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サイクル ロードレース コラム 2024年8月30日

【速報 ブエルタ・ア・エスパーニャ2024】逃げに乗ったカストリーリョ、ラスト10kmを独走逃げ切りプロ初勝利/第12ステージ

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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ブエルタ・ア・エスパーニャ

強力な逃げメンバーから区間勝利をもぎ取ったカストリーリョ

オウレンセからマンサネーダスキー場まで137.4kmと少し距離の短いステージ、立ちはだかるのはフィニッシュ地である1級山岳マンサネーダスキー場ただ一つ、ただし道中連続する起伏が続く。オフィシャルスタートが切られるとマイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック)、パウ・ミケル(エキポケルンファルマ)、ヘスス・エラダコフィディス)が飛び出し吸収される、ワウト・ファンアールトヴィスマ・リースアバイク)も抜け出すがやはり捕まってしまう。

止まらぬアタックの応酬の中30kmほど進んだところで9人が飛び出す、メイン集団はまだ追い続けジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ)がブリッジ成功したところで容認、10人の先頭グループが形成された、メンバーはマルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)、ナルバエス、オスカル・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)、マウリ・ファンセヴェナント(ティーレックス・クイックステップ)、カルロス・ベローナ(リドル・トレック)、マウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)、ルイス・メインチェスアンテルマルシェ・ワンティ)、マックス・プール(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)、アロルド・テハダ(アスタナカザクスタン チーム)、パブロ・カストリーリョ(エキポケルンファルマ)。

逃げに乗りそこねたウッズとローレンス・ハイス(アルケア・B&Bホテルズ)が追いかけるもタイム差は縮まらず10kmほどで諦めメイン集団へ戻っていった。先頭とのタイム差はどんどん広がり10分を超えた。中間スプリントポイントはファンセヴェナントが先頭通過。

1級山岳マンサネーダスキー場へは8分15秒差で上り始める、最初に仕掛けたのはソレルで最後尾から勢いをつけて加速する、ついていくのは残り9人全員。ベローナ、ファンセヴェナントと加速して抜け出す、ソレルが先頭で追いつきベローナが再びアタック。もう一度ソレルが先頭でベローナに追いつく、残り距離10kmでカストリーリョがアタック、これは見送られ牽制状態に入っている。カストリーリョはペダルを踏み続け苦しい表情を浮かべながらも走りきり、みごと区間優勝を挙げた。

エキポケルンファルマとしてチーム初のブエルタ区間優勝、カストリーリョ自身もプロ初勝利でありブエルタ初出場での大金星となった。メイン集団は6分29秒後にフィニッシュ、総合勢に変動はなかった。

「信じられない勝利、チームとスタッフのおかげ、30kmもの逃げのアタックは大変だった、メンバーみたら強力で......昨晩残念ながら亡くなった特別な人(チームの創設者)マノロ・アスコナに捧げたい」カストリーリョ、ステージ勝利後インタビュー

J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル

【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第12ステージ|Cycle*2024

ステージ順位
1 パブロ・カストリーリョ(スペイン/エキポケルンファルマ)in 3h 36' 12''
2 マックス・プール(イギリス/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)+ 00' 08''
3 マルク・ソレル(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 00' 16''
4 マウロ・シュミット(スイス/ジェイコ・アルウラー)+ 00' 23''
5 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 34''
6 マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー/ティーレックス・クイックステップ)+ 00' 40''
7 アロルド・テハダ(コロンビア/アスタナカザクスタン)+ 00' 49''
8 カルロス・ベローナ(スペイン/リドル・トレック)+ 01' 03''
9 ルイス・メインチェス(南アフリカ/アンテルマルシェ・ワンティ)+ 01' 14''
10 オスカル・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 52''

個人総合順位
1 ベン・オコーナー(オーストラリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル)in 47h 37' 35''
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)+ 03' 16''
3 エンリク・マス(スペイン/モビスター)+ 03' 58''
4 リチャル・カラパス(エクアドル/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 04' 10''
5 ミケル・ランダ(スペイン/ティーレックス・クイックステップ)+ 04' 40''
6 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 23''
7 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ/レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)+ 05' 29''
8 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 05' 30''
9 フェリックス・ガル(オーストリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル),,
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド/イスラエル・プレミアテック)+ 05' 46''

ポイント賞
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー/ヴィスマ・リースアバイク)243 Pts
2 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)162 Pts
3 パヴェル・ビットネル(チェコ/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)81 Pts

山岳賞
1 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)22 Pts
2 ワウト・ファンアールト(ベルギー/ヴィスマ・リースアバイク)22 Pts
3 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)18 Pts

ヤングライダー賞
1 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)in 47h 42' 58''
2 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ/レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)+ 00' 06''
3 マティアス・スケルモース(デンマーク/リドル・トレック)+ 01' 18''

チーム総合順位
1 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)in 142h 53' 04''
2 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)+ 19' 24''
3 デカトロン・AG2Rラモンディアル(フランス)+ 20' 24''

敢闘賞
202 パブロ・カストリーリョ(スペイン/エキポケルンファルマ)

リタイア
103 ケヴィン・ゲニエッツ(ルクセンブルク/グルパマ・FDJ)
91 レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー/ロット・デスティニー)

コースマップ

コースマップ

8月30日(金) 第13ステージ
ルーゴ > プエルト・デ・アンカレス
175.6 km(山岳)
激坂天国のブエルタに新名物が加わる

激坂天国のブエルタに、またしても新たな名物が加わる。その名もプエルト・デ・アンカレス。たしかに、山自体は、すでに使用されたことがある。ただし今回よじ登る「壁」は、正真正銘、大会史上初登場だ。

ユネスコ世界遺産であるローマ時代の市「壁」から、大会5つ目の山頂フィニッシュへと走り出す。スタート直後に待ち構える2つの起伏(無印+3級)は、逃げの形成を促すだろう。続く2級山岳はいまだ足慣らし程度。下りの先には、長い平地も挟まれる。

2014年ロード世界選開催地のポンフェラーダを通過したら、残り40km、いよいよ勝負地アンカレス山地へと突入だ。以降、否応なしに、難度は増していく。小さな無印の出っ張りをこなし、2級山岳ルメラス(登坂距離6.6km、平均勾配6%)を乗り越え、ついにはフィニッシュへと続く1級山岳アンカレスへ。

2011年は区間途中に通過し、2012年と2014年にはこの山で勝敗が争われたが、いずれも北側からのアタックだった(2012年は北東、2014年は北西から)。今回は初めて南東から攻める。北からの2つの登坂路に比べれば、登坂距離こそ最短の7.5kmながら、平均勾配は9.3%と最も厳しい。

しかも勾配3%弱でしかない序盤2kmを除けば、数字は、さらに上がる。ラスト4.5kmの平均勾配は12.4%!しかもラスト1.5kmは、道はほぼ真っ直ぐな上に、13〜15%の勾配が延々と続くのだ。もはや絶望的。スローモーションの恐ろしき死闘が、繰り広げられる。

コースプロフィール

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ステージ詳細テキスト:宮本あさか

J SPORTS編集部

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