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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
私はかつて5流のプロスポーツ選手でした。
一方で自分のなかにオタクの要素があると感じたこともあります。
ちなみに社会人としての常識ベレルは10段階中下から2くらいでしょうか?
2007年の 『ツール・ド・フランス』 第16ステージでマイヨ・ジョーヌを着てステージ優勝を飾るも、その日の夜にチームをクビ(所在地報告義務違反)になって地獄へ落ちた ミカエル・ラスムッセン が暴露本を出版した模様です。
その本の中で取り上げられた2012年の 『ジロ・デ・イタリア』 王者 ライダー・ヘシェダル が、マウンテンバイククロスカントリーのプロ選手だった2003年にEPOを使用していたとの事実を認めました。
ヘシェダル は現在プロチームの中でも積極的なアンチドーピングポリシーを謳っている ガーミン・シャープ に所属しており、既にこのことは USADA などに対して証言済みで、今後もこの事実から目を背けることなくクリーンなレース界の構築に尽力していくという趣旨のコメントを残しているようです。
フロイド・ランディス、タイラー・ハミルトン、ランス・アームストロング、ミカエル・ラスムッセン、etc、、、
ドーピングが発覚して地獄に落ち、その後ある種の復習心をモチベーションに変えたゾンビたちが続々と蘇ってきます。
ハミルトン や ヤクシェ などの証言で過去にチームマネジャーとしてドーピングに関与したことが疑われている リースGM についても、今回 ラスムッセン から同様の証言があったようです。
デンマークのアンチドーピング機関は、引き継ぎ リースGM の関与を調査中とのことですが、リースGM は ヘシェダル とは対照的にこの件について沈黙を貫いています。
10人のバリバリスポーツマン(体育会系)集団の中に一人のオタクが迷いこんでしまい、そのオタクが 『筋肉と根性だけでは今の世の中は生き抜けない』 と言い放ったならちょっと怖い状況に陥るでしょう…
逆に、 10人のオタク集団の中に一人の超体育会系人間が迷い込んでしまい、『明日から腕立て腹筋1000回と日焼けが義務』 と強要したならば、恐らく 『面倒くさいのが来たな…』 と煙たがられるに違いありません…
ランディス、ハミルトン、アームストロング、ラスムッセンなどは、一般的(外向き)にはプロのプロトンの中で変人として扱われています。
もし、リースGM が噂されているような過去を持ち、それらを包み隠さず個人名と共に全て暴露したならば、選手たちから絶大な信頼を得ていると言われている彼の評価はガラッと変わってしまうのかもしれません。
人の評価というのは、その大半が 『自分にとって心地よい(メリットがある)かどうか?』 が基準となって決められます。
自分自身が超体育会系であっても、逆に超級のオタクであっても、 両者の価値観を理解し、更に一般社会の常識レベルというアンテナを張らなければ、潜在的なリスク(カルト化)はどんどん増していってしまいます。
偏り過ぎないように気をつけないといけませんね。