触れ、改めて“目に見えない力”の大きさや重要性を知ることができました。

また、映像制作をお願いした 『株式会社VIDEOライフ』 さんについても簡単にご紹介したいと思います。

01
年間を通してムービーカメラマンとしてロードレースを撮っている須田雅和さん

02
多くのロードレース関連の映像制作を手掛けている若い椎葉貴士さん

元々は、宇都宮ブリッツェンの 『PV制作サプライヤー』 として自転車界との繋がりを持った会社ですが、その後、実業団レースの撮影及び映像制作のお手伝いを依頼するようになり、宇都宮ブリッツェンのプロモーション映像だけでなく、年間を通して国内レースの公式映像を取り扱っていただくようになりました。

ひとえに“自転車レース”と言っても、ビジネスとして創り上げていくためには、様々な分野のスペシャリストが存在していないと成り立ちません。

いまの国内自転車界で話題に上がるのは、“既存の選手たちの強化”と“チーム周辺の人材の育成”くらいであって、プロとしての“レースオーガナイザー”の育成や、この世界を構築していくにあたって重要な多くのスペシャリストの存在が完全に置き去りにされてしまっています。

もし、『ツール・ド・フランス』 の撮影スタッフが誰一人いなくなったら、果たしてこの世界最大の自転車レースは存続していくことが可能なのでしょうか?

自転車ロードレースのカメラクルーというのは、完全に特殊技能の分野に入るプロの仕事であり、世界トップクラスのレース映像の素晴らしさはやはり別格のものがあります。

恐らく“代えが効かない”という意味では、主役であるはずの選手たちよりも、レースオーガナイザーにとっては大切な存在なのかもしれません。

また、『ツール・ド・フランス』 の映像制作には、ハリウッド映画の制作スタッフが起用されているという情報もあります。

フランスの広大な風景の中を走る自転車レースをハイビジョンでいかに美しく魅せるか?

それら一つ一つが“プロ”のレースを創りあげる重要な要素となっていきます。

選手たちが質の高い素晴らしいレースを創るのと同じくらい、レースを創る側の存在が重要かつ必要なことだというのを本場の自転車関係者は理解しているはずです。

レースというのは、チームと選手だけで成り立つものではありません。

須田さんのように日本では数少ない“ムービーカメラマン(正確にはバイクドライバーの技術&コンビネーションが重要)”が育ち、椎葉さんのように自転車レースの魅せ方を日々勉強している映像関係者が生まれることで、この世界はようやく本質的な成長を手に入れることができるのでしょう。

残念ながら、現在は関係者の方々が専任で食べていくには程遠い状態にあります。

やはり、最低限の資金(何十億/年間)をこの世界全体に手繰り寄せる方法を考えなければ、必要な雇用を生み出すとことは不可能でしょう。

やらなければいけないことはみえているわけですから進むしかありませんね。

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