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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
『地元キャンプ、柿沼/廣瀬/中村/増田/辻/小坂/初山/若杉/片山右京。この直後に地震が発生。』
東日本大震災から3年が経ちました。
地震発生時、宇都宮市内のスーパーで選手用の補食を買っていた(合宿中だった)のですが、レジに並んでいると揺れがどんどん大きくなっていき、怯えるレジのおばちゃんを台の下へ押し込んだあと、自分も急いで台の下へもぐりこみました…
揺れが収まって台の下から出てみると、一面に商品が散乱し、砂埃が舞うただならぬ光景が広がっていました…
宇都宮でも震度6強を記録。
その後、東北地方を中心に深刻な被害が広がっていることを知ります。
多くのレースがキャンセルとなり自分たちの無力さを感じました。
チームは多くのボランティア活動などに力を入れましたが、選手たちは再開の目処が立たない状況下でただ黙々とトレーニングを続けていくしかありませんでした。
『自分たちは自転車に乗っていていいのだろうか?』
『自分たちに何ができる?』
『ここは大丈夫なのだろうか?』
選手たちは日々そんな風に悩んでいたと思います。
この時期に感じた多くのことは、これからも心の奥底にずっと残っていくことでしょう。
明確な答えはわかりませんでしたが、
『キレイ事を探すのではなくて、自分に与えられた一日一日に感謝して、毎日を一生懸命に生き抜く』
ということを強く教えられた気がします。
結局、人生とはそうやって進んでいくしかないのだと。
あらためて震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。