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サイクルロードレース コラム 2026年3月4日

【輪生相談】以前のように楽しく体を動かし、時間が足りなく思うほど練習したいと思う理想と、真逆の現実に悩んでいます

輪生相談 by 栗村 修
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いつも楽しくみています。現在52歳のサイクリストです。以前は、一日の中で自転車に乗る時間が決まっていて、平日の朝は朝練で1時間、夜はローラーで1時間ほど。休日は100キロほどを走っていました。そのほかにも通勤で少し走ったり、時々ランやジムに通ったりとにかく体を動かすことが大好きで時間が足りないと思うほどでした。
それが、コロナ禍で少し休んだことを境にガラッと変わっていまい、全く走らなくなってしまいした。平日は通勤程度で基本的に全く乗らず、休日も60~80キロ程しか走りません。ワクワクしながら体を動かすということがなくなりどちらかというと義務感のような感じで、そこに「楽しくて走りたいから走る」というのがありません。
楽しく体を動かし、時間が足りなく思うほど練習したいと思う理想と、真逆の現実に悩んでいます。以前のように戻ることはできるのでしょうか。アドバイスをお願いします。

(男性 会社員)

 

ものすごく共感してしまいます。僕も20年ぶりにロードバイクトレーニングを再開して1年半が経過したころですが、そろそろモチベーションの波を感じはじめているところだからです。

今まで繰り返し発信してきたことですが、モチベーションとの向き合い方は、ご自身の性格を知るところからはじまります。おおざっぱに、三つのモノサシを使ってみましょう。

まず、内向型か外向型か。前者は行動の理由が自分の内側にありますから、他人との比較はしないタイプです。承認欲求は少なめといえますね。外向型はその反対で、行動の理由が他人との比較にある、負けず嫌いタイプです。

もう一つが、定量タイプか定性タイプか。前者はパワーメーターなどの数字が大好きなタイプで、後者はもっと、新緑の匂いとか心地よい風とか、定性的なものにセンサーを働かせます。

第三に、ルーチンを好むルーチン型か、それを嫌う変化型か。加えて年齢による体力やモチベーションの変化も変数に加えていいかもしれません。

さて、改めて考えてみましょう。モチベーションの安定性という点で最強なのは、内向・定性・ルーチン型でしょうか。モチベーションが他の要素に左右されづらいんですね。ただし、一度崩れると、そのまま離れてしまう可能性もあるようにも感じます。自分の中の灯が消えてしまうわけですからね。

逆に、もっとも弱いのが、外向・定量・変化型です。SNSとパワーメーターが当たり前になった近年のホビーレーサーを見ると、多くの人が外向・定量型であるように見えるのですが、実はモチベーション維持という点では、やや不安定なんですね。実際、ふっとロードバイクを止めてしまう人も少なくないと聞きます。

簡単に解説しましょう。まず外向型の人は、ネット・リアルを問わず他者との関わりから喜びやモチベーションを得る傾向があるので、それらがポジティブに機能している間は良いのですが、ひとたび劣等感や人間関係といった負の側面が表れ始めると、バランスを崩しやすい特徴があります。

また、定量型の人も、パワーやタイム、順位などの数値が伸びている間はモチベーションを維持しやすい一方で、いずれ必ず頭打ちは訪れます。その局面でうまくアジャストできない場合、一気にやる気を失ってしまう可能性があります。

さらに、ルーチンが苦手、すなわち飽きやすいタイプの人も、継続は難しいですよね。

もちろん、これらはあくまで個性の違いなので、良い悪いの話ではなく、それぞれに合った生き方や選択をしていけばよいのですが、今回は「モチベーション」や「継続」という文脈で整理するため、このような分けかたをしています。

質問者さんは、モチベーションの源泉は内側にある内向型で、数値の多さからして定量型傾向、そしてルーチン型だと拝察します。このうち、数値の部分とルーチンが崩れたことが、今回のお悩みの原因かもしれませんね。

ならば、数値目標やルーティンそのものを一度リセットしてみてはいかがでしょうか。心身は常に変化し続けるものですから、過去の自分に固執し続けるのは得策とは言えません。特に52歳という年齢を考えると、5年前とできることが変わるのは、むしろ自然なことだと思います。かつての100kmはいまの80km、週5のトレーニングはいまの週3に該当するかもしれません。あるいは、バイクをグラベルロードに替えてダートを開拓してみれば、たとえ10kmでも新しい楽しみに出会えるかもしれません。

まずは自分自身を理解すること。そして、ご自身の変化を受け入れたうえで、モチベーションの源泉をもう一度定義し直してみてはいかがでしょうか。

自分自身を理解してモチベーションの源泉を探そう

文:栗村 修・佐藤 喬

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栗村 修

中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。

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