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【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。
被災地では今も尚、懸命の救援活動や復旧作業が日夜行われています。
この状況のなかに於いて、被災地“外”の人達が大きく動揺し、自らの無力さや何もできない自分を攻める気持ちが大きくなって、“心のバランスを崩してしまっている”という報道を見かけるようになってきました。
繰り返しになりますが、今はそれぞれの人達がで自分なりにできることを行い、そして苦しんでいる人達を想う気持ちを“継続”させることが大切です。
チャリティが、競い合いや強迫観念の様なカタチになってしまっては本末転倒です。
被災地の方々は“危機”から懸命に立ち直ろうとしています。
被災地“外”の人たちは、被災者の皆さんがいずれ立ち直る目標としている“日常”を維持する義務があります。
今回の災害による復興には相当な時間がかかると言われています。
今は世界中がこの大災害に注目しているのでいたるところでチャリティイベントなどが開催されていますが、時間が経つにつれてその動きは徐々に落ち着く方向へと向かっていくのでしょう。
本当に大切なのはそこからなはずです。
“自粛”や“不謹慎”などの言葉が多く飛び交っていますが、国全体が“日常”へのモチベーションを下げ、経済が更に落ち込んでしまえば、本格的な復興が始まった時に景気が悪化をはじめて、被災者の方々を間接的に苦しめることになります。
昨日、実業団連盟の各委員や理事(全員ではありません)などが集まって、今後の活動などについての話し合いが行われました。
その席で、実業団連盟として、できるだけ多くのレースを開催したい考えであることを確認しました。
実業団レースというのは、実業団連盟がレースを単独開催しているのではなくて、他のイベントなどと併催している形が多く、また自治体の意向などもあるので、レース開催を単純に連盟のみで判断できる構造ではないとのことです。
それでも、今シーズン予定されていたレースを出来る限り開催、もしくは中止になっても振り替えなどで対処して、レース数が減ることを避けたいという方向性を導き出しました。
実業団レース以外でも、レースの開催について現在協議中の大会がいくつかあります。
公道で行うロードレースの場合、警察などが道路使用許可を認めなければレース開催は困難となります。
しかし、今年に限って言えば、西日本エリアのみ、もっと極端に言えば“伊豆の日本CSC”のみで無理やりステージレースを開催してもいいのですから、流れを止めない気概を期待したいものです。
被災者のなかにもレース活動を行っていた方々がたくさんいるはずです。
彼らが日常を取り戻して再びレース活動に復帰した時に、日本のレース数が激減していたらそこで更に悲しむことになるでしょう。
個人的なことですが、このブログもいずれ“日常”を取り戻さないといけません。
被災地を忘れるのではなくて、想いを持ち続けたまま“日常”を復活させる…
簡単ではないですが、前に進まなくてはいけません。