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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

栗村修の日常 2012年01月11日

哲学

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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自分は昔から着るものや持つものに対して拘りはあまりないほうでした。

洋服を買う時は『時代から遅れないよう』注意している程度で、ブランドものや高価なものには殆ど興味なし。

クルマは国産、PCや携帯電話も殆ど国産、時計はSEIKO、サイフやバッグはPOTER、スーツケースを買うときも周りが皆RIMOWAが最高だと言っていても、値段が変わらないのに国産老舗のACEを選択するありさま…

『海外ブランド志向』という言葉がありますが、自分の場合は気がつくと逆に『国産志向』になってしまってました。

更に正確に言えば、『国産志向』というよりかは『機能性重視』という解釈を自分の中では持っています。

モノの美しさは、そのモノが持つ『機能』が醸しだす。

見た目だけで機能がすっからかんなモノには興味なし…

しかし、歳をとって何かのきっかけで海外製品に触れる機会が生まれると、いわゆるブランド品が『ブランド』だけではないことに気づき始めました。

例えば LOUIS VUITTON のサイフ。

ヴィトンといえば、なんとなく“成金”というイメージを若いときには持っていましたが、実際に使ってみると非常にモノが良い。

丁寧な創りで長持ちする。

長く使えるのでコスト的にも悪くない。

結局、同じタイプの同じ色のサイフを2回続けて買ってしまいました。

当たり前といえば当たり前なのでしょうが、ヴィトンは元々モノが良い。

だから信頼性が生まれて今の地位を確立していった、ということなのでしょう。

そんな調子で今では持っているモノの3分の1くらいが海外製に変化してきています。

ただ、やはりモノを選ぶ基本にあるのが、そのモノが本来持っている『機能』が優れているかどうか?という部分なのは変わっていません。

ところで、『持ち物』や『モノの選び方』といのは、かなりの割合でその人の生き方や中身を反映している気がします。

もちろん人は見た目ではないわけですから、外で会った時はキレイなカッコをしているけど部屋はとんでもなく汚いというパターンもあると思いますし、外見はまったく気にしていなくとも素晴らしい人間性を持った人たちもたくさんいます。

しかし、それらも含めてトータルで考えれば、やはり『モノの選び方』というのは、その人の本質をある程度反映しているはずだと感じます。

そこで、ちょっとこの傾向をチーム創りに置き換えて考えてみました。

チームという『モノ」に要求される要素はたくさんあります。

・まずは『実力(成績)面』。

これは誰しもが最初に思いつく内容であり、モノに例えれば『機能』にあたります。

・一方で、ある意味で人気商売の側面を少なからず持っているわけですから、外から見たイメージが閉鎖的で汚らしい印象だとある程度の規模以上へは発展できないでしょうし、残念ながら人や企業はお金を出してくれないはずです。

モノに例えると『ブランドイメージ』になります。

・更に『信頼性』。

活動に一貫性や継続性があり思いつきではないこと、ファンサービスや慈善活動などにも積極的に取組むことなどです。

モノに例えると、『製品品質』や『アフターサービス』などに当てはまる部分かもしれません。

・そして、マクロな意味で最も重要なのがチームとしての方向性、『ポリシー』や『フィロソフィー』という言葉で表現される内容です。

世界の一流ブランドには、必ずその企業の『方針』、『哲学』があります。

経営者は明確な方針を示して未来(ヴィジョン)を描くと共に、そのグループの哲学を語れないといけません。

実力があり、イメージ戦略で成功したとしても、この哲学がなければ人の心を最終的に掴むことができないはずです。

自分がいくつかの国産製品になんとなく足りてないなあ、と思うのがまさにこの哲学の部分でした。

哲学とは、例え孤立してもそれを貫き、そして本質的な価値を生み出すためのベンチマークとなるものです。

イメージ戦略などでは時代の変化に臨機応変に対応する必要がありますが、哲学という根底の部分は極端な話最後までブレてはいけないものだと思っています。

ブレるくらいなら一度止めて違った形で出直した方がまだましでしょう。

と、書いてはみたものの、改めて自分の未熟さを感じてしまいます。

ノラリクラリ精進いたします。
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