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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

栗村修の日常 2012年07月09日

注目されるということ

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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[とちまるくんに嫉妬する老舗キャラクターのイナズマン]

『那須高原ロングライド』に参加してきました

夜にツール中継の仕事が入っていた関係で当初は20kmのファミリーコースを走る予定だったのですが、誘導されるがままに走っているといつの間にやら50kmコースに迷い込んでしまい、気が付くと乗る予定だった電車の時刻が刻一刻と迫ってくる状況に…

向かい風が吹く緩やかな上り基調のコースを汗だくになりながら踏み続け、そして汗が引く間もなく着替えを終え(パンツ逆さまに履いてました…)、なんとかオンタイムで電車に乗ることができました(福島さんありがとうございます)

そんな、勝手にスリリングな展開を楽しんでしまった今回のサイクリングイベントでしたが、大会前日に開催された前夜祭で個人的にちょっと嬉しくなる光景を目の当たりにしました。

台に上がってのチーム紹介を終えた選手たちが、歓談のために皆さんがいらっしゃるエリアに散った時のこと。

小さな女の子二人組が増田選手を見つけると、『あっ、増田だ、◯◯ちゃんサインもらえば』と言って、増田選手のところに駆け寄ってTシャツにサインをしてもらっていたのです

ツボだったのは、小さな女の子が親御さんに連れられているのではなく、自分の目で増田選手を発見し、そして自分の意志でサインをもらいにきて、更に『増田だ』と呼び捨てにしていたところに大いに感動しました。

我々も、テレビで見る有名なプロスポーツ選手を見つけた時には、『あっ!◯◯だ!』と呼び捨てにしてしまうことが殆どだと思うので、そういう意味では彼女たちにとって増田選手は、ある意味で立派なプロ選手として映っていたということになります。

宇都宮ブリッツェンが他のチームと一線を画しているとことは、『ロードレースのことはあまり知らない』、『ツール・ド・フランスを見たことがない』、『カデル・エヴァンスって誰ですか?』という方でも、このチームの存在を知り、そして熱く応援していただけているという事実です。

逆に言うと、『宇都宮ブリッツェンを通じてロードレースというスポーツを知った』、『宇都宮ブリッツェンを通じてツール・ド・フランスを知った』、『宇都宮ブリッツェンを通じて他の日本選手やチームの存在を知った』など、これまでとはまったく違った切り口で文化を創りあげてきたとも言えます。

注目されるということ…

宇都宮ブリッツェン創設当初から各イベントで活躍してきた老舗キャラクターの『イナズマン』が、今回の会場で子供たちを中心に人気を集めていた『とちまるくん』を見て一言つぶやきました。

『オレも昔は握手を求められたのに…なにか考えないといけないな…』

注目されることの価値と重要さを一番理解している『イナズマン』が口にした一言が、私の心に強く突き刺さったのでした
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