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このブログについて

プロフィール写真【栗村修】
一般財団法人日本自転車普及協会
1971年神奈川県生まれ
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。豊富な経験を生かしたユニークな解説で多くの人たちをロードレースの世界に引きずり込む。現在は国内最大規模のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の組織委員会委員長としてレース運営の仕事に就いている。

栗村修の日常 2011年02月12日

オフィシャルブログの価値

しゅ~くり~むら by 栗村 修
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宇都宮ブリッツェンには、統一されたデザインのオフィシャルブログが存在しています。

チームでオフィシャルブログを採用したのは「チームミヤタ」時代が最初で、その後「シマノレーシング」でも採用しました。

本来ブログというのは、選手個人が「自らのコンテンツ」として所有し、それをチームがオフィシャルHPなどにリンクするのが通常のカタチだと思います。

ある程度メジャーなスポーツであればその形式でイイと思います。

しかし、国内に於いてはまだマイナースポーツの域にある自転車競技では、チーム側がある程度選手自身のプロモーションに首を突っ込むことが必要でしょう。

これが表向きのオフィシャルブログの価値です。

オフィシャルブログが持っている本当の価値というのは、外に向けた情報配信ツールとしてよりも、チーム内での情報共有ツールとしての意味合いの方が大きいと感じています。

私は、統一されたブログを各選手に用意したあと、その使い方や更新頻度などについては殆ど口を出しません。

それは、ブログを通して、選手たちの性格や精神状態、もっと言えば自転車競技に対する情熱などを感じ取りたいからです。

ちなみに「真面目にブログを更新しているから優秀」、ということではなく、その選手なりの変化というものをブログは如実に伝えてくれます。

そしてもう一つ、私は、一流のプロスポーツ選手というのは、ある意味で、ファンやメディアが育て上げてくれるものだと思っています。

しかし、「周り」とのコミュニケーションの機会が劇的に少ないマイナースポーツというのは、競技面に於いて優秀であっても「プロスポーツ選手」としては抜け落ちているものが多い競技者が育ってしまう可能性が高くなります。

ある種の義務感を備えたオフィシャルブログというのは、選手をオフィシャルなカタチで外部と結びつけ、それと向き合いながら競技に打ち込むという、バーチャルなカタチでのミニメディア、ミニプロスポーツを作り出します。

競技へのモチベーション、責任、喜び、賞賛、失敗、屈辱、矛盾など、競技者として強くなっていくのに必要な要素を、オフィシャルブログは小さいながらも作り出してくれるのです。

外部との接点を多く持つ環境にいる選手というのは、最初は苦労したり廻り道をするこになったとしても、中長期的にみればより人間的に成長し、そして、競技者としても高い実力を身につけ、プロスポーツ選手として重要な「魅力」を備えた競技者になっていきます。

恐らく、選手を引退しあとの彼らの将来にもプラスになっていくはずです。

そういえば、昨年の「Jプロツアー」リーダーの畑中選手が、初山選手に「ブログの重要性」を熱く語っていたらしいです…

ただ、何度も言いますが、面白いブログを書く必要はないですし、既に2月中旬になるのに一度も更新していなくても個人的にはなんとも思いません

それが、その選手の個性であり、今の状況であり、フィクションではないドキュメンタリーだからです。

その分、連帯責任で、監督がネタ切れと闘いながら一生懸命更新していきますので…

スポンサーが付いているチームに所属している選手というのは、その規模に関わらず、ある意味で皆、公の存在です。

メジャースポーツになれば、選手がなにもしなくても、メディアやファンがが良くも悪しくも色々と騒いでくれるのでオフィシャルブログの存在意義は薄れていくのでしょうが、このスポーツにとってはまだしばらくは必要なアイテムな気がします。

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